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施設で出会った忘れられない人

皆さんこんにちは(❁´ω`❁)
10月も半ばになりますねΣ(゚д゚;)ハヤッ...
あっという間に年末になってしまいそうです💦


それにしても安定しない天候ですね(´×ω×`)…
おかげで私は体調絶不調です笑

お互い心身ともに大切に過ごしたいですね(*^^*)




さて
皆さんには忘れられない人はいますか??

私には何人かおりまして…

ふっとその時の光景が蘇ってくる人がいます。


その人は私が務めていた施設を利用している人でした。


出会いの日


施設見学にケアマネさんといらっしゃいました。


その時は詳しい理由は分かりませんでしたが、何件も施設利用を断念しているとの事…


そのせいか、ご本人の顔が少し強ばっていた気がします。


その方(以後Aさんとします。)の様子をはじめは遠巻きに見ていたのですが、とある物が目に飛び込んできました。


それはAさんが使っていた杖です。


Aさんの顔位ある長さ。
そして杖の頭の部分がカラフルに塗られていました。


「Aさんがお使いの杖、とってもステキですね!」



そう話しかけると、Aさんの顔つきが変わりました。


「これさぁ、オレが手作りしたんだよ!!
近くに生えてた竹を持ってきてさ、杖にしてるんだよ!」

まるで子どもの様に目をキラキラさせてお話をされました。

(何だかこっちまで元気が出ちゃうな。)

とても純粋で正直。

そんなAさんに心を奪われました。



そしてすぐに施設利用が決定しました。



利用が決まったので、ケアマネさんからAさんの情報を渡されました。



まず軽度の認知症である事。

そして年上の奥様と仲良く暮らしていたのですが、奥様が急死。

その後お酒に走るようになり、親戚との関係がこじれ一切連絡を取っていない事。

お酒ばかり摂取しているので栄養が足りず、味覚障害も併発してしまった事。

アルコール依存症である事…

数々の施設ではお酒の事を注意され
心を閉ざして利用に繋がらなかった事…



施設の職員さんは決してAさんに対し
酷い事をした訳ではありません。

逆にAさんの事を心配するからこそ…
Aさんに幸せな生活を送って欲しいからこその、声かけだったと思います。

それだけアルコール依存症という病気は
本人も周りも克服する為の対応が
非常に難しい病気だと感じています。


アルコール依存症は飲酒のコントロールが効かなくなるが為に
様々な事が破壊されて行きます。


家族
友人関係

職場
地域との関係…

そしてアルコールを摂取し続けると
「死」

を招いてしまう恐ろしい病なのです。


Aさんも様々な喪失体験をしています。

とてもつらい想いをしている方なのだと拝察しました。

子どものようにはしゃぎながら話す
Aさんの事を思い返す度に
胸が張り裂けそうになりました。


そして初の利用の日。
Aさんのご自宅にお迎えに行きました。


案の定朝からお酒のにおいがします。


「Aさーん!!
お迎えにあがりました!!」


玄関から声をかけると、数匹のネコちゃんと一緒に奥からAさんが出てきました。


「ごめんねー!
朝から飲んじゃってさぁー!」


ニコニコと笑う顔…


でも、私には本当に笑っているとは思えなかったのです。



私の過去の記事を読んでいただいた方は
分かって下さっている事だと思うのですが

私も人と違う個性があるが為に
人から煙たがられたり
理解されなかったり
寂しい想いをしました。



そんな私なので
周りから理解されにくいという寂しさは
痛い程分かったのです。


(Aさん…
つらいのに
そんなに無理して笑わないで下さい…)


そんな想いを抱え
思わずこんな言葉を発してしまいました。


「Aさん…
お酒を飲まないとやってられない程の事があったんじゃないですか?

そうするしか
その時は乗り越えられない何かがあったんじゃないですか?」


握りしめた拳を震わせながら

私は涙をこらえていました。


するとAさんは目を丸くし
ぽかんとした表情で私を見つめました。


「…
そんな事言われたの
初めてだ…」



思わず出てしまった言葉でしたが
Aさんは受け入れてくれました。



その後は
1日も休まず施設に通って下さいました。



リハビリも積極的に参加し
とても生き生きしていました。


お酒で壊れていた友人関係も
施設で知り合った方々と
新しく築き上げていました。



Aさんの明るく軽快な話ぶりに
周りの利用者さんも明るくなって行く様でした。



(Aさんの頑張りが実になってきているな…)


第二の居場所を自ら作り上げていく
Aさんの力強さを見る事が出来て
とても幸せになりました。




しかし…


その幸せは長くは続きませんでした。




ある日

ケアマネさんから連絡がありました。




「Aさんが亡くなりました。」




浴槽の中で亡くなっていたそうです。




お線香をあげに行きたいと
ケアマネさんにお願いしましたが

Aさんは身内がいない為
どのようにお見送りをするか分からない事

ケアマネさんも専門家に任せていて
最期の時を見送れない事を告げられ
会いに行くことは叶いませんでした。



Aさん


短い時間でしたが
心暖まる時を
ありがとうございました。


あまりにも突然のお別れで
すぐには受け入れられなかったけれど…



もしかしたら
Aさんの奥様が



Aさんの頑張りや
ステキな姿を
しっかり見る事が出来たから

この世の中で
幸せな想いを
手にする事が出来たから

「良く頑張ったね」


お迎えに来てくれたのかも知れませんね。



あれだけ大好きだった奥様と
一緒にいられるんですもの!!

きっと
幸せな想いをしていますよね。



私はAさんに教えてもらいました。


いくつになっても
どんなにつらい状況であっても
やり直す事ができる



諦めたくなる事が起きても
自分の行動で
変えていく事ができる



Aさん

宝物を残して下さって
ありがとうございました。



いつでもあなたは
私の心の中で
キラキラ輝いています



皆さんの忘れられない人との思い出は
どんな事ですか(❁´ω`❁)??


最後までご覧頂きありがとうございました。
世界中の人々に尊敬と愛を込めて…

林檎

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