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マイウェンの魅力教えます! セテラ作品の思い出㉔

今回は代表の山中に代わり、セテラ・スタッフが『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』の監督マイウェンについて書き綴りたいと思います。というのも、マイウェンは自分がフランス映画に対して思い描いてた概念を覆してくれた恩人(?)だからです。

マイウェンと言えば、アート映画の監督・女優というイメージが強く、なかなか興味すら持ってもらえないので、まずはすごくキャッチーなところから攻めたいと思います。

『フィフス・エレメント』はフランス人監督リュック・ベッソンが『レオン』の次に撮ったハリウッド作品ですが、映画内の一番の見所のオペラを歌っているこの宇宙人ディーバこそマイウェンです!
私自身も、何度も見直すほどこの作品は大好きですが、後で振り返ると「この映画ってどんな話だっけ?」となるくらいこのシーンの印象が強すぎます。笑

私生活でもリュック・ベッソンと結婚(のちに離婚)したマイウェンですが、次第に製作の方に興味を移し、フランスで監督としても徐々に台頭します。監督としてのマイウェンを世に知らしめることになったのは、2011年のカンヌ映画祭で見事グランプリを勝ち取った『Polisse』です。留学でフランスにいた時に、テレビでたまたま放送していたのでぼーっと眺めていたら、タルコフスキーの『鏡』を観た人なら誰でも分かるオマージュから映画が始まり、あっという間にエンディングまでテレビに釘付けでした。内容は、治安が良くないパリ北部(19区)で未成年を守るための部署に属している警察官(Police)の話。シリアスな話と思いきや、そこで描かれるのは警察官の日常コメディ。一度フランス(ヨーロッパ)に行った人なら目にしたことがあるかもしれませんが、フランスでは警察官も制服のままファーストフード店で一般客に混じって食事を取っていますし、「ちょっとふざけすぎてない?」と思ってしまうくらい真面目に仕事をしていない警察職員もいます。フランス、特にパリでは様々な国の文化が混合しており、「ルールはその場で作っていこう!」という気概、エネルギーがすごいです。エレガントでオシャレという側面もなくはないですが、フランスでは圧倒的にこちらが現実。撮影もドキュメンタリーチック(もキュメンタリ)でセンス抜群。この作品がその年のセザール賞でオスカーに輝いた『アーティスト』や、日本でも大ヒットした『最強のふたり』よりもノミネート数が多かったことからも国内では相当支持された作品でした。日本では残念ながらTV、DVDスルーでしたが。とにかく、ヌーヴェルヴァーグ と『アメリ』しかフランス映画を知らなかった過去を猛省するほど、自分の世界観を広げてくれたのがマイウェン大先生でした。

この映画のキャストは今や映画界の大スターばかりですが、セテラとの関わりで言えば、登場人物の一人(マイウェン)のイタリア人の夫として『あしたのパスタはアルデンテ』のリッカルド・スカマルチョが出ています!キャストのエマニュエル・ベルコはのちにアルバトロス・フィルムとの共同配給『太陽のめざめ』の監督でもあります。

『Polisse』の次回作『Mon Roi (My King)』にマイウェンが選んだテーマは恋愛。重々しい内容ながらも圧倒的なセンスで、今作も主演のエマニュエル・ベルコがカンヌで主演女優賞に輝きました。『ストーリーオブマイライフ/わたしの若草物語』で今をときめくルイ・ガレルも重要な役どころです。

最後に、マイウェンと言えば最新作『DNA』が今年のカンヌ映画祭のオフィシャルラインナップに選出されました!内容は明かされていませんが、きっと面白い作品であることは間違いないのがマイウェン。期待大です。

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