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にゃむ❤️の『看護まがじ〜ん』

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30年以上、自分のスタイルでやりたい看護を自由にのびのびとさせて頂いています。緩和ケアや認知症に関する記事が主になるかなぁと思います。
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#緩和ケア

「桜、咲いてますよ」〜看取り〜

今日は、珍しく平日のお休み。 雨が続いていたので今年はあまりゆっくり桜が見れないかなと思っていたけど。 井の頭公園は、平日なのに沢山の人が 待ってましたーとばかりに桜を見にきていた。 ✳︎ ✳︎ 桜の季節になるといつも思い出す。 緩和ケア病棟に勤務していた時のこと。 奥様の希望もあり、末期がんの60歳代の男性と奥様と一緒にちょっと離れたところにある公園に桜を見に行く計画を立てた。 ご本人は、医療用麻薬の持続皮下注射をしながら声を掛ければ目は開けられるくらいだ

コロナ禍での看取りのヒント〜逢えない愛する家族への工夫をシェア〜

【はじめに】2020年1月から日本でもコロナ感染の報道が始まり、はや1年4ヶ月が経った。感染リスク回避の為、病院の中での「面会」や「看取り」の事情も大きく変化している。訪問看護の中でもコロナ禍においてもたくさんの看取りがあった。 看取りの場は、大きくは、「病院」か「施設」か「在宅」に分かれる。介護者のマンパワー不足であれば、ご本人が家で過ごしたいと思ったとしても叶わないこともある。それぞれの家族の事情や環境によって選択が変わってくる。 それに加えて今はコロナ禍。病院や施設で

届け!海の向こうの家族に 〜コロナ禍での看取り 第2弾〜

<はじめに>コロナ禍の看取りの第2弾となる。第1弾の記事はこちら。 前回の記事にも書いたように感染予防という観点で、家族の人生の最期なのに逢えないというケースもよく伺う。当たり前のように諦めなくてはいけないことになりつつある。最期の瞬間を見届けることも辛いことではあるけれど、逢えないことは、もっと辛い。今回は、海外在住のご家族がいるかたのお話をしようと思う。 国内でも中々、家族に逢えない状況の中、海外に住むご家族にとっては、大きな苦しみではないだろうか。 <アキラさんのこ

仙人が最期に選んだのは<ヘアゴム>

出逢いあの瞬間、ヘアゴムを指さしたあの仙人を 私は、心からかっこいいと思ったし、 足元にも及ばないと思った。 と同時にこれまでの人生の寂しさも感じた。 その仙人には、その日初めて会った。 俗っぽい世間から離れて 独特の世界を持たれている空気があった。 白い髪が伸びた齢を重ねた男性だった。性別も男性とも女性とも違う中間の感じがした。 まるで「仙人」のようだったので敬意をもって このようにここでだけ呼ばせて頂くことにした。 初めて会ったのにウエルカムな感じだった。 昔から

命がのびたコゲさん

コゲさんの選択余命1年の宣告を受けたのに2年もおまけの人生を貰っているコゲさん。 がんになってっもタバコを吸いまくって焦げ跡だらけなので命名コゲさん。 水分を失った痩せたコゲさんのカラダにタバコの煙がへばりついた。 ご本人にとっては、不本意なネーミングだろうけど。 火がついているだけで安心するのだという。 安心が形になった焦げ跡。 その焦げ跡を笑っていられる奥様も最高。(火事は怖いけど!) コゲさんは、お金には何も不自由がない人生。 お金に不自由だらけの私からは羨ましい。