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【エッセイ】怠惰な昼

昼。

起きたら昼だった。
時計は12時の少し前。かろうじて午前中か。いや、でも朝と言うには無理がある。

すっきりと目覚めることはほとんどない。起きたら柔らかくて白い膜が、脳みそと頭蓋骨の間をコーティングする。
その中でぼんやりと考えるのだ。やりたくて考えるわけじゃない。勝手にとめどなく、言葉が頭を流れていく。

なんとも悲観的な言葉たちだ。脳内に生まれる言葉は、声になることもなく、ましてや何か文面に起こされることもなく、湧いては消える。ドブ底みたいな後味を残して。

不味い食い物は吐きたくなる。
カーテンを通り抜けた日光にぼんやり照らされた天井を眺め──しかし意識は我が脳内を見て、静かに涙を流す。

一時間半くらいそうして、ベッドで寝転がって、さすがに便所に行きたくなるから、仕方なく起き上がる。まあ、そんなに寝ていれば、体も凝って痛くなるし。
逆にそこまで限界にならないと、起きないのだ。不可抗力によって、起きる。

ふわふわした意識のまま、適当に飯を用意して、そこまで味わわずに食う。
私の体にはなるけれども、そんなありがたみもなく食われる食べ物が可哀想だ。どうせならもっと美味いと思われたいよな。こんなんじゃ、ロボットに食われるのと大して変わらない。

起きたときから流れる不安な言葉は、ずっと脳内に流れ続けて、解消できないかと、しきりに検索ボックスに打ち込む。
だけど調べれば調べるほど、頭の中に不安な言葉が募るだけだ。内側で感じていたものが、外側からも来るのだから、当たり前だ。
何の解消にもならない。それでも検索することをやめられない。

やらねばならないことがあるから、仕方なくやる。大学の課題だ。しばしば友人への返信やTwitterをしながら。全然集中はできてないが、ゆっくり進める。
言葉を打ち込む。
そうしたら、なんだか、少しだけ頭がすっきりした……ような気がした。

その流れで、今、こうしてnoteを書いている。
たぶん、私にとっては、文章を書くことが、生きることなんだと思う。

明日頑張れる気もしないけど。
今日よりはいい日になりますように。

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