【自著紹介】「少女薬師と甘美な眠り〜流星に手折られた無垢な花〜」

【あらすじ】

「……リュウシン様にあげられるものなんて、なんもないけど……それでも」
田舎の薬屋の娘・メイファは、王都から来た役人で有力貴族のリュウシンと出会う。疲れきって不健康なリュウシンを気づかって疲労を回復する薬を作ってやるが、その副作用によって酩酊したリュウシンにメイファは半ば強引に襲われてしまう。胸に芽生えたリュウシンへの想いだけを支えに彼とともに王都へ上り、勉学に励むメイファ。ただ、リュウシンに愛されたいと願うひたむきさ、純真さにリュウシンも彼女を手放しがたく、毎夜のように体を重ねるふたりだったが、メイファはリュウシンに婚約者をいる事実を知ってしまう。「私は、『愛妾』として屋敷に連れてこられたの……？」自身が望む幸せを求めるのか、たとえ不幸でもリュウシンの傍らにいることを選ぶのか選択を迫られる、年の差すれ違いラブストーリー！やがて、国の存続をも揺るがす陰謀に巻き込まれていくふたりは――。

TL小説2作目は、中華モノです。

これを書かせていただいたときは知らなかったのですが、TL小説の中華モノってあまり人気がないそうです。確かに、総数でいうと圧倒的に欧風ヒストリカルには叶いませんから…。

なので、このプロットで書かせてくださったクライアント様と担当様には今となっては感謝感謝です。

人気がなくとも私は中華風の物語が大好きなので、意欲的に書きました。意欲的すぎて10万文字の依頼だったのに12万文字書いてしまって、泣く泣く2万文字削るハメになったという作品でもあります。

できる男ゆえに周囲に期待と信頼を寄せられ、それゆえ体調不良にも気づいてもらえなかったリュウシンが、田舎の薬師の家庭で育ったメイファと出会い、懸命に世話を焼かれ、次第に手放せないほど愛しくなってしまうという物語です。

クールガイなリュウシンが天真爛漫なメイファにメロメロになっていくわけですよ。リュウシンの周りの人間たちも最初はメイファのことを田舎者の野生児め！みたいな扱いをしていたのに、そのひたむきさと健気さに味方になっていくんです。

でも、そのせいで二人はある陰謀に巻き込まれていくし、リュウシンには婚約者がいるし…という、キュンとしてジレジレしてハラハラするお話となっております。

カバーイラストは一越A区先生です（最近は天路ゆうつづの名義で活動されているようです）。

私、TL小説の執筆依頼が来て勉強のためにいろいろ読んでいたときに、「自分の作品の表紙を描いていただきたいな」と憧れていたイラストレーター様が何人かいらっしゃったのですが、一越先生はそのひとりだったので感激でした。2作目で夢が叶っちゃったよ、と。

【中華モノ】【年の差】【ど根性ヒロイン】または【一越A区】先生にピンと来た方にオススメです。

作者としては、とにかく主人公であるメイファが可愛いです。そして、脇を固めるキャラたちにもかなり愛を注いでいるので、そのあたりも楽しんでいただければと思います。