2022年3月東京行動 請願書②(最高裁提出)

 PEACHでは、「2022年3月東京行動」として、国会・最高裁・政府(文科省)に対し、部活動に関する請願書を提出します。
 次に掲載するのは最高裁提出用の請願です。部活動関連業務の労働時間該当性を判断するにあたり、学校現場の実態を踏まえることと、包括的職務命令の考え方を幅広く適用することを求めるものです。

     部活動関連業務の労働時間該当性に関する請願書

1 請願の趣旨
 労働時間該当性の判断において、判例は基本的に、労働者の行為が使用者の指揮命令下におかれたものと評価することができるか否かという点を重視しているものと私たちは理解しています。
 一方、平成27年2月26日に第一小法廷で被告側の上告・上告受理申立が棄却されたことで確定した名古屋高等裁判所判決(平成23年(行コ)第54号公務外認定処分取消請求控訴事件)、いわゆる鳥居判決では、包括的職務命令という概念により、現場教員の感覚に近い形で労働時間該当性が広く認められました。
 しかし行政当局は、国会での文部科学省初等中等教育局長の発言(平成27年3月31日参議院文教科学委員会)に見られるように、鳥居判決はあくまで公務災害認定上の公務の判断基準を示したにすぎず、一般的な公務の判断基準を設定する性格にはないとの立場をとっています。
 教員多忙化の主要な要因である部活動指導は、教員の勤務時間外に行われることが多いことから、明示的な職務命令によらず、「委嘱」「お願い」といった曖昧な形で行われることが多いのが実態です。これまでの判例及び行政当局の考え方によれば、部活動関連業務(部活動指導に加え、審判資格取得のための勉強や、体育連盟・吹奏楽連盟の仕事など、部活動指導に付随して発生する業務)については、労働時間該当性が極めて限定的にしか認められないおそれがあります。
 今後、部活動関連業務の労働時間該当性をめぐる訴訟が起こされた場合、指揮命令の有無だけでなく、業務性・職務性の程度や、事実上の強制が行われていないかなど、学校現場の実情を踏まえた判断をお願いします。また、包括的職務命令の考え方を幅広く適用していただきたいと思います。

2 請願項目
(1)部活動関連業務の労働時間該当性をめぐる訴訟において、業務性・職務性の程度や、事実上の強制の有無など、学校現場の実情を踏まえた判断をお願いします。
(2)部活動関連業務の労働時間該当性をめぐる訴訟において、包括的職務命令の考え方を幅広く適用してください。

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