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繋がるワイヤレス

飛びこみ高坂穂乃果 コス衣装 の練習が終わった後。最近買ったワイヤレスイヤホンで音楽を聴きながら、公園のベンチに座って、スポーツドリンクをゆっくり喉に流し込む。ゆっくり流れる雲、風に揺れる草。慌ただしい日が続いてたから、まったりとした時間がすごく心地良い。隣にあの人が居たら……なんて事を考えるけど、誘う勇気はわたしには無かった。本音でぶつかってきて、と言われても、難しい事がある。「綺麗な空……」ゆっくり、まったりと、時間は流れる。「よ〜う♪」そんな、まったりとした時間を引き締める、意外な来訪者が視界の端に現れる。わたしは、イヤホンを外して迎えた。「鞠莉ちゃん!? どうしたの? この辺に来るなんて珍しいね」まさかの出会いに緊張して、早口になってしまう。「普段来ない所の探検をしようと思ってね。 沼津の事をもっと知っておきたくて」わたしが生まれ育った場所の事を、もっと知りたいと言ってくれて少しだけ嬉しくなった。わたし自身とは、あまり関係のない事だけど……。「隣、良いかしら?」「もちろん!」「おじゃましま〜す」ストンと腰掛ける。「ところで、曜。何聴いてたの?」「ん? 鞠莉ちゃんも聴いてみる?」ワイヤレスイヤホンを差し出す。「フム……それじゃあ、マリーはこっち!」鞠莉ちゃんは、右側のイヤホンだけを手に取った。「え?」「一緒に聴きましょう?」残ったイヤホンをわたしの耳にかける。「わたしはいいから、両方とも使っても……」「いーから、いーから。わたしがこうしたいから!」「わ、わかったよ……」「ふふん♪」 すると鞠莉ちゃんは、わたしの肩に頭を乗せた。「ま、ままま、鞠莉ちゃん!?」「どうしたの? そんなに大騒ぎして」「急にくっついてくるから……」「だって、イヤホンつけてるし、近づかないとでしょ?」ラブライブ μ’s コス衣装「「いや……ワイヤレスだからコードの心配も無いし、近づかなくても大丈夫なんだけど……」「わざわざ離れる必要もないでしょ? ほらほら、早く聴かせて!」「う、うん……」スマホに表示された再生ボタンを押す。「これは……和ロックね! 良いわぁ……!」指を振りながら楽しそうにリズムをとる。気に入った?」「ええ! ビビッときたわ! 普段もこういうの聴くの?」「聴くのは最近になってからかな。ちょっと気になって……」キッカケはなんて事ない、鞠莉ちゃんの好きな音楽がロックだって聞いたから。「なるほどねぇ……ふふ、嬉しいわ。同じ趣味の友達ができて」「うん、わたしも嬉しいよ」 友達か……。嬉しいけど、ちょっと寂しい。

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