改定版部活動ガイドライン案に対するPEACHの見解

 スポーツ庁と文化庁は11月17日、部活動の地域移行に関する検討会議提言等を踏まえた「学校部活動及び地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」(案)を公示し、12月16日までの期間中パブリック・コメント(意見募集)を実施している。部活動ガイドラインの改定に伴うパブリック・コメントの実施については、PEACH としても7月26日の申し入れの際、文部科学省に要請していたところである。

 当該ガイドライン案の中身に関しては、教員の部活動への関与について本人の意思や希望を尊重しなければならないことを示す文言が盛り込まれた点をとりわけ評価したい。例えば、前文における「必ずしも専門性や意思に関わらず教師が顧問を務めるこれまでの指導体制を継続 することは、学校の働き方改革が進む中、より一層厳しくなる」(2頁)といった記述や、「部活動指導員や外部指導者が配置できず、指導を望む教師もいない場合には、......当面、複数校の生徒が拠点校の学校部活動に参加する等、合同部活動等の取組を推進する」(11頁)といった記述は、現行のガイドラインにはなく、今回の改定案で新たに付け加えられたものである。これらの変更は、PEACHが9月下旬に文部科学省に提出した「顧問決定時のパワハラ禁止を部活動ガイドラインに盛り込むこと」を求める意見書及び191人分の署名を参酌したものとみることもできる。

 一方で、部活動顧問の決定に関する段落(7頁のイ)は現行のガイドラインと同様の記述であり、上記の変更が反映されていない。このままでは、「校務全体の効率的・効果的な実施」を優先するあまり部活動顧問への就任を希望しない教員にパワハラを行ったりそれを許容したりするような教員文化が助長されかねない。当該段落においても、教員本人の意思や希望を尊重しなければならない旨を明記すると同時に、顧問決定時のパワハラ禁止を明文として盛り込むことを求めたい(修正案を下図に示した)。

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