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ARIIXイケイケ物語~クオリアいっとく?~ Episode1

「Kenさん、近々お会いできる時ってありますか?」

2020年秋某日、アップラインのIさんからLINEが届きました。

僕は、ARIIXというネットワークビジネスのディストリビューターでした。
ネットワークをやってるというと多くの人に驚かれます。
嫌悪感を示されるよりも、驚きが先にきます。

無差別に勧誘してるわけではないので、
活動してることは意外と知られていないのです。


僕とネットワークビジネスの出会いはARIIX。
後の直アップからFaceBookでこんなメッセージが届きました。

「お久しぶりです。
 この度副業を始めようと思ってて
 一緒に始めてくれる人いないかなとー
 探してます(°▽°)
 興味あったりしたら連絡くれたら嬉しいです
 なかったら全然スルーして下さい!笑」

連絡をくれたのは、六本木ヒルズレジデンスで行われた
友人のホームパーティーで知り合った女子Y子。
しかも6年間何の音沙汰もなくいきなり飛び込んできたのがコレ。

怪しさしかない(笑)

一応返信してみました。

『アムウェイみたいなものかな!?
 力になれるかわからないけど、どんなスキーム?』

ハイ、魚がエサに食いつきました(笑)

「業界はアムウェイとかと同じですが、
 まずは報酬プランがNo1で
 アムウェイとかの上だけが儲かるシステムを変えていこう
 としてる感じですかね!
 なので他のネットワークしてる方も
 話を聞いて移ってくる方が多いみたいです‼

 あとは最近旅行も加わって
 これだけでもかなりトクしかない感じですね」

わけワカメ・・・

まぁ、とりあえず話だけでも聞こかというノリで詳細を聞きに行くことに。
自分では説明できないから友人が説明してくれるそうです。
いわゆるABCですね。
当時はそんな言葉も知らず会いに行くことになりました。

プレゼン場所の最寄駅でY子と待ち合わせ。
最後にY子に会ったのは彼女が大学4年のときですが、
Y子の容姿は当時と全く変わっていなかったのですぐわかりました。
久しぶりの再会。

Ken「久しぶりだねー!覚えてた?何年ぶりかわかる??」
Y子「もちろん覚えてるよー!3年ぶりじゃない!?」
Ken「6年ぶりじゃボケッ!」

これで察したと思いますが、
僕とY子の関係性は、飲み放題で出されるサワーくらい薄いです。

向かったのは都内のタワーマンション。
登場したのは僕よりも若い男性Tさん。
自己紹介を済ませ、上層階にあるラウンジに場所を変えました。

・Tさんのマイストーリー
・会社の紹介
・製品の紹介
・報酬プラン
・ARIIX Travel・・・etc

プレゼンは約1時間。
正直全部は理解しきれてないけど、
他のビジネスと比べたら初期投資は少ないし、
儲からんくても製品使えるからとりあえず始めてみるか・・・
というノリで1,500P(26万円分)で即決しました。

ちなみにABCにおいて
A(Adviser)→Tさん、
B(Bridge)→Y子、
C(Customer)→僕
を指すのですが、
通常は成約率を上げるためにBがCの背中を押すBプッシュが肝になります。

今になって思い返すと、このときY子は黙ってプレゼンを聞いていただけで
何もプッシュしませんでした。
借りてきた猫みたいにおとなしく座ってます。
まるでオブジェのように。
Y子がBとして入るABCを後にAOCと呼ぶようになりました。

ABCの翌日、新宿の某ホテルのカフェで登録作業をしました。
ARIIXの他のメンバーを紹介され、今後の流れを説明されます。

まずは、目標として8週間以内に4人の直紹介を出すこと。
これを達成するとゴールドステータスとして
一生保証される権利が得られるので、とりあえず4人頑張りましょう。
※ゴールドステータスに関する説明は割愛します
そのためには、早いうちに以下のトレーニングを実施するように・・・と。

・個人事業主とサラリーマンの違い(通称、個サラ)
・ビジネスマニュアル(通称、BM)
・プラン噛み砕き(報酬プランの再確認、シミュレーション)

BMは、ネットワークビジネス歴20年超の神農昌さんが考案したもの。
まずはこのとおり実践することを叩きこまれます。

Y子のアップラインの手配で、次の日までに全て実施しました。

また、毎月8のつく日はトレーニングや事業説明会(OM)があるので、
8のつく日(8日、18日、28日)は絶対外さないで下さいとも。

なお、トレーニングの手配や説明について
Y子はからは何のフォローもなし。
契約書にサインさせた後はほとんど顔を出さない営業マンがごとく(笑)

登録から1週間後、初めてのABCを迎えました。
勧誘したのは経営者Kさん。
ニュースキンを長年やってきた方です。
今思うとよく引っ張ってこれたなと思います。

場所は僕がプレゼンを受けたのと同じタワマン。
A役も僕のときと同じTさん。
Tさんからは、「Tアップできてますか?」と聞かれましたが、
『Tアップって何ですか?』と聞き返してしまいました(笑)
それくらい、何もわかってない状況でBさんデビューです。

大丈夫か!?

結果は、1500P即決。
正直Bプッシュできてません。
Y子のオブジェ程ではないですが、Bさんとしては失格。
なのになぜ登録してくれたのか?
Kさん曰く、

「こういうのは話を聞きに行く時点で結論は決まってるんだよ」

そういうものなのか!
確かに興味付けのエサはしっかり撒いていたのと、
ニュースキンの経験者だからネットワークに対する
ネガティブなイメージがなかったのが大きかったのかなと。
ラッキーの要素があった初陣でした。

数日後、2人目のABCを実施。
今回のCはシンガーソングライターのSさん。
A役は前回に引き続きTさん。
場所はAさん宅のタワマン。

Tさんがプレゼンを進めるのですが、Sさんの
「よくわからないけど、とりあえず1,500Pで始めればいいんでしょ?」
という一言で話し終える前にまさかの打ち切り。

あっさり決まったのは、
僕が勧めるのだから大丈夫だろうという理由みたいです。

すっかり調子に乗った僕は、3人目に監査法人時代の同僚で
公認会計士のHさんを勧誘します。
今回のA役は女性のアップラインIさん。
渋谷にあるホテルのラウンジでABCを実施。
1,500Pで即決。

4人目はモデルのOさん。
A役はTさんでまたも1,500P即決。

無事4人の直紹介を出せました。
8週間以内の達成を目指していましたが、2週間で達成しました。

Tさん以下のグループLINEで祝福されて嬉しかったのですが、
それ以上に驚いたのがあの菅野航さんからLINEで
動画メッセージをいただいたこと。

「これに満足することなくオフィサーを目指しましょう!」
とプレッシャーをかけられました(笑)

順調にARIIX活動をスタートし、新たな目標ができ再び走り出します。
ある日、Iさんのご案内で合宿に参加することになりました。
合宿は1泊2日、菅野航さんグループで実施します。
全国のトップリーダーが合宿でレクチャーするために集まってくれました。
彼らが話す内容を聞き漏らさないようゴリメモ。
20時頃までトレーニングは続きました。

そして、裏のメインイベントが夜に訪れます。
入浴後、深夜にトップリーダーのお部屋を訪問し
パジャマ姿でミーティングするのです。

通称パジャミー。

昼間は壇上のトップリーダーと距離を感じながら話を聞いていたのですが、
パジャミーは目の前で直接お話が聞けるのです。

数人がいくつかのグループに分かれて各部屋に行き、
トップリーダーが質問などを受け付けてくれます。
しかし、部屋を訪問した面々は緊張や遠慮で何も聞けません。
このチャンスを無駄にするものかとたくさんの質問をしました。

結局パジャミーは明け方まで続き、ほとんど寝ていません。
合宿2日目は睡魔と戦いながらトレーニングを消化。
最後に1人1人が順番に壇上に上がり、宣言します。
各々が自らの口で目標などを言葉にするのです。

合宿が終わり、興奮冷めやらぬ僕はその日のうちにABCに向かいました。
無事1,500Pで登録。
ABCを実施すれば決まるという状況でした。

僕が走るのと同時に、僕以下のメンバーさんも
ゴールドの連鎖を起こしていました。
ARIIXのシステムで僕以下のツリー(組織図)を確認できるのですが、
気づいたら多くのメンバーが増えていたのです。
1人目の直紹介である経営者Kさんがゴールドを達成したのを皮切りに、
銀座にて接待を伴う飲食店でお仕事されてるお姉さん達のグループが
拡大しました。

そして、僕がARIIXに登録してから1ヵ月後、
菅野航さんに課されたノルマであるオフィサーを
達成することができました。

ARIIXの報酬は毎週支払われるのですが、
オフィサーに達した時点で週給は15万円。
登録1ヵ月の報酬額は32万円程。
初期購入分の26万円は無事回収。

このタイトルをとったことで僕を取り巻く世界が一変しました。
8のつく日にトレーニング会場に行くと多くの人に囲まれ、
一緒に写真を撮ってくれとせがまれるのです。
僕の知らない人やサイド系列の方からもお声かけいただき、
その写真がグループLINEに流れます。

他のグループのトレーニングもゲストとして招かれ、
スピーカーとして話してくれと依頼されました。
トレーニング後のアフターと称する飲み会にも駆り出され、
人生で初めてこんなにチヤホヤされました(笑)
銀座のクラブでもこんなにモテないのでビックリです。

正直、自分自身がそんなに凄いことをしたとは思ってません。
何人か直紹介を出して、僕以下のメンバーも同様の連鎖を起こしただけと
認識してました。
しかし、自分がアドバイスする立場になり気づいたことがあります。

多くの人は、直紹介を出すことができない
ということを。

ARIIXが公表している統計資料によると、
報酬累計額が10,400円以下の割合は
全ディストリビューターの51.5%。

僕が達成したオフィサーは全体の1%。
平均週給は3,163USD。

ネットワークビジネスの厳しさを物語ってます。

僕はこの数字を目の当たりにしても
成果が出ないのは本人の問題と捉えてました。
今思えば、メンバーさん1人1人歩んできた道が異なるので
誰でもできることではないのです。
しかし、当時の僕は盲目的に活動していました。

この後起きる事件なんて露知らず・・・

つづく・・・



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