【第四弾】中国IPコラボ十選!!(テスラ、原神、ジョジョなど)
IPとは
IP(Intellectual Property)は直訳すると「知的財産」になる。中国では映画やマンガ、アニメ、ゲームだけでなく、ブランドや人物、イベントなども含まれるため、その範囲は非常に広い。
一定のファンと知名度を持つIPとコラボすることで、ブランドに新規顧客の獲得や認知度向上、売り上げ増加などの効果をもたらすことができる。
中国ではそうしたIPコラボが若者を中心に人気を博しており、ファッションやコスメ、飲食品など様々な業界でみられるようになった。
前回に引き続き、チャイトピ編集部は直近数ヶ月の面白いIPコラボ事例を10個選出し、ご紹介したいと思います。
前回の記事:
MINISO × クロミ
中国雑貨チェーン大手の「MINISO(名創優品)」とサンリオ傘下の人気キャラクター「クロミ」がコラボ。
コラボの店舗ではMINISOのロゴがクロミを意識した紫へと変わり、店内にはクロミのぬいぐるみや小銭入れなど様々なコラボグッズが並べられ、かわいらしい商品のラインナップに多くの女性消費者が心をひきつけられた。
近年、中国ではサンリオキャラクターの人気と知名度が高まっており、関連のコラボが絶えない。特に10月ではハロウィン(10月31日)が誕生日のクロミとのコラボ企画が続出していた。
MINISO
クロミ
LELECHA × オサムグッズ
中国で人気のティードリンクチェーン「LELECHA(楽楽茶)」と日本の人気キャラクター「オサムグッズ(OSAMU GOODS)」がコラボし、限定デザインのミルクティーが打ち出された。
ドリンクパッケージに紙袋、ステッカーなどがオサムグッズで埋め尽くされ、同キャラクターが印象に残るコラボとなった。
また、コラボキャンペーンとしてLELECHAのweibo公式アカウントでは抽選でオサムグッズのトートバッグが贈られていた。
LELECHA
オサムグッズ
Keep × スヌーピー
中国フィットネスアプリの「KEEP」が「スヌーピー」とコラボし、限定版メダルをゲットできるオンラインマラソンを打ち出した。
サーフィンする姿のスヌーピーがデザインされた限定メダルは、3キロや5キロといった距離を走り抜けば、コース完走記念として宅配される。
コラボイベントに参加するにはKeepの有料会員に加入することが必須なので、自社のリード獲得という狙いも含まれていると考えられる。
メダルのほかにはスヌーピーの限定バッジも打ち出され、記念として購入することができる。
Keepはこうした限定メダルをゲットできるコラボキャンペーンを度々打ち出しており、ほかにも「カードキャプターさくら」や「ちびまる子ちゃん」といった日本IPともコラボしている。
Keep
スヌーピー
ラッキンコーヒー × ジョジョの奇妙な冒険
中国コーヒーチェーン大手の「ラッキンコーヒー(Luckin Coffee)」は、現地でも人気なアニメの「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」とコラボ。
新メニューの「生酪拿鉄(チーズ・ラテ)」の販売に合わせたコラボであり、現地のSNSでは販売前から大きな注目を集めていた。
コラボの相乗効果により、販売スタートの翌日には131万杯の売り上げと大ヒットを記録した。
また、コラボに合わせて上海ではテーマ店舗も打ち出され、多くのファンが引き寄せられた。
ラッキンコーヒー
ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン
Holiland × ハリーポッター
中国ケーキチェーン大手の「Holiland(好利来)」より映画「ハリーポッター」のコラボケーキやパンなどが打ち出された。
物語の舞台であるホグワーツ学院や劇中に登場した新聞、おやつなどを忠実に再現しており、中には限定グッズがついているものもある。
Holilandとハリーポッターのコラボは今回が初めてではなく、以前にも中秋節(月見の日にあたる)に向けたギフトボックスを打ち出している。
Holiland
ハリーポッター
王者栄耀 × 中国航天
中国で大ヒットのスマホゲーム「王者栄耀(Honor of Kings)」が宇宙ロケットの開発などに携わる「中国航天(CASC)」とコラボし、宇宙ステーションをモチーフとしたゲームキャラクターのスキンを打ち出した。
宇宙ステーションのモジュール「夢天」を載せたロケットの打ち上げに合わせた企画である。昨年から始まった中国の宇宙ステーション建設により、現地では宇宙ブームが巻き起こり、こうしたコラボも増えている。
王者栄耀
中国航天
Manner Coffee × テスラ
中国人気コーヒーチェーンブランド「Manner Coffee」が米EVメーカー大手の「テスラ(Tesla)」と異例のコラボを果たし、秋の限定ラテを打ち出した。
また、キャンペーンとしてカード型の栓抜きや抱き枕、車用収納バッグなどのコラボグッズを抽選でプレゼントしていた。
近年、中国ではコーヒーブームに熱が帯び、同市場が急成長している。雨後の筍のようにコーヒー店が増え、EVメーカーを含む様々な企業がコーヒー市場に進出している。
Manner Coffee
テスラ
Vans × ビリビリ
米スニーカーブランドの「Vans(ヴァンズ)」が中国人気動画配信プラットフォーム「ビリビリ(bilibili)」とコラボし、限定版スニーカーを打ち出した。
ビリビリのマスコットキャラクターである「22」と「33」をモチーフとしたスニーカーであり、靴の表面には関連の要素が散りばめられている。
スケートボードシューズでも有名なVansはスニーカーの購入特典として、限定版シューズボックスとスケートボードデッキをプレゼントしていた。
Vansとビリビリはどちらも若者から支持されているため、ターゲット層が重なったコラボといえるでしょう。
Vans
ビリビリ
ピザハット × 原神
米ピザチェーン大手の「ピザハット」と中国大人気ゲーム「原神」がコラボを果たした。
3種類のコラボセットが打ち出され、特典として限定版マウスパッドやゲーム内で使えるギフトパックをゲットできる。
コラボが開催されるや否や大きな反響を呼び、現地で話題になった。合計32万枚の予約販売チケットは瞬く間に売り切れとなり、単純計算で4000万元(約8億円)近くの売り上げになる見込みだ。
あまりの人気にピザハットの店舗にはコラボセットを求める大勢のファンがなだれ込み、混乱の中でやむをえず営業中止となった店舗もあった。
さらに、中国版メルカリの「閑魚」では限定グッズの転売行為が横行し、特典が欲しいものの、住んでいる町にコラボ店舗がないファンの代わりにセットを購入するサービスも現れた。
ピザハット
原神
キャデラック × 原神
米高級車ブランドの「キャデラック」が中国の大ヒットゲーム「原神」と異色のコラボを果たし、ゲームキャラクターでラッピングされた2種類の「痛車」を打ち出した。
どちらも限定60台となっており、価格帯は460~540万円と高めだ。コラボキャンペーンとしてキャデラックはキーホルダーやトートバッグ、水筒、シャツなどのコラボグッズをプレゼントしていた。
ゲーム関連のデータを記録するサイト「ActivePlayer.io」によると、原神の9月におけるアクティブプレーヤー数は6300万人に達する。今回のコラボは原神の膨大なファンへのアプローチとなり、若者のキャデラックに対するイメージもより親しみやすいものになるだろう。
また、原神にとってもより広い消費者層へのアプローチとIPのマネタイズ化を進めるという効果がある。
現地メディアによると、最近、原神関連のコラボは目立っており、8~10月の約2カ月で20件ものコラボが打ち出された。ローソンやアリペイ、銀行などと様々な業界と積極的にコラボを打ち出している。その範囲も中国国内にとどまらず、イギリスの「テムズ川」やニューヨークの「タイムズスクエア」などに及ぶ。
さらに、原神は「鬼滅の刃」や「Fateシリーズ」を手がけたアニメ制作会社「ufotable」と共同で長編アニメを打ち出す計画を発表した。
こうした様々な取り組みの背景には、ユーザー規模の成長が頭打ちになったことで、事業の幅を拡大させる必要が出てきたからだと考えられる。
キャデラック
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