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中小企業診断士の仕事とは何なのか。

独占業務なんてクソくらえ!?

今回は中小企業診断士の仕事とは何か?ということを書いていきたいと思います。
その前、中小企業診断士の仕事を語る上で外せない「独占業務」に対する僕自身の考えをまとめておきます。

独占業務とは「資格がなければこの仕事はやったらダメ!やったら逮捕!?」みたいなものです。
士業と呼ばれる「◯◯士」という資格の多くは独占業務があります。
例えば、社会保険労務士であれば「雇用関係の助成金の申請」や「就業規則の作成」など、税理士であれば「税務書類の作成」や「税務相談」など。
こうした独占業務は資格がなければできないため、誰でもできるわけでありません。
そのため、資格取得後は独占業務の仕事があるので安心です、という見られ方をしています。

一方で、中小企業診断士にはその独占業務というものがありません。
従って、「中小企業診断士の資格があるからこそできる仕事」というものがないのです。
僕たちがやっている仕事は、資格の有無など関係なく誰でもやろうと思えばやれてしまう仕事です。
そのため、「中小企業診断士は"足の裏の米粒"(とっても喰えない)」なんて揶揄されるわけですが、正直独占業務がないほうが儲かります

というのが、独占業務は「資格がなければできない仕事」ではあるのですが、逆を言うと「資格があればできる仕事」です。
つまり、税理士資格を持つ人なら誰でも税理士の独占業務はできてしまいますし、その内容は横並びです。
つまり、A税理士が提供する独占業務にあたるサービスとB税理士が提供する独占業務にあたるサービス、そのサービスに差は生まれないのです。
そうなるとどうなるのか。
顧客がその違いを判断できるのは「価格」でしかなく、価格競争にしかなりません。

稼がれている税理士さんは、独占業務を軸としつつも、そこに独占業務を超える付加価値を提供されている方が多いです。
結局、独占業務があっても価格競争にしかならないのであれば、もともと独占業務がない我々中小企業診断士は、はじめから自分ならではの土俵で戦えばいいわけです。

と言うことで、独占業務がないことはむしろ喜ばしいことであり、その状況をいかにして生かすか。
これを考えることこそ、中小企業診断士を生かす第一歩だと僕自身は考えています。

何されている方なの?

では、結局中小企業診断士とは何をする人たちなのか?

僕自身、お客さんから「中小企業診断士って何をする人たちなの?」と聞かれることがあります。
正直、色んなことをやっている方がいますから、一言で表すなんてできないですが、僕が考える中小企業診断士の仕事は以下だと思っています。

国が作った中小企業向けの施策や政策を、わかりやすく中小企業へ届け、その活用を支援すること

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家と定義されています。
国から与えられた国家資格です。
ですから、その国が考えた施策や政策を中小企業に届けて、その活用を支援する、それこそが私たち中小企業診断士に求められるミッションだと思っています。

つまり、今流行りの補助金申請支援も中小企業施策・政策の活用を手助けするという観点では、中小企業診断士こそやるべき仕事。
それ以外にも、経営革新計画や経営力向上計画など「◯◯計画」策定支援、制度融資の活用支援、事業承継や事業再生などの国が中小支援で力を入れる仕事は全て中小企業診断士がやるべきことだと思っています。

たまに補助金支援をしている人たちを批判する同業の方がおられたりしますが、正直何を言っているの?って感じです。
補助金支援をする・しないは個人自由ですからどちらでもいいのですが、支援をしている人たちのことを批判するのはお門違い。
それは中小企業診断士の仕事そのものを否定しているのと同じだと、個人的には感じています。

ということで、中小企業診断士の仕事というのは、一言で言えば「国が作った中小企業向けの施策や政策を、わかりやすく中小企業へ届け、その活用を手助けすること」なんです。
とまぁ、説明するだけあればこれでいいのですが、実際はこれだけでは中小企業診断士の間で差別化ができません。
ですので、これ以外に自分ならではの強みを生かして支援できる軸を持っておくことが大事です。
「中小企業施策・政策の支援」×「自分の強みならではの支援」の掛け算が重要です。

もし、これから中小企業診断士としてどのように活躍していこうかと悩んでいる方は、この2つの支援軸で何をしようかと考えてみてください。

独占業務はあります!

最初に、独占業務なんてクソ喰らえ・・・的な感じで書きましたが、とはいえ、独占業務もないよりあったほうがいいと思う方もいるかもしれません。

そこで、「STAP細胞はあります!」ではないですが、僕たち中小企業診断士にも実は独占業務はあるのです!
という話を最後に書いておきたいと思います。
ちなみに、産業廃棄物収集運搬業許可申請に必要な「経営診断書作成」みたいな話ではありません…

それは、「公的機関の経営相談員」の仕事です。

公的機関の仕事の詳細は、また何かの機会に別で詳しく書きたいと思いますが、この経営相談員に従事している方の8割くらいは中小企業診断士の有資格者と言っても過言ではないくらい中小企業診断士が多いです。
それくらい、経営相談員として中小企業診断士が求められています。

なぜこのようになっているかというと、それは中小企業診断士の対応の幅の広さ故だと考えられます。
税理士であれば「税務」のこと、社労士であれば「労務」のこと、と相談対応できる幅が狭かったりしますが、相談に来る事業者さんの悩みは多岐に渡ります。
そこで多岐にわたるお悩みの相談をできるのが、中小企業診断士というわけです。
そのため、経営相談員は「中小企業診断士」の有資格者を募集条件につけているところが多いです。
何も資格を持たない人がいきなり公的機関の経営相談員に抜擢されることはありませんが、「中小企業診断士」の資格を取ることで抜擢されることはあります。
私自身も、中小企業診断士登録後1年で独立しましたが、これは公的機関の経営相談員に採用されたことで独立のきっかけを掴むことができたからです。
資格がなければ公的機関に採用されることは絶対にありませんでした。

ということですから、公的機関の経営相談員の仕事は、中小企業診断士の"実質的な"独占業務と言っても過言ではないと思っています。

ということで・・・

今回のテーマの話は以上です。
先にも申しましたが、中小企業診断士の資格の生かし方は人それぞれ。
何をやってもいいわけです。
自分なりの生かし方、ぜひ見つけてみてください。
僕の意見は、1つの意見として参考にしてもらえればと思います。

今回のテーマについては、そのうちに弊社のYouTubeでも語りたいと思います。

よかったら過去の動画もご覧ください。それでは。
株式会社コムラッドファームジャパンのYouTubeチャンネル

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