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先輩の横顔はやっぱり綺麗で、触れられない所にあった

放課後、叶 アイドル衣装 コス衣装先輩に頼まれた資料を持って情報処理室に入った。プラグラムのコードやら言語やらの本というのは、どうしてこう重いのか。挙句高くて高校生の懐には大打撃だ。パソ部に入ったからには、と思って書店で見たとき絶望したのを覚えている。「凛先輩、持ってきましたよ」「ありがとう。そこに置いておいて」PCから顔を離して、先輩が笑いかけてくる。分かりました、とすぐに顔を背けた。目を合わせると、何故かからかわれるのだ。無駄に重い資料を置いて、自分の椅子に座る。腕が疲れた。何もする気が起きなくてだらけていると、先輩に声をかけられた。「ね、君って行きたい大学とかある?」「はい? なんですか、急に」視線を向けると、先輩がPCの電源を落としてこちらを見ていた。慌てて目を逸らすと、小さく笑う声が聞こえる。耳から入ってくるものを頭から振り払いたくて、質問の意図を考えた。そりゃあ、三年の先輩は進路を考える時期だろうが、何故俺に聞くのだろうか。先んじて考えておくように、という遠回りな忠告かとも思うが、からかう為の前振りの気もする。何度も遊ばれてたまるか。やり返さねば、やられっぱなしだ。「俺が考えてると思います?」「ううん、全然」まさか普通に言い返されるとは思わなかった。というか、少しは躊躇してほしい。笑顔でずばっと切り返されると流石に傷つく。二の句に詰まる俺を見て、先輩はまた楽しそうに笑った。「大学は高校みたいに選んじゃダメだよ?」「どういう意味ですか、それ」先輩は何も言わず、ただ微笑んでいた。突っ込んで聞けば藪をつつくことにしかならない。俺が黙ると、VTuber 湊あくあ コス衣装先輩は立ち上がって窓を開けた。まだ少し空気は冷たくて、火照った頬を通り抜けていく。遠くから吹奏楽部の演奏と、野球部の掛け声が入り込んでくる。先輩の横顔はやっぱり綺麗で、触れられない所にあった。「卒業する前にさ。君に言っておきたいことがあったんだ」「……今日は突然過ぎませんかね」「そうかな? ……そうかも」耳にかかった髪をそっとかきあげる仕草は、先輩がストレスを感じている時の癖だ。多分、進路の話があったんだろう。先輩でも悩むことがあるのか。いつもと少しだけ調子の違う先輩が、窓を背に振り向いた。淡い桜色の唇が震えて、躊躇うように小さく開き、

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