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綿毛の贈り物

温暖な立地ゆえか思ったほどは冬枯れが進まない我が家の芝生。

年末のバタバタとした時間の中、久しぶりに芝生の手入れをした。

落ち葉を拾い、雑草を抜く。単純な動作の繰り返しだが人力での作業がメインになるため、案外骨が折れた。

芝生の手入れが終わりかけたときに、目の前の芝生に、ふわふわの白い物体を発見した。

このふわふわというのは鳥の羽か?

それとも猫の毛が飛び散ったものなのか?

羽や毛の抜けた理由によっては、病原菌への接触なども懸念されるゆえ、恐る恐る手に取ってみると、ふわふわの白い物体は、鳥の羽でもなく猫の毛でもなく、白い綿毛のついた「小さな種子(たね)」だった。

周りには芝生の穂が出そろっており、それらの穂と見分けがつかないほどそっくりの種子だ。

どこから来たのだろうかと、周りをふと見渡してみたが、それらしいものは見当たらない。

他にも飛んできているのだろうかと、敷地内の芝生を見渡してみたが、綿毛らしきものは1個のみだった。

どこから飛んできたのかさえ分からない綿毛。

だが、これをちょっと植えてみたいような気がした。

おそらくこういうのをロマンっていうのだよな......と心の中でひとり呟く。

休日で在宅だった夫に、綿毛の話をしたところ、

「ケサランパサランじゃないの?」

などという。

さすがにそれはないだろうと思いながらも、一応画像をググってみた。

ケサランパサラン(=ケ・セランパサラン)とは、白くて小さいウサギの尻尾のような姿をした伝説の生き物。幸せを呼ぶとかいう噂がある。

綿毛のようだとか、見た目には諸説あるが、ググった画像を見た限りでは、我が家の庭に飛来したものとは違うようだ。

まぁ、ケサランパサランではないにせよ、何かよいことが起こりそうな予感がするのは確か。

この種子からどんな芽が出るのだろう。

とても楽しみだ。

この種子を育てて行く末を見守りたい。

※お断り※
こちらの画像は見つけた瞬間を後ほど再現したものです。風で飛んでいく可能性があったため、綿毛を確保後、カメラを用意してから発見の様子を再現しました。