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料理(3)プルコギ

 私は、小学校6年生(12歳頃)から24歳で東京に引っ越すまで、大阪市西成区の鶴見橋商店街の小さなコリアンタウンの近くで育ちました。我が家は両親と私の3人家族。全員、美味しいものなら何でも好きだったので、母は仲良しのご近所さんから韓国料理を教わって作ってくれました。

 日本では2003年に放送が開始されたTVドラマ「冬のソナタ」の流行をきっかけに巻き起こった韓流ブーム。そのもっとずっと前から、焼肉やキムチだけじゃなく、色々な韓国料理を食べていたのです。

 また、中学3年生の最初から高校3年生の終わりまで、週に2〜3日ペースで通っていた英語学校「世界語学センター」は、JR環状線の鶴橋駅から歩いて7〜8分のところにありました。駅のホームに降りた時から既に焼肉などのいい匂いがして来るほどたくさんの韓国料理屋がある、有名なコリアンタウンです。 
 学校帰りに、キムチやコーン茶やチャンヂャやギム(海苔)などを買って帰ったものでした。

 あまりに辛いものは苦手だけど、ピリッと美味しくて、ニンニクやごま油などがふんだんに使われているので体にも良いですし、あの頃から今も韓国料理は大好きです。

 私は外国へ行くと(そんなには行ってないけど)日本人とはあまり言われません。「韓国の人ですか?」とよく聞かれます。なぜかと聞いてみたら、大きな声ではっきりと喋るから、だそうです。アハハ。。。

 以前、韓国で10代の頃アイドル歌手だったという可愛い女性にレッスンをお願いされて何度か教えたことがありました。レッスン後にどういうわけかご飯をご馳走してくれました。

 一般的に、韓国の生徒さんはものすごく礼儀正しいです。音大で教えていた頃も、韓国の学生は私が教えているヴォーカルコースの子じゃなくても、とにかく礼儀正しい。
 授業中やレッスン中、私は健康のために、ちょこちょこ椅子から立ち上がることにしています。「だから気にしないでね」と最初に伝えていても、私が立つと学生も立とうとします。

 その、元アイドルさんも、レッスン料はちゃんと頂いているのに、レッスン後知り合いのお店に連れて行ってくれて、ご馳走してくれるので驚きました。その時、彼女はいつも、友達の韓国人の女の子たちを数名呼んで、なぜかみんなで一緒に食べるのでした。
 私が好きだからという理由でサムギョプサルを食べながら、
「先生、これ美味しいですよ」と、他にも色々な料理を注文してくれて食べさせてくれました。彼女に呼ばれて後からお店にやって来る友達たちは全員、私にまず韓国語で話しかけました。
 私は言葉がわからないので「イルボン!」(日本)と言いながら自分の胸を指さすと、全員驚いて、流暢な日本語で「韓国人と思いました」とおっしゃるのでした。
 そんなこんなで、私は自分に韓国名をつけました。私の本名の安則眞実:やすのりまみ:は韓国語だとアンチョク・ジンシルと発音するそうです。それは高校生の頃にペンパルだったドクウォン・ジョンという子に教えてもらってからずっと覚えていました。
 だから私は、則という字を省いて、安眞実:アン・ジンシルという名前をつけました。韓国にも安という苗字があります。多分、タレントのアン・ミカさんや、歌手のアン・サリーさんの苗字がそうなのだと思います。

 以前、韓国のソウルで開催された大きなジャズフェスに出演した折「アン・ジンシル・イムニダ」(アン・ジンシルと言います)と挨拶をしたところ、数百人のお客様が手拍子とともに「アン・ジンシル!アン・ジンシル!」とずっとコールしてくれて、ものすごく応援してくれました。

 韓国のお客様はとても熱く、暖かく、楽しいジャズフェスでした。
 できることなら、また出たいな。

 今回は、自分で作ってみて「え?こんなに簡単に作れるの?」と思ったプルコギの作り方をお伝えします。(1)で紹介したユッケジャンより、さらに失敗が少なく、めちゃ美味しく、ご飯が進む料理だと思います。

 材料や調味料は大体の目安なので、お好みで調節してね。

【材料】(大人2人分ぐらい作れます)
牛肉:少しだけ油が乗った細切れが美味しいかな:250gぐらい
玉ねぎ:半分
(4分の1はすりおろして肉に味をもみ込むため)
 4分の1は切って炒めるため)
人参:半分
万能ネギ(小ネギ):大体4〜6本お好みで
ニンニク:大きいもので1片、小さめなら2片ぐらい
しょうが:ニンニクと同じ大きさぐらい
(市販のすりおろしたものを使う場合はそれぞれ小さじ2ずつ
 ぐらいかな?でも、特に最後に使うしょうがは
 フライパンに入れる直前にその場ですりおろしたものをお薦め)
牛脂:1個(大抵、スーパーの肉コーナーで無料で頂けます)
 ない場合はサラダ油でもOK
醤油:大1.5
酒:大1.5
砂糖:大1
コチュヂャン or 味噌:小2
一味唐辛子:辛いのが好きな大人は入れてください:小1ぐらい?
ごま油:大1
すりごま:大1(なければ炒りごまを、すりこぎですってください)
うま味調味料:4~5振りぐらい(入れたくない人は入れなくていい)
はちみつ:小2
卵:1個

【作り方】
ボウルに
牛肉:食べやすい大きさに手でちぎって入れる
玉ねぎ4分の1、ニンニク:それぞれ、すりおろして入れる
(ニンニクは既にすりおろしたものが売られています
 もちろんそれでもいいのですが、生のものを
 すりおろすとさらに美味しいです)
今回は使いませんでしたが、りんごや梨なども
4分の1個ずつぐらい、すりおろして肉に揉み込むと
美味しいと思います

残りの玉ねぎ4分の1:薄切りにして入れる
人参:千切りにして入れる

万能ネギ:5~6cmに切っておく
(これはまだ入れない)

醤油、酒、砂糖、コチュヂャンか味噌、一味唐辛子、ごま油、
はちみつも入れて、揉み込む、とにかく揉み込む

めっちゃ揉み込んだら
フライパンに牛脂を溶かして、揉み込んだ牛肉と野菜を入れて
炒める(牛脂がなければ、サラダ油でいいよ)強火でいいかな

牛肉の色が変わってきて、にんじんと玉ねぎに火が通った感じ
になって来たら、少し火を弱くして、すりごまを入れて
ぐるぐる

その場でおろしたしょうがと万能ネギを入れる
ネギが少しクタっとしてきたら出来上がり

生卵の黄身を上に乗せると見た目も可愛い
(白身はもったいないので、スープなどに入れてね)

【ポイント】
全体的に手早く、を心がける
肉が硬くなりすぎないよう
玉ねぎが好きな人は少〜し分厚めに切る
甘さは砂糖とはちみつで調整する:甘すぎるのを避けたい人は
  砂糖を少し少なめにとかね。。。
味噌は出汁入りじゃなくて、純正な味噌をお薦め

たくさんの具材を使うイメージだし
大変と思うかもしれないけど、そんなことないよ

まず失敗しにくい料理なので
挑戦してみてくださ〜い。
とても美味しいです。
子供さんが結構好きな味、だと思いますよ!
(子供さん用には、一味唐辛子とかはあまり入れない方がいいですね)


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