晴れ間
大好きなうさぴーへ
家の近くに小さな川があってたくさん橋がかかっているのですが、そのうちの1つは私有地らしく、片方は道路に、もう片方はお家に通じています。そして素晴らしいことに、橋の真ん中に丸いテーブルと椅子がひとつ置いてあります。今日帰り道に、そこに人がいるのを初めてみたんです。
雷が鳴り、早すぎる夕立がひとしきり降った後の明るい晴れ間に、その人はうつむき加減に本を読んでいました。黒髪のおさげが腰の辺りまである女の人で、歳はおばさんとお姉さんの間の感じ。あれは本当に名前を作った方がいいと常々思っているけれど、今回に限ってはなくてよかったです。嬉しかったのは、その人がなぜか椅子には座らずテーブルのふもとにしゃがんでいたことです。テーブルがあるのはすごくよかったけれど、そこにしゃがむのはもっといい。その後またすぐに空は曇ってしまいました。
あの家はきっと、雨の音の聴こえる造りなんだろうなと思います。鮮やかすぎて目が眩んだのか、彼女の風景はモノクロの記憶として刻まれました。
2024.07.24
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