マーブル模様にかき混ぜて

大好きなうさぴーへ

こんばんは。マンションの下から、「さんぽ」を歌うお母さんの声と何やら話している子どもの声が聞こえます。今男の子か女の子かと書こうとしてわからなくて、人間って生まれたばかりの時と年老いた後は性別の見分けがつきにくくなるよなあ、などと考えています。

この三連休はいつもより長く、午前いっぱい部活があって、頭は暇なので詩作か思索かしようかと思っていたのですが、今のところ暑くてそれどころではありません。いつかこねて形にするべく、今朝見たものを書き留めておきます。
家を出たところの階段に横たわる、彼の夏を終えた蝉。まだお腹の緑色が残っていて(「まだ」も「残って」も正しいかどうかはわかりませんが)、なんとなく私の夏はまだ始まったばかりだぞ!という気持ちになりましたし、階段を下りる足音を聞かせるならそれは軽くなければならない気がしました。それから、作業中にきれいな色を探したら、視界の中に青と白と緑がよりどりみどり、色濃く映り込んでいました。よりどりみどりって、緑じゃないんですね、勘違いしていました。そしてふりそそぐ日光の中、たまに吹きわたる風の気持ちよいこと。思わずため息がでるようでした。世界中のみんながそんなふうにしたら、気持ちいい風の連鎖が沸き起こってくれないかしら。

この間人に借りたものを返しに歩いている途中にふと頭に浮かんだのは、森の中のくまさんとうさぎさんでした。うさぎさんはくまさんを見上げて照れくさそうに笑っています。そしてくまさんはうさぎさんの頭に手をおいて、なでているようでした。うさぎさんがお花か何かをくまさんにわたそうと小径を(獣は獣道を小径というんじゃないでしょうか)歩いていたら、とちゅうで落としてしまったみたいです。小学校1年生の国語の教科書の最初の物語『はなのみち』に、随分と世界観がつられています。うさぎさんははじめ、持ってきたものを落としてしまったことにしゅんとしていましたが、くまさんに、きみが来てくれただけでうれしいよ、とやさしくいわれ、今はにこにこしています。ふたりのかげが、長くのびていました。この日は珍しくリュック以外の荷物がなくて手ぶらでいたのでこんなことを思いついたのかもしれないなどというのは、たぶん後付けの言い訳です。唐突に、春の木洩れ日の下の2匹の動物が浮かびました。

今日は書きたいことがたくさんあって困っています。昨日はお祭りに行きました。引っ越してきたこのまちで買った浴衣に身を包んで、このまちで出会った友達と。サイズの調節がきく和服とはいえ明らかにぶかぶかの浴衣で、私もまだ大きくならなきゃな、と思いました、嘘です今考えました。修飾をとっぱらって書きます、楽しかったです。とても。ここに書くと恋文みたいになってしまうのが懸念点ですが、一緒に行った1人ひとりに、その人にしか生み出せない笑いがあって、力が抜けてからじんわり笑って、ほとばしる幸せにつられて笑って、そして内側からぽっと温まって笑いました。ちょっぴり混じっている部分もありますね。混ざるともっと楽しくて、混ぜる作業を一緒にやるとさらに楽しいのかな。ちょっとずつ共通認識が増えてきていたのも嬉しかったです。全部書くと超大作になるうえに恥ずかしいので、残りは金平糖に閉じ込めておきます。感謝を込めて。この金平糖、マッチ箱の座を奪う勢いです。お土産の、空色にちょっとだけ白く濁った模様のスーパーボールをはねさせてみたら、私の部屋の天井が少し高くなりましたよ。この球体にもみすぼらしいおへそを発見してふふっと。スーパーボールすくいの腕はぜひとも磨きたいものです。

2022/07/17

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