書店員のつぶやき(季刊 Vol.4より)
「読書の秋」、今回は子供も大人も楽しめる、お薦めの3点です。親子で感想言い合えるといいなぁ、と思います。
•「ミライの授業」― この本は「ミライをつくる14歳に向けて」2015年、瀧本さんが全国の中学校を飛び回り特別講義したものをまとめています。偉人と言われる人の足跡を紹介し、その中でも、是非、参考にしたい事、真似してはいけない事、などを具体的かつ戦略的にひもといて解説してくれています。
エジソンは蓄音機の発明は偉大でしたが、レコードにして音楽を再生して事業にしよう、という誘い断り、ビジネスチャンスを逃します。軍医でもあった森鴎外はがんこで自説を曲げず、かっけの原因は感染症と決めつけ多くの軍人を死なせてしまう。ナイチンゲールが統計学で暴いた事実!
「あら、びっくり!」のエピソード満載で、しかも説得力ありです。なぜ、学ぶのか?何を信じ、何を疑うのか?読めば、生き方の手がかりがつかめるのでは・・と思います。
残念ながら、2019年、47歳で夭折された瀧本さん。「2020年6月30日 またここで会おう」も併せて読んでみて下さい。ちょっと泣けちゃいます。
•「くらべる東西」― 関東と関西・・ところてんの味やおだしの出し方など異なるところは多々あるけれど、例えば東のいなりは俵型で西のいなりは三角形。ページの左右に東西のいなりが登場。くらべてみると、違いがよくわかる。
桜餅も東西で違う。東の桜餅は小麦粉の生地をのばしてクレープ状にしたもので餡を包む。一方、関西は道明寺粉を蒸して饅頭生地をつくり、餡を包む。えっ、座布団の綴じ糸の止め方が違う⁉関東は十字で関西はY字?線香花火の形も違う!一番びっくりしたのはしっぽの曲がってるカギ尻尾猫は関東に多く真っ直ぐ尻尾猫は関西に多い⁉ほんとに??くらべてみたら発見や気づきがこんなにあるなんて!なんといっても写真がインパクト大なので、次は何かな?とページをめくりたくなります。
「くらべる日本」「くらべる京都」も是非‼
•「大ピンチずかん」― 大ピンチのレベルの大きさを5段階に分けて紹介して、その対策を教えてくれる「大ピンチずかん」例えば、「テープのはしがみつからない一大ピンチレベル6」「誕生日パーティで、プレゼントを忘れた一大ピンチレベル95」など、あるあるな大ピンチに頷いてしまう。
このずかんがあれば、きっと大丈夫!ピンチものりきれるはず!2022年2月発売ですが、何度も品切れになってる話題の絵本です。
(文・川口 紀子)
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