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暴れる川を見て

川が暴れている。
ひどい雨がここ数日ずっと続いている。
九州でたくさんの方がなくなられ、今朝はさらに全国にその被害が広がっているとニュースでもやっていた。
ここ木頭でも、川が暴れている。
茶色の水。濁流。豪流。
すべてを押し流してしまいそうだ。

この茶色は、何の色?
正解は、土。
土が雨水に流されて、川へ流れ込んでいる。普段なら底が透けて見える川なのに、濃い濃い茶色の泥水が、川幅いっぱいにまで膨れて、流れている。

土を触っている人なら知っていること。それは、土は一朝一夕にはできないということ。
いまでは土はホームセンターでお金を出して買うことができる。それを持ってきてプランターや畑に入れることも可能である。
しかし、その土も、どこかで時間をかけて作られてものである。
土は、たくさんの生き物たちの排せつ物や死骸が重なり合って、分解者たちが働いて混ぜこぜにしてできている。だから、時間がかかるのである。

その土が、これほどまでに、流れ込んでいる。
1cmの厚みの土ができるのに、100年はかかるという。
これだけ川の水を茶色く濁らせるには、いったい何年分の堆積した土が、流れ込んでいるのか。実は私たちは、大変な財産を今まさに無為に失っているのではなかろうか?
そして、その土が流されてしまった山には、何が残る?
石。岩。そして、むき出しになった根っこ。ひ弱な木々たち。
すみかを失った動物たち。そして、失いつつあることに気がつかず文明にあぐらをかき続ける私たち・・・

早急に、なんとかせねばと思う。
山を杉ヒノキから広葉樹に戻すこと。
今日植えた苗木は、30年たたねば大きな木にならない。そして、葉を落とし土を作りいのちをはぐくむようになるのもそれだけ時間がかかるのだ。
今すぐにでも、植えなければならない。
でも、今でも植えられるのは、杉の苗。
国からお金が出るのが、杉だからだ。

どこに問題があるのだろう。
そしてその問題にたいしてどのような行動がとれるのだろう。
本当に悩ましい。
でも、私は動く。

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