教育委員会請願文例② 部活動指導業務の適法な命令を求める請願

 PEACHでは、参加団体の地元の都道府県教育委員会に対して、部活動に関する請願を提出する運動に取り組んでいます。ここで紹介するのはその文例です。
 部活動をめぐる実情や、請願の書式・提出方法は地域によって異なりますので、実際に提出される場合は確認をお願いします。
 なお、本請願の趣旨は「部活動指導業務を命令してほしい」ということではありません。部活動指導業務を「適法に」命令することは不可能である、すなわち必ず違法な命令になってしまいますので、実際には命令できませんね、と確認するための請願です。

<部活動指導業務の適法な命令を求める請願>

請願の趣旨

 主に中学校・高校において、部活動指導が教員の長時間労働の大きな要因になっていることは、社会的にも広く認知されてきました。ただ、給特法では原則として教員の時間外勤務は命じられないことになっており、労働基準法でも労働時間の上限が定められていることから、部活動指導に関する業務が法令に従って適正に命じられていれば、部活動指導が長時間労働の大きな要因となることは、本来はありえないはずです。

 もちろん、学校現場の実態として、命じられていないにもかかわらず教員が自主的・自発的に部活動指導に従事し、その結果として長時間労働が生じている面があることは指摘しておかなければなりません。ただ、この問題は教員自身の問題として解決すべきものであり、本請願の趣旨に含まれるものではありません。

 本請願の趣旨はあくまで、部活動指導業務を管理職が職務として命令する場合、その命令は適法に行われるべきだと主張するものです。

 部活動指導業務を適法に命じるためには、少なくとも次の条件を満たすことが必須であると考えます。

①原則として部活動指導業務が勤務時間外に及ばないこと。
②部活動指導業務がやむを得ず勤務時間外に及ぶ場合、勤務時間の割り振り変更を適正に実施し、時間外勤務が生じないようにすること。
③部活動指導業務以外の業務に必要な労働時間も含め、1日の労働時間が7時間45分、1週間の労働時間が38時間45分を超えないこと。
④45分間の休憩時間を勤務時間の途中に付与すること。(時間を設定するだけではなく、実質的に休憩が取れる条件が整っていることを要す。)

 これらの項目はいずれも、給特法及び労働基準法の規定に基づくものであり、地域や学校の実情にかかわらず、部活動指導業務にかかる職務命令が適法であるための必須条件です。これらの項目が、県内全ての公立学校において徹底されるよう、県教委として本請願を採択していただきますようお願いいたします。

請願項目
◯◯県内の公立学校において教員に部活動指導業務を職務として命令する場合、給特法・労働基準法等の法令に従って、適正に命令を行うこと。

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