映画館でモルカーを応援した話

ある日の週末、モルカーを応援するため
映画館へと足を運んだ。

モルカーとは、PUI  PUIモルカーというモルモットが車になった世界を描いた
アニメに出てくるキャラクターたちの総称だ。
羊毛フェルトで作られたモルカーたちを撮影し作られた実写のアニメであり、
NHK教育のプチプチアニメを見ていた世代からすると懐かしさもありすっかり
心を奪われた。(プチプチアニメは粘土を使ったクレイアニメなど実写の作品が多かった)

そんなPUI PUIモルカー、今年の10月から2期がスタートする。
そのタイミングに合わせ、PUI  PUIモルカーの1期(全12話)の内容が
映画館で上映されることになった。3分弱の1話完結のアニメが12話連続に加えて2期の話が1話だけ事前に上映される。

東宝のHPより。 https://theater-ods.toho.co.jp/molcar_movie/


そして週末、夫を誘い近くの映画館へと赴いた。
この映画、モルカーボールという音の鳴るボールで劇中のモルカーたちを応援する参加型?のスタイルらしい。応援上映というスタイルの映画は初めてだったのでとてもワクワクした。

スクリーンに向かう前に劇場スタッフから1人1つモルカーボールを渡される。

3つの中からランダムで1つもらえる。ちなみに夫も私も、2週目のジェリーちゃんだった。可愛い。


コロナ禍の昨今、新しい形で周りの観客と一緒に大きなスクリーンに映し出される可愛く健気なモルカーたちを応援できる。なんと嬉しいことか。

しかし、モルカーは子ども向けの番組内で放送されていたアニメということもあり、観客は子連れが多いだろうし大人2人で見るのも少し恥ずかしいな・・・と心配しつつも久々の映画館に胸を躍らせ指定されたスクリーンへと入った。






誰もいない。

子どもどころか、私と夫以外 人っこ1人いなかった。
このまま貸切モルカーになってしまうのか。
夫はモルカーボールを鳴らすのが恥ずかしいから黙って見ると言っているし
1人でモルカーボールをかき鳴らすのもなんだか寂しい。

貸切モルカー疑惑に少々がっかりしていたが、
しばらくすると、ポツポツと人が入り始めた。
良かった。モルカーを応援したい同士は他にもいたようだ。

ちなみに、私たちの行った上映の回は朝1番 9時25分のスタートだった。
朝9時と夕方5時の1日2回の上映だったので、せっかくなら朝1番にモルカーを
応援しようと早起きをして映画館へと赴いた。みんな土曜日の朝から熱心だ。

子連れが多い中、大人2人で浮いてしまう心配もよそに
周りは大人の観客ばかりだった。1人だけ子どももいたが明らかに親御さんに
ついて来ている様子だった。
なぜだろう、子どもたちはみんな他のスクリーンで上映されているプリキュアやワンピースを見に行ったのだろうか。
PUI PUIモルカーは、一応子ども向けに作られているであろうアニメだが、
有名洋画のパロディなども多く大人がクスリと笑える要素も多い。

夫と「楽しみだね」等、話している間に上映が始まった。



プイ!プイ!プイ!プイ!プイ!


劇場内にモルカーボールの音が鳴り響く。
私も慌ててモルカーボールを鳴らす。
事前に状況を想像していたものの、目の当たりにするとなかなかシュールな光景だった。

モルカーたちは、大きなスクリーンの中を駆け巡る。
協力し、たくさんの困難に立ち向かう。
なんて健気なんだ。心から「がんばれ!」と、モルカーボールを鳴らした。

悲しいシーンでは、慰める思いでゆっくりモルカーボールを鳴らした。
もはや自分がモルカーになったような気分になっていた。周りの人たちもきっとそう。
一体感が私たち大人を現実からさらっていくような不思議な感覚だった。
恐るべし大スクリーンの臨場感。

モルカーを1時間弱応援し、上映は無事終了した。
大きなスクリーンで、可愛いモルカーを応援することができ
とても満たされた気持ちで劇場を出た。

ちなみに、夫とは付き合ってから今まで
一度も一緒に映画を見に行ったことがなく
今回のモルカー応援上演が初・映画デートだった。
ありがとう夫、ありがとうモルカー。

10月から、PUI  PUIモルカーの2期が始まる。
今回の上映を見て、新しいシリーズの始まりがさらに楽しみになった。
新たなモルカーの世界のテーマはドライビングスクールだ。

自分が教習所に通っていた時、クランクやS字カーブで脱輪しまくったことや
卒業検定で落ちて泣きながら帰路に着いた思い出を重ねつつモルカーたちの
新しい挑戦を応援したい。

おわり



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