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2020年6月6日

2020年6月6日は忘れられない日になりました。未曽有のコロナ禍による外出自粛、緊急事態宣言で、3月末から映画館は休館になりました。 32年間の映画配給人生で初めてのことです。そしてその間のバーチャル会議、“Help the 映画配給会社”プロジェクトの立ち上げ、毎週のZOOM会議、私は広報担当で、ラジオ出演に電話やZOOM、メール取材をいくつもこなし、毎日夜中まで原稿書き、そして、とうとう映画館の待ちに待った再開・・・!

今年は3作品しか配給しないセテラの2作品がこのコロナ禍にばっちり重なってしまい、殆ど天を仰ぐ毎日でした。≪Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu ? ーなんで私たちがこんな目に?ー≫

これは『最高の花婿』のフランス語の原題です。せっかく1年かけて準備して宣伝してきた『最高の花婿 アンコール』が、公開間近になって、試写会やイベントが中止になり、不完全燃焼の公開になってしまいました。しかも、公開翌日からほとんど休館となり、やっと今日は、公開後初めての土、日の週末を迎えました。

一方、6月6日公開予定だった『お名前はアドルフ?』は、試写会、イベントもできず、宣伝も自粛しないといけない状況でした。劇場が休館中のために、チラシの配布もなし、ポスターも貼れない、予告編も見てもらえない、実際6月6日から公開できるのかの確定は、緊急事態宣言が解除されて、5月29日のことでした。
さて、公開まで1週間で、どうやって認知してもらうか、効果的な宣伝ができるか・・・。映画コーナーがなかったり、雑誌も休刊になっていたりと、至極困難な状況の中、あとは口コミが頼み・・・と言う状況で『お名前はアドルフ?』は初日を迎えました。

ここ数日また東京で感染者が増加して東京アラートが鳴りました。相変わらず外出自粛が叫ばれる毎日ですが、銀座はわりと人が出始めています。みんな気を付けて歩いている人が多く、デパートもそこそこ人がいました。でもやはり映画館に来る人は、よほどの映画ファンの人でないとすぐには行こうと思わないだろうな、と思います。映画ファンで、映画を1日に2本、3本梯子して見る人は映画館が開くと同時に行くようで、作家性が強く、監督にファンがついているような映画は、わりとお客さまが映画館に戻って来ているようです。

セテラの映画は、広い観客層に向けたエンターテインメントな映画で誰が見ても楽しめる映画なので、集客はこういうコロナ時期には、なかなか難しいかもしれません。そんな中でも、お客さんが、この週末それなりの人数の方が劇場に来てくださいました。何で知って来てくださったのか・・・見たいと思ってくださった一人一人にお礼を申し上げたいくらい嬉しかったです。さらに、Help the 映画配給会社 プロジェクトの仲間が、そして映画業界で働く人たちもこの週末に続々と見に来てくれました。(感涙)何という連帯感と援助意識でしょう!!感謝以外の何ものでもありません。みんなお互い、自分たちも同じ状況がわかるから、まず自分たちで映画館に戻ろう、としてくれているのだと思います。この場を借りてみなさんにお礼を申し上げたいです。

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そしてシネスイッチ銀座のスタッフの方がたのお仕事ぶりには頭が下がりました。
ずっと消毒液とタオルであちこち消毒してくださって、皆さんフル回転でした。本当に有難いです。

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6日には、銀座から恵比寿に移動して、恵比寿ガーデンシネマにも様子を見に行きました。こちらは銀座の映画館と違って、若い女性が多かったです。
コロナ禍のために、映画のプログラミングが変則になったり、増えたりで、合計5つの映画を2スクリーンで上映していて、スタッフの方がたはこちらもとても忙しそうでした。『最高の花婿 アンコール』のほうは、チケットを買うときに『最高の花嫁』と言っている人もちらほらですが、見てくださるならタイトルなんて何でも構いません!(笑)

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『最高の花婿 アンコール』は引き続き上映していますので、皆さんそろそろまた劇場へお出かけください。 映画館は、換気も、消毒も行き届いていますし、何よりも座席もスカスカですので、お喋りするわけではないですし、本来とても安全です。

偶然ですが、2作品ともコメディです。仏独それぞれの笑いで免疫力アップに効果大です。あなたはフランス派、ドイツ派? 劇場で確かめてみてください!

山中陽子

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