中国キャンプ市場の実態、人気専門店「Outland」にインタビュー
近年、中国各地で新型コロナウイルスが猛威を振るい、上海では今年4月あたりに始まった2カ月にも及ぶロックダウンが現地の人々の記憶に深く刻まれた。
旅行に行きたいと願う者がいても、いつどこで再びコロナ感染拡大が起きるかわからないため、省を跨いだ旅行を見送ってしまうのが現状だ。
そんな中、比較的に近場で楽しめるキャンプが脚光を浴び、現地で一大ブームを巻き起こしていた。
中国でキャンプが人気を呼んでいる現状を探るために、チャイトピはキャンプ用品を取り扱う上海の人気アウトドア専門店を訪れた。
急成長する中国キャンプ市場、SNSでは話題が尽きない
現地の最大級検索エンジン・バイドゥ(百度)のデータを見ると、今年5月から「キャンプ」の検索数が急増していた。
また、中国版インスタともいわれる「RED(小紅書)」ではキャンプ地に関する投稿があふれ返り、友達同士でキャンプをする若者の姿などが多く見られた。
中国市場調査会社・艾媒諮詢(iiMedia Research)によると2021年のキャンプ場市場規模は299億元(約6,084億円)と前年比78%も増加していた。関連の企業やブランドも急増しており、キャンプ市場に熱が帯びていた。
キャンプの注目度が高まっている中で、チャイトピは上海で広い敷地を誇る世紀公園を訪れ、芝生の上でキャンプしている人々に取材した。
①男性 30代 妻と2人 アウトドアチェアで休憩中
②男性 30代 友達同士の家族連れ2組(合計7人) タープの下で子供を見守りながら談笑
取材の日では空が曇り、時々ミミズ雨が降るなど不安定な天気だったが、それでもテントとイスを持って公園の芝生を訪れ、フリスビーやドローンに興じる人々の姿が見られた。
人々を魅了するキャンプ、その中国市場の現状を知るためにチャイトピは上海のアウトドア専門店に取材した。
日系ブランドを取り揃えたアウトドア用品専門店「Outland」
Outlandは2017年に中国で設立され、様々なブランドのアウトドア用品を取り扱う企業だ。取り扱っている商品には日本の「スノーピーク(Snow Peak)」や「スウェーデンのテンティピ(Tentipi)」など海外のブランドが多数を占めている。
初めはオンライン事業からスタートし、2021年には上海蔦屋書店第1号店のすぐそばにOutland上海第1号店をオープンした。自身のターゲット層が蔦屋書店と重なると考えた上での立地選びだ。
中国のキャンプ市場が急拡大する理由や顧客層などについて、チャイトピはOutland上海第1号店を訪れ、創業者の琉璃(liuli)さんにインタビューを行った。
琉璃さんの話のポイントは以下の4点となる:
インタビューの詳細はこちら:
チャイトピ: Outland設立のきっかけは何ですか?
琉璃:元々ロードトリップが好きで、日本やアイスランド、フィンランドなど色んな国を旅してきました。しかし、そういった時間をかけて遠い土地まで赴くアウトドアは多くの人にとって難しいことです。そのアウトドア体験を都会でも味わえるようなプラットフォームを作ろうとしたのが設立のきっかけです。
チャイトピ:なぜ近年中国でキャンプブームが巻き起こったと思いますか?
琉璃:経済と関係があると思います。私たちは様々なデータを見てきたが、コロナ禍の時や経済危機の時など、特に景気が低迷している時にアウトドアアクティビティの人気が高まっているようです。
また、自然を楽しみたいという需要からキャンプなどのアウトドアアクティビティが注目を集めていると思います。
チャイトピ:Outlandのターゲット層はどういった人たちですか?
琉璃:繊細な生活を好む人たちです。蔦屋書店や流行のファッションブランド、若々しいライフスタイルに目がないような人たちにマトをしぼっています。この上海店では、来店した客の60%ほどが女性の方です。
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