手紙

はじめてのファンミーティングで受け取ったたくさんの手紙を読みながら、ASRUNの頃を思い出した。まだ貰ったファンレターは取ってある。ステージに上がれなくなった時、立ち直るきっかけになれないかと思って読み返したこともあった。頑張らなきゃ、この子達に希望を届けなきゃと思ったけれど、あの頃の私には逆に重い枷になってしまった。プロセカ 桐谷遥 コスプレ衣装


「あ」
封筒の裏に書かれた名前に見覚えがあった。ASRUNの時にもよくファンレターをくれた子だ。
「……そっか、まだ応援してくれてたんだ……」
ほっとしたような暖かい気持ちになる。今なら引退を決めた時にクローゼットの奥に仕舞い込んだファンレターを、また読み返しても大丈夫に思えた。
あの頃、みのりや愛莉に会えていたら変わっていたかな。今みたいに雫に甘えることが出来ていたらどうなっていただろう。まだ私はASRUNの桐谷遥だったかもしれないし、ソロでやっていこうとしていたかもしれないし、やっぱり変わっていなかったかもしれない。きっとあの時、あのタイミングで集まれたからこそ、今の私達がいる。プロセカ 小豆沢こはね コスプレ衣装
私達宛ではあったけれど、雫のファンの子が書いたと思われるファンレターも多かった。雫の素敵なところ、いいところ、好きなところ。熱のこもった文章に、ふふっと笑みが漏れる。
「……私も知ってるよ」
ファンの子達が知っていることも、まだ知らないことも、誰にも教えたくないって思っていることも、雫のいいところを私はたくさん知っている。
雫に会いたくなった。まだ寝るには早い時間だ。まだしばらく起きてるつもりなら、セカイで一緒にファンレター読まない? って誘ってみよう。
スマホを手にして雫に電話をかけてみたら、コール音も鳴らずに「おかけになった電話は電波の届かない場所にいるか電源が入っていないため……」とアナウンスが流れた。雫のことだから多分充電切れだ。メッセージを残しても気がつくのはきっと明日だろう。仕方ないな、と小さく呟いて、次のファンレターの封を開けた。プロセカ 天馬司 コスプレ衣装

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