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DouyinがアパレルECに注力 「趣味EC」で市場を勝ち取るか

ライブコマース事業の成長が著しい中国Douyin(抖音/ドウイン・中国版Tik Tok)によると、国慶節連休中に、国産アパレル商品の売上が前年同期比840%と激増。連休中に旅行するより、家にこもってライブ配信を視聴する人が少なくないようだ。

中国アパレル商品のEC化は、他の消費財カテゴリーより進んでおり、2020年アパレルEC化率は約40%で、社会消費財のEC化率である24.9%を超過している。

そんな中、Douyinは2019年からライブコマース事業を開始。現在はジュエリーから日用品まで様々な商品を販売している。その中で、現在アパレルが最も成長の勢いがあるカテゴリーとなった。

Douyinが公開したデータによると、アプリ利用者6億人の中、2億人がアパレルに興味を持っていることがわかる。

今年上半期におけるアパレル関連動画の再生数は、婦人服関連は前年比78%メンズファッションは前年比164%増加した。

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▲Douyin上のアパレル系動画の再生数推移(Douyinより)

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▲Douyin上の婦人服店舗のライブ配信(チャイトピ!撮影)

さらに過去1年間、Douyinに出店したアパレルブランド数は、前年比600%と激増。この勢いを受け、近日Douyinはアパレルブランドの支援計画を発表。今後は売上10億元を超えるブランドを10個、「抖品牌(Douyinから生まれるブランド)」を100個作ると宣言した。

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2020年DouyinのEC事業のGMV(流通額)は、5,000億元を超えており、2021年は1兆元を目標としている。DouyinのEC事業展開は、タオバオライブ(淘宝直播)やkuaishou(快手)と比べると、少し遅れをとっていたが、近年ECへの投資を拡大し、存在感を高めてきた。

特に去年10月以降、Douyinはタオバオや京東など、他社ECサイトへの購入リンクの投稿を禁止にし、Douyinでのブランド出店を促進。

2020年のライブコマース市場シェアでは、タオバオとkuaishouが1位、2位を占め、Douyinは3位であったが、競争の激しい中国EC市場では、この勢力図も今後さらに変化していくだろう。


チャイトピ!編集部より

消費者が明確な需要を持ってサイトで商品を検索するという伝統的なECモデルと差別化し、Douyinは「趣味EC」を目標としている。
バイトダンスが得意とするアルゴリズムを活用した動画コンテンツを通してユーザーの潜在的な趣味を掘り出し、商品を購入させる仕組みである。
筆者もよくDouyinで動画コンテンツを視聴している最中、思わず商品を購入してしまった経験がある。

中国EC市場の成長が鈍化している現在、この「趣味EC」 がより多くの需要を見つけ出せるか、アパレルを牽引するDouyinのEC事業展開に期待したい。

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