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ねえ、梨子ちゃん。怒ってる?

「り、梨子ちゃん……」WATERBLUENEWWORLD 高海千歌 覚醒後 コスプレ衣装「千歌ちゃん、これどういう事?」「えっと、その……あはは」「誤魔化さないで!」「ひっ」梨子ちゃんが大きな声を出すものだから、反射的に目を瞑ってしまった。気まずくて友達の方を見ると、手を合わせて口を「ご・め・ん」と動かしていた。悪いのは私だからいいんだけど、まさかここに梨子ちゃんがいるなんて。「梨子ちゃん、ここではみんないるから、ね?」「はぁ……終わったら話するからね?」「は、はい!」なんとか一時的に梨子ちゃんの怒りを抑えることに成功した私は、一度座り直して姿勢を正した。一先ず合コンが終わり、お会計をしてもらっている時に友達に話しかけられた。「高海さん、こんな事になってしまってごめんね」「私がちゃんと言っておけば良かっただけだから気にしないで」
 とは言ったものの、さっきから梨子ちゃんの視線が痛い。この様子だと怒っているのは確実。これは面倒な事になりそうだ。「千歌ちゃん、そろそろいいかな?」「う、うん、大丈夫だよ」梨子ちゃんに袖を掴まれてしまった。笑った顔をしているけれど、目が笑っていない。これは完全に怒っている時の目だ。「それでは私達はお先に失礼しますね」「ううっ、梨子ちゃん、お手柔らかにね?」「高海さん、頑張って」自分達の分のお金を友達に預け、私と梨子ちゃんは一緒にお店を出た。「まさかこんな所で千歌ちゃんに会うなんて思わなかった」「私だって梨子ちゃんに会うと思わなかったよ」怒られると思っていたけれど、どうやらそんな感じでは無いらしい。今だに怖くて顔を確認する事は出来ないけれど。「だって梨子ちゃん、今日出掛けるなんて言ってなかったじゃん!」「それは千歌ちゃんが出掛けるって先に言ったからでしょ?」「うっ、それはそうだけど」本当は「だからって合コンに行くだなんて」と返したい所だけれど、人のこと言えない状況になっているクリスマス編Part2 高海千歌 コスプレ衣装ので言えない。「ねえ、梨子ちゃん。怒ってる?」弁解の言葉を思い付かなかった私は直接聞く事にした。まわりくどい尋ね方をするよりは良いかなと思って。「うーん、別に怒っては無いかなぁ。だってどうせ数合わせで出てきてただけなんでしょ?」「さすが、よく分かったね!」どうやら梨子ちゃんには全部お見通しだったみたい。「分かるよ。千歌ちゃんがそう簡単に浮気するような人じゃないって事くらい」「じゃああんなに怒らなくても……」「だって驚いたし、それに予め知らせておいてくれても良かったんじゃない?」「それはそうです、はい」こういう時梨子ちゃんは凄いなぁと思う。大人の余裕というより、私より一歩先へ行ってる気がして。

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