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電子れいず七盤リーグ1回戦

(ロゴはイメージです)

電子れいず七盤リーグ1回戦のターニングポイントを中心に振り返ってみよう、という勝手な企画。とは言え、いつものように筆者の観点で語るので、ターニングポイントは他にあったかもしれない。

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以下から敬称略でお届けします。

どうぶつしょうぎ

先手:防弾チョッキ 後手:モックン

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 12手目の後手C1ゾウ打が敗着となってしまった。次に本譜進行のC2ヒヨコ打がたまらなく厳しい。12手目では代わりにC2ゾウ打が最善進行になる。

囲碁

黒:モックン 白:防弾チョッキ

 囲碁は一局を通じて黒よしであったが、途中に2回ほど危険なところがあり、評価値が白に振れた部分がある。

 まずは黒が打ちやすくなったシーンから。
白14手目:D7
目安:黒7.4目勝ち

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 この白は繋がるようで繋がらず、本譜のように黒D6と割って入られると上辺に黒陣地が多くなる。代わりの手としては白G3があり、右上の白3石を諦めて右辺からの黒の流入を抑える方針である。白としてはまだ厳しいが、それでもまだ戦いやすい展開になったであろう。

 では白に振れたシーンその1
17手目:黒E7
目安:白1.7目勝ち

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 この手は受けのようで、実は消極的な打ち方になってしまう。こうすると右上の黒陣地が狭くなり、白が左下陣地にノビノビ手を入れやすくなる。

その2
27手目:黒D4
目安:白10.6目勝ち

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 本局一番の山場であったシーン。中央の白4目に当てているが、実は白D3と当てられてしまい、黒C4と伸びても白から攻められて、どうしてもこの左上の黒4目は生き残れない進行に入ってしまう。

 正着は黒C3であり、こうすることで中央の白石にも圧力をかけることができる。

将棋

先手:モックン 後手:防弾チョッキ

 素直に数字だけ見ると先手モックンの方が優勢だけど、その中でも後手の防弾チョッキがうまく指し回しての熱戦となった。

解析しても双方に悪手らしい悪手は少なかったが、少しずつ先手に振れ始めたのは、38手目の△5五歩と開戦したところである。

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 後手から仕掛ける意味ではこの手になるのだが、やはり先手がうまくさばいてリードを少しずつ稼いでいく。

 双方パニックタイムに入る中、大きく差が出てきたのは64手目の△5五角打あたりからである。

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 本譜は▲4六桂打として受けたが、ここは強く▲4六金打の方が先手で角を攻撃すると同時に、もし角が逃げるならばその後に少しずつ後手陣へ圧力をかけていけるので良いとのこと。これら最善手と次善手の間で評価値に600近い差があるのは、やや意外にも思えるところである。

オセロ

黒:モックン 白:防弾チョッキ

 序盤が白、中盤は一進一退の五分に近い盤面が続く。終盤に展開が大きく動くところが2か所ある。順にみていこう。

48手目:白番

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 白は着手可能な地点が6か所(B1, A2, B2, G2, G7, G8)ある。これらの中でどこがよい着手点なのだろうか?

 答えはG2である。このX打ちはブラックライン(初期配置の黒の斜めラインであるH1からA8の対角線を指す。逆はホワイトラインという)に黒が入り込めない点を利用し、黒にどこか打たせて白が角を取ることを強要させる。
 とはいえ、その後の変化でも逆転にハマるマスが多いので正しく最後まで打ち続けることは難しかったと思われる。

 本譜はB2とこちらのXを(うっかり)打ったことにより黒に角を取られてしまい事件の狼煙が上がった。

57手目:黒番

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 4マス空きの最終盤。黒の打つことが可能なマスは3か所(G2, A7, B7)である。そして黒が勝つ正解は1か所しかないのである!どこだろうか?

 正解はB7のXである。本譜は右上のG2に入ったのだが、よく見るとこの地点は白から入ることのできないマスであり、この段階で急ぐことはなかったのである。ということでG2は黒の最後の切り札として温存する手が正解であった。本譜のこの一手で勝負が決してしまったのが悔やまれるところである。

 とは言え、オンライン対戦では自分が入れるマスを表示する機能は(持ち時間の関係などのために)存在するが、自分だけが入れるマスを示してくれることはない。どちらか一方しか入れないマスを意識して打っていくと、オセロの力が一段と磨かれるであろう。

チェス

白:モックン 黒:防弾チョッキ

 持ち時間が非常に短く(5分3秒フィッシャーは早指しのBlitzに分類される)、それなりに慣れているプレイヤーでないと厳しい時間設定である。

 序盤の白、中終盤の黒の展開であったが、ターニングポイントを2か所取り上げよう。

 なおチェスは白と黒の1組を1手とカウントする点に注意して以下を読んでほしい。

白12手目

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 黒のビショップ落ちでかなり有利な場面。ここで黒は11...Nxg4と白ポーンを取ったところ。これは次に12...Nxf2とf2地点へ飛び込むことで、二つのルークに対するナイトフォーク(両取り)を狙う手がある。本譜は12.Ne4とナイトを跳ねてf2地点とビショップへの紐をつけたが、この手には黒12...f5とポーンで今跳ねたナイトを攻撃されると忙しい展開になった。

 ではこういうときどうすればよいのだろうか?まずは浮いていて不安定な白ビショップを交換に持ち込む手がある。つまり12.Bxe7と黒ビショップを取りながら突っ込むのである。クイーン当たりなので、12...Qxe7と取り返すのだが、ここでいったん白は13.Qc2とクイーン活用を図る手がある。

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 ここで勢い余って13...Nxf2と飛び込んでしまうと、14.Qxh2#とクイーンが突っ込んできてチェックメイトになってしまう。ここで黒に受けさせてからナイトフォークを避けるような手を指せば、白の安心感は違ったであろう。

 その後、白はうっかりクイーンを取られ完全に主導権を渡してしまうが、その中で負けを逃れる筋を生じた唯一の瞬間が次である。

白21手目

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 チェスは比較的引き分けの多い種目であるが、それはつまり勝っているなら勝ち切る、あるいは負けないことが重要なのである。引き分けに持ち込むことも重要で必要となるテクニックである。

 さてこのシーンである。黒の弱点はh7地点であり、白は駒が二つ利いている。そこでここは思い切って21.Bxh7+とチェックで飛び込む。このビショップは取れないので21...Kh8と寄るのだが、そこで22.Bg6+とディスカバードチェック(将棋の開き王手)をかける。

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 ここでチェスと将棋のルールの違いが命運を分ける。チェスは持ち駒がない(合駒ができない)こと、チェックの千日手は引き分け扱いであること(将棋では反則負け)が物を言う。そう、黒キングは22...Kg8と戻るしかないのだが、そこでビショップが再び23.Bh7+と入ることで、これを繰り返してなんと千日手になる。

 このような筋は見えると生き返った感があるけれど、見つけるまでは中々に苦労するところである。

連珠

黒:モックン 白:防弾チョッキ

 終始、黒が押しているような展開で進んだ。

 決めにかかるならここであるというのが、次の13手目の黒である。

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 連珠の実力がある方が見ると、何とも黒よしであり、そして実は決め手がここにあった。それが黒F10で三を引く手になる。

 この三をどちらから止めても、黒の勝ちは揺るがない。白E11から止めた場合、黒はF6→F7→I7までの四追いになる。

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もしI7から止めた場合も、黒F6→F10→F9→G8→E8までの四追いになる。

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 本譜は13手目にE8と打ったことにより、G8地点の黒四四禁が一瞬怖くなったものの、他の狙いを生む堅実な打ち回しで黒の勝ちとなった。

バックギャモン

先手:モックン 後手:防弾チョッキ

 ギャモンも初心者とは思えないくらいの展開で進んだが、早々にお互いすれ違ったためにダイス目の勝負となった。その点ではゾロ目の多かった後手側に強い目が多かった印象である。

 盤面は2か所取り上げよう。

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 モックンの出目5と3であるが、ここでヒットできなかったのがある意味では運の尽きだったのかもしれない。ギャモンの可能な出目36通りのうち、18ポイントと9ポイントに目標を絞ると23通り存在する。また5ゾロで1ポイントのカバーまで含めれば24通りの攻撃手段があるはずなのだが、、、それでも当てられないのがこれまたギャモンである。

 次は出目勝負になった瞬間を見てみる。

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 このモックンの出目において勝率はどのくらいあるのか?白の勝率は約46.8%であることからほぼ五分と言ってよい。実際、双方のインナーには石が5個ずつしかなく、この瞬間に13ポイントで2つ残っている石が重く感じるのが気持ち黒の勝率を高めていると考えられる。

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