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にゃむ❤️の『看護まがじ〜ん』

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30年以上、自分のスタイルでやりたい看護を自由にのびのびとさせて頂いています。緩和ケアや認知症に関する記事が主になるかなぁと思います。
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#在宅

最期のとき 〜セデーション(鎮静)前のできごと〜

以前、この記事の中で、お客さま(沙羅さん)が天使になって旅立たれたお話を書かせて頂いた。 全力は尽くしたつもりだったのだけど、一つ大きな大きな後悔があった。 沙羅さんは、いつも凛としていて毅然としていた。 がんは、美しい沙羅さんの体を容赦なく覆い尽くしていた。 この為、がんによる苦痛を取り除く為にセデーション(鎮静)が必要な状況になった。 その寸前のことだった。 写真が見たいとお願いしたら、最近のはあまりないのよねと言いながらもご家族が持ってきてくださった写真の中に

命がのびたコゲさん

コゲさんの選択余命1年の宣告を受けたのに2年もおまけの人生を貰っているコゲさん。 がんになってっもタバコを吸いまくって焦げ跡だらけなので命名コゲさん。 水分を失った痩せたコゲさんのカラダにタバコの煙がへばりついた。 ご本人にとっては、不本意なネーミングだろうけど。 火がついているだけで安心するのだという。 安心が形になった焦げ跡。 その焦げ跡を笑っていられる奥様も最高。(火事は怖いけど!) コゲさんは、お金には何も不自由がない人生。 お金に不自由だらけの私からは羨ましい。

だれかの「新大陸」を見つける

<はじめに>コロンブスは、1492年10月12日に『新大陸』を発見したのかも知れないけど、負けずに私は、2021年6月1日(昨日ね)に町子さんの『新大陸』を発見した。 2つの共通点は、コロンブスの新大陸も町子さんの新大陸も元々そこに在ったものだったということ。つまり、誰かがそれを発見して認識してくれなきゃ、無いってことになってしまうということ。 <町子さんのこと>町子さんは、70歳代の女性。息子様一家と暮らしている。脳梗塞後の言語障害(構音障害)や誤嚥性肺炎がある。現在、

訪問看護 : 担当制とチーム制どちらがいい?

担当制とチーム制について病院の看護方式は、チームナーシング、プライマリーナーシングのところが主流なのかなと思う。 訪問看護ステーションの中では、担当制のところとチーム制のところとに分かれている。 折角、両方を体験させてもらったので備忘録的に書いておくことにした。もし、これから訪問看護で働いてみようかなというかたに少しでもお役に立てるなら嬉しい。 これを振り返るにあたり、3つの視点で考えてみた。 1.お客様(患者様)からの視点 2.働く側からの視点 3.経営側からの視点

おばぁちゃんたちの自虐ワード

寝たきりのトキさん。 「若い時は、昼まで寝ていた~い!って叫んでいたのに今となれば寝たくもないのに寝ていなきゃいけない。なんてこった」 と目を白目にしながらおどけて話した。 心臓を患っている高齢のよしこさん。 「もう死なせてほしいっていつも言ってるのに、昨日、肺炎ワクチンしちゃった私。まだ、長生きする気なのよ。生きることに執着している証拠だわ、恥ずかしい」 乾いた口もとでワシャワシャと笑った後、上の入れ歯がちょっと落ちた。 そして、慣れた手つきでふにゅっと何事もなかったよう