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父と私とジャイアンツ

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2019年6月に他界した実父との回顧録です。
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#子育て

親として働く姿を見せること

母とゆっくり過ごすのはこれが最後になるかもしれないという気持ちで時間を過ごした。6泊7日という里帰りは、この先2度とないだろうと思ったからだ。 私が子どもの頃は大変貧しかった。父と母は努力を重ねて運を味方につけ、劇的な脱貧困を成し遂げている。 親が貧困だと子どもも貧困になる「貧困の連鎖」という話を聞く。事実そうかもしれない。けれども、我が家に限ってはそうならなかった。 理由を一言で説明するのは難しい。いろいろな要素が複雑に絡み合っていることは確かなのだが、周りの引き立て

褒めない育て方

私は、父に褒められたことがほとんどなかった。 成人してからは褒められたことはあるのだが、いわゆる子ども時代には、一切褒められたことがなかったのだ。 父によると、褒めるというのは「まさかできると思わなかったのにできた」という含みがあるので褒めたくないとのこと。つまり、褒めないのは「できて当たり前」だからということのようだった。 その説明があったから、褒められなかったとしても、まっすぐに育つことができたが、このような育て方を、いまどきの人たちはどう思うだろう。 「できて当