マガジンのカバー画像

にゃむ❤️の『看護まがじ〜ん』

60
30年以上、自分のスタイルでやりたい看護を自由にのびのびとさせて頂いています。緩和ケアや認知症に関する記事が主になるかなぁと思います。
運営しているクリエイター

2021年5月の記事一覧

コロナ禍での看取りのヒント〜逢えない愛する家族への工夫をシェア〜

【はじめに】2020年1月から日本でもコロナ感染の報道が始まり、はや1年4ヶ月が経った。感染リスク回避の為、病院の中での「面会」や「看取り」の事情も大きく変化している。訪問看護の中でもコロナ禍においてもたくさんの看取りがあった。 看取りの場は、大きくは、「病院」か「施設」か「在宅」に分かれる。介護者のマンパワー不足であれば、ご本人が家で過ごしたいと思ったとしても叶わないこともある。それぞれの家族の事情や環境によって選択が変わってくる。 それに加えて今はコロナ禍。病院や施設で

届け!海の向こうの家族に 〜コロナ禍での看取り 第2弾〜

<はじめに>コロナ禍の看取りの第2弾となる。第1弾の記事はこちら。 前回の記事にも書いたように感染予防という観点で、家族の人生の最期なのに逢えないというケースもよく伺う。当たり前のように諦めなくてはいけないことになりつつある。最期の瞬間を見届けることも辛いことではあるけれど、逢えないことは、もっと辛い。今回は、海外在住のご家族がいるかたのお話をしようと思う。 国内でも中々、家族に逢えない状況の中、海外に住むご家族にとっては、大きな苦しみではないだろうか。 <アキラさんのこ

モノに溢れるモノ屋敷

訪問看護におけるモノ屋敷の世界以前のnoteでも 片付けられないシンドロームについては投稿した。 上記の記事は、2年前の記事だったが、その後、モノ屋敷の住人のかたがお客様になることが続いた。 今までの方々もすごいと思っていたが、それを超える最強メンツが揃っていた。 ご自分達の世界の中に他人に出入りされるのは本当に嫌だったと思う。 それでも私たちに足を踏み入れさせて頂いたことはご本人達にとっては<革命>に近いモノだったと思っている。 出会いは必然なんて、よく耳にする言葉だけ

私が93歳になったらどうなるか問題 〜認知症のミチさんの訪問より〜

はじめに私たち看護師は、実に色々な方と沢山出会わせて頂いている。 30年以上も看護師をしているともはや何千人、何万人の人にお会いしているのかもわからず。星の数ほど・・・という表現をしておこうと思う。 こうやって出逢わせて頂いた人のことや仕事で経験した事を最近は特に書き留めていきたいと思う気持ちが強くなっている。 その時、私はどんな事を感じたのか、その折角の出逢いを私だけに留めておくのが勿体無いような気がずっとしていた。 以前、違うblogでは書いていたことがあったが、このn

老々介護で垣間見た「いつもの朝」に感動〜緊急訪問にて〜

〜 訪問看護の緊急訪問でみた光景 〜 朝5時半の緊急電話 布団の中から夢か現実かよくわからないまま、 電話の着信音に反応し、舌がこんがらがりながらも会社名と自分の名前を名乗る私。 電話の向こうでは、 「忙しい時間にごめんなさいねー」と女性の声。 いやいや、忙しくはない(笑) ご主人がベッドからずり落ちて 尻もちをついてしまい、何度か頑張ってみたけど 無理だったから来て欲しいとのお電話。 認知症のAさんの介護をされている奥様からのお電話だった。 ご夫妻二人暮らし。

シュールなしゃべくりが聴ける/訪問看護ならでは

【蜘蛛とのしゃべくり編】こんな光景をみた時に私は肩を震わせほくそ笑んでしまう。 おじぃちゃんの老々介護をしているおばぁちゃん。 部屋に入ってきた虫を何日か前から順番に捕まえて容器に入れて閉じ込めてた。 (どんな趣味や) おばぁちゃんの解説によると1番目と2番目に小さな虫を捕まえて招き入れたらしい。最後にゴミかと思って捕まえのが蜘蛛だったらしい。 と言うことで住人は、3匹だと丁寧に説明してくれる。 痛い腰をかばいながら、ベッドに座りその虫たちを観察して話しかけていた。 「