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にゃむ❤️の『看護まがじ〜ん』

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30年以上、自分のスタイルでやりたい看護を自由にのびのびとさせて頂いています。緩和ケアや認知症に関する記事が主になるかなぁと思います。
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2021年9月の記事一覧

勇気を出せば人生は、変わる!/180度違う人生になったおじぃさんの話

<はじめに>2年半前にこんな記事を書いていた。 ギャンブルの果てに廃人のようになってしまったしげさんの話。 実は、このほぼ寝たきりだったしげさんにはこの後ミラクルな人生が待っていた!! その前にちょっとしげさんのおんぼろぼろぼろアパートのおさらいをしておこうと思う。 <おんぼろぼろぼろアパートの住人しげさん> そのおんぼろぼろぼろアパートは、雑草が鬱蒼とした陽の当たらない住宅街にあった。外もジメジメしているけど、中は、ジメジメ度が増していて、なんとも形容し難い匂いがす

最期のとき 〜セデーション(鎮静)前のできごと〜

以前、この記事の中で、お客さま(沙羅さん)が天使になって旅立たれたお話を書かせて頂いた。 全力は尽くしたつもりだったのだけど、一つ大きな大きな後悔があった。 沙羅さんは、いつも凛としていて毅然としていた。 がんは、美しい沙羅さんの体を容赦なく覆い尽くしていた。 この為、がんによる苦痛を取り除く為にセデーション(鎮静)が必要な状況になった。 その寸前のことだった。 写真が見たいとお願いしたら、最近のはあまりないのよねと言いながらもご家族が持ってきてくださった写真の中に

看取り / あなたの言葉をちゃんとご家族に伝えますね

「小さい頃はね・・・可愛すぎてねー、いつも家まで女の子がついてきてたのよ。本当に可愛かったの」と 80歳のご婦人は涙ぐんだ目で仰った。 マスクをしていても目鼻立ちの整ったご婦人だと分かった。 あー、彼はお母さんに似ていたんやなぁと思った。    * その可愛いすぎた小さなマコトさんは、40歳半ばになっていた。 マコトさんと出会ったのは、その1ヶ月くらい前。まだその頃は、ベッドのところに1時間座って話すことができていたけど、食事量は、かなり減っていた。 沢山の辛い治療