【看護師という仕事】病棟勤務
病棟勤務時の方が、患者さんと付き合いが長くなるので、自然と気安い仲になりやすい(逆もしかり)。
夜勤の巡視からナースステーションに帰ってくると、ポケットがみかんやら飴やらチョコレートやらでパンパンになることもしばしばだった。
「お疲れ様、頑張ってね」とベッドに伏せる患者さんからの差し入れである。
慢性期にある患者さんは、入退院を繰り返しがちだ。寒くなってきたり、暑くなってきたりすると、調子を崩した常連さんがやってくる。
緊急入院のためストレッチャーで運ばれてきた患者さんに、「また来ちゃった」なんて言われると、たいそう切ない気持ちになったものだ。
そう言って二度とうちに帰ることができなくなった例をいくつか見てきたから。
3年勤めていた間に何人もの人を見送った。ご家族からお手紙をもらったり、外泊が叶った患者さんのおうちに招待されたり、病棟で結婚式を挙げることになったり、忙しい部署ではあったけれど、貴重で楽しい経験もたくさんさせてもらった。
未熟な看護師を、実地で成長させてくれたのは、正に患者さんだとしみじみ思う。
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