遊座守

日々を支えてくれる楽曲や書籍に感謝しています。noteではコンテスト「#いまから推しの…

遊座守

日々を支えてくれる楽曲や書籍に感謝しています。noteではコンテスト「#いまから推しのアーティスト語らせて」で準グランプリを受賞。https://note.com/info/n/nfded55952c8a

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スピッツが身を挺して守り抜く自陣~あらゆる生き物へ届けられる光~

スピッツは不思議なバンドだ。 出世作に「ロビンソン」という、いい加減な題が付いている点からして、風変りだと思う。 草野氏は、旅行時に知った「ロビンソン百貨店」という響きが心に残ったがゆえに、その題を付けたそうだけど、これほどの名曲の題に深いメッセージが隠されていないはずがないと、邪推した僕は随分と粘ってみた。 結果、40年も前に刊行された(とんでもなく古い)昭文社外来語辞典に「ロビンソン:シュートを防ぐためにゴールキーパーが身を投げ出すこと」という記述を見つけることができ

    • スクーデリアエレクトロが揺らした箱 ~歌舞伎町にリキッドルームがあった時代~

      歌舞伎町という街に対して、あまり良い印象をいだいてはいなかった。そこで暮らす人や、そこで働く人たちを蔑視していたわけではない。喧騒が苦手なのだ。できるだけ家のなかにいて、コツコツと文章を書いたり、小さな音で楽器を弾いたりしていたい。そのくせ気が向くと、ヘッドホンを使いロックンロールを聴いたりするわけだから、相当に身勝手な人間だ。昔も今も。 滅多なことでライブにはでかけない。時間と場所を共有することでしか得られない感動があるのは分かっている。ただ、どうしようもなく人混みが嫌

      • 椎名林檎という歌姫を育んだ亀田誠治 ~若書きを若書きのまま世に放った勇気~

        多くのミュージシャンは、新しい曲を書くたびに成長ぶりを世に見せつけ、やがて才能を開花させる。つまりブレイクを果たす。それでもデビュー作に込められた想いというのは、格別なものであるはずで、その輝きはある意味、後発のヒット曲を上回る。若書きは粗削りなものであり、無防備なものである。それを世界に向けて、どのように発信させるか腐心するのが編曲者なのだろうけど、亀田誠治氏は慎重さと勇気を兼ね備えている意味で、音楽界に不可欠な人物である。 本記事のテーマは、亀田氏のアレンジャーとして

        • aikoが傍にいる ~遠い日の学園祭ライブの思い出~

          《一度たりとも忘れた事はない》 その夜、aikoは、そう歌った。その哀切な響きは、ずっと僕の心に残っている。僕もまた「忘れたことはない」のだ。 *** もう20年ほども昔のことになるけれど、通っていた青山学院の学園祭に、aikoが来てくれた。それは僕にとって、恐らく生涯、忘れることができないであろう思い出である。あの夜の記憶を辿ると、aikoの胸を打つ歌声や、旺盛なサービス精神、バックバンドの迫力ある演奏が蘇り、自分は青学に入って良かったと思う。しかし同時に、そのとき隣

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