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頚椎伸展による首の痛み|その1

首の痛みは以下の4パターンがあります。

  • 頚椎伸展パターン

  • 頚椎伸展/回旋パターン

  • 頚椎屈曲パターン

  • 頚椎屈曲/回旋パターン

今回は頚椎伸展パターンにおける首の痛みについて解説します。
(頚椎の伸展とは首を後ろに反る動きです。)

頚椎伸展パターンにおける首の痛み

頚椎伸展パターンとは、首を後ろに反った際に痛みが出る疼痛パターンです。

なので疼痛が出現する動作は『頚椎伸展』です。

痛みの出現場所は、

  • 首の後ろ側

  • 後頭部の下の領域

  • 頚椎神経根に皮膚分節に沿った根性症状

  • 肩甲骨の内側の領域

です。

頚椎伸展によって痛みが出る理由

首を後ろに反ることは、人の体では正常の動きであり、本来疼痛が出現するべき動きではないです。

では、なぜ頚椎伸展によって首の痛みが出るのか。

それは以下の二つに理由があります。

①上位頚椎の過剰な伸展
②頚椎伸展筋のアンバランス

これらが生じる原因を少し深掘りたいと思います。

上位頚椎の過剰な伸展

頚椎は全部で7個あり、そのうち上から1〜2番目の頚椎を上位頚椎、3〜7番目の頚椎を下位頚椎と言います。

このうち上位頚椎だけで首の前後屈の全可動域の1/3を担っています。

では上位頚椎の過剰な伸展とはどのような状態かというと

『上位頚椎が常に伸展している』

という状態です。

なぜ上位頚椎が常に伸展している状態になるのか。

それは、前方頭位という姿勢が原因です。

前方頭位の姿勢は、体を横から見た時に、頭が肩より前に出ていて、通常の姿勢より頭が前下方に落ち込んだ状態です。

もっと具体的に言うと、下部頚椎(上から3〜7番目の頚椎)が屈曲(前に頷く動き)し、上位頚椎が伸展している状態です。

下部頚椎は屈曲すると下へ頷くような姿勢になり、目線が足元にいきます。

目線が足元にいくと、日常生活が不便になるため、上位頚椎を伸展させて目線を前に向けて、前方頭位の姿勢が完成します。

ではこの前方頭位はなぜ生じるのか。

これもよく見かける『猫背』が原因となります。

頚椎の下には胸椎があり、猫背は胸椎が過剰に屈曲(前に屈む)した姿勢です。

胸椎が過剰に屈曲した姿勢は、上から1番目の胸椎が前に倒れた状態になります。

その上に積み木のように積み重ねっている頚椎は、前に倒れた胸椎の流れに沿って前に倒れながら積み上がっていきます。

そして後屈が得意な上位頚椎がこの猫背によって生じた前倒れ姿勢(前方頭位)を代償するように伸展して、頚椎伸展パターンの首の痛みへと繋がっていきます。

頚椎伸展筋のアンバランスは次回に解説します。


【まとめ】

  1. 上位頚椎の過剰な伸展は、前方頭位が原因で生じる

  2. 前方頭位は猫背が原因で生じる



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