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#ソシャゲの話をしよう。「年末年始の運営の解」

#ソシャゲの話をしよう
どうも、死に急ぐ生命の果実です。

10月です。

「ハロウィンが終わるとどうなる?」
「知らんのか、年末が始まる。」

そろそろアレが見えてくる頃です。そう、年末年始です。
今回はちょっと時事ネタということで「年末年始の運営の解」というお話。

ソシャゲ運営はだいたい2ヶ月より前には企画立案を始めていなければならないので、すでに年末年始の仕込みが始まっている運営も多いと思います。
そんなわけで、今回は年末年始の運営について、思うところをつらつらと書いていきたいと思います。

先に予防線を張っておきますが、あくまで個人の経験則に基づくひとつの意見であり、これが絶対というわけではないのでご承知おきください。

ざっくり以下のような形で整理していきたいと思います。


年末年始って実際どうなの?

年末年始というと忙しかったりおめでたかったりする印象があると思いますが、ことソシャゲ運営においてはどうやってここを乗り切るのか、ひとつ悩みの種である時期ですね。

なぜなら。
年末年始は一年で最もお金が動く時期なのです。
そして(クリーンな企業であれば)長期休みに突入し、基本的に突発的な対応が物理的に不可能な時期です。(ブラック企業を除く)(大事なことなので二回言いました)

さて、まずは課金回りから説明します。
こらは統計的なデータでソシャゲ運営なら誰しもが当然のように知っている知識なのですが、年末年始は一年で一番売り上げが上がる可能性が高い時期です。

要因としては、長期休暇やイベントごとに起因する財布の紐の弛みや、ボーナスやプレゼントやお年玉などによる突発的な収入などが考えられるでしょう。
結構無視できないレベルで課金率・課金額が上がります。

そして、12月・1月ともなると、プロジェクトのクォーターの締め日や開始日だったりするので、ここでの売り上げ如何によって、その後の運営費に影響が出たりします。
なので、運営としてはなんとしてもここで結果を残したい、となるわけですね。

多くのソシャゲでは、1イベント二週間、月に二本くらいのイベントが想定されます。
それに並走する形でガチャが1イベントに1~2本、さらに月末月初には高額課金を見据えた本命ガチャを実施します。
これが大体定番のガチャ布陣ですね。

しかしながら、クリスマス~年末年始はほぼ強制的にカレンダー合わせになるため、少々スケジューリングが強引になったりします。

つまり……

  • クリスマス→本命

  • 年末→本命

  • 大晦日→本命

  • 正月→本命

……という具合です。

クリスマスも年末も年始も課金するなんてユーザーを疲れさせてしまう、ここはひとつ石を配ったり確率を甘くしたガチャを実施しよう……という優しい運営もいるかもしれませんが、戦場ではこういう優しい運営から死んでいきます。ソシャゲ運営は戦争なのです。

というわけで、大抵プロデューサーかさらにその上の神々たちによって、本命ガチャ4連荘を成功させるべく、少ない時間の中でスタッフはあーでもないこーでもないと悩み苦しむのです。

で、どう解決するのか。

難しい要因はいろいろありますが、これらの異なるガチャに合致するコンセプトを設定するのが悩ましいところです。

コンセプト設計の例としてはこんな感じ。

  • クリスマス→イベント合わせ限定サンタコスガチャ

  • 年末→今年の総決算・ベストセラーガチャ

  • 大晦日→今年最後の運試し・最高レア確定ガチャ

  • 正月→イベント合わせ限定晴れ着コスガチャ&お年玉おまけ

連続してガチャの切り替えを行うものの、ユーザーに対する旨味の訴求をうまく被らせないように設定することで、他のガチャで満足したユーザーも、新しいガチャを引いてくれる可能性を上げることができます。

このような視点から、年末年始のガチャで運営がどのような意図を持って設定しているのか想像するのも、なかなか楽しいものです。
もし余裕があったらそんなことを考えながらソシャゲを遊んでみてください。

お正月についてのあれこれ。

また、お正月としては外せないのがみんな大好き”お年玉”です。

よくあるのが無償石を配布して限定ガチャに誘導したりするのですが……これもちろんサービスの一環なんですが、巧みな運営だと“100連目で最高レア確定”と謳っておきながら、配布では100連引けないから後半自腹……とかよくある手法なので、脳死で回したりすると逆に損をすることも。

運営は隙あらばユーザーの貯めこんだ石を吐き出させようとして、このような施策を絡めてきたりするので、みなさんよく考えてからガチャを回しましょう。これはユーザーと運営との真剣勝負なのです。僕はロマンすら感じますね。

運営側の事情。

さて。次は少し視点を変えて運営周りのお話。
年末年始は大抵の企業ではお休みに入り、ほぼ例外なく期間内でのお問い合わせなどが対応不可能になります。誰だってお休みの時に緊急の呼び出しは食らいたくないですよね。そういうことです。

というわけで、年末年始のイベントは「どのようにガチャを介して売上につなげるか」と同時に「いかに期間中にイベント関連のトラブルを起こさないか」も、大いに重要視されたりします。

結論からいうと、「信頼性の低いイベントを実装しない」の一点に尽きます。これまでのイベントの中で、最も不具合が少なく、仕組みがシンプルなものを選択して実装することが肝要です。

間違ってもユーザー同士のリアルタイムバトルや高難易度イベント、ここでしかもらえないレアアイテムが報酬になってるようなイベントをやらないこと。不具合を起こして補填となった場合、年明けからユーザーの信頼度の失墜と補填対応が同時に来ます。ここで冒険をしてはいけません。

理想なのは適度なボリュームのシナリオ系イベントでしょうか。年末年始は課金額だけでなく、課金率も向上するため、新規やライト層のユーザーの存在も無視できません。その人たちに向けて、キャラクターなどの商材が魅力的に訴求できるイベントは、先の不具合の点も含めて相性が良いのです。

……というわけで結論をまとめると。

  • 年末年始の怒涛のイベントが続くが、ここでユーザーの懐を思いやる運営はノージャスティス。

  • 緊急対応が不可能な以上、実験的なイベントは慎むこと。

  • 年末年始の運営は容赦ないので、ガチャを引くときはご計画的に。

結びに。

とはいえ。
あなたの年末年始の課金が、そのソシャゲの来年度を決めます。
来年も推せるソシャゲには課金を惜しまない勇気を持ちましょう。

皆様の推しコンテンツがよい年末年始を迎えられますよう。

本日僕から言いたいことは以上です。

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