FEH7部覚書及び知識の整理、疑問
整理
・7部の時間は常に未来への一方通行であり、完全な円形ではない。
これはグルヴェイグが未来で時間を戻してクワシルになった際に、「時間を巻き戻す前に殺害したエクラのブレイザブリク」を時間を戻した後に持ち越してしまう現象が起きてしまっている為。仮にグルヴェイグの時間操作による円環が本当に円形で同一の時間を永遠に繰り返しているとしたら、すべての事象やものは円環の外から見た場合一つしか存在せず、グルヴェイグが時間を遡った場合巻き戻された時間の間に起きた事象は全て消滅するはず。だが実際にブレイザブリクが二つ存在してしまっている為、「時間が巻き戻る前のブレイザブリク」は時間が巻き戻った後の世界のものとは違うものである。したがって、グルヴェイグの行う時間を巻き戻す行為は、巻き戻した時間の履歴も含めてすべて未来に向かって行われている行為であり、巻き戻された時間の間に起きたことは完全になかったことにはなっておらず、何らかの履歴という形で理論上存在し続けている。したがって、今のエクラと時間が巻き戻される前のエクラは別人であり、同時に今のエクラの前(時間が巻き戻される前)には無数のエクラが存在しており、かつグルヴェイグに殺されている。
・エクラのブレイザブリクとセイズ(正確にはグルヴェイグの中にある)黄金の蛇は時間が巻き戻されるたびに力が強くなる。
これは上記の「未来への一方通行」と「持ち越し」の概念がある為。
黄金の蛇はこれをセイズが保持したまま未来に到達してしまうと、セイズはグルヴェイグになってしまうという呪いである。これまで、セイズがヘイズを殺すことにより呪いがセイズに移動し、これによってこの状態のまま未来に到達するとグルヴェイグになってしまう、と思われていた。
しかし、これはおそらく誤りで、セイズがヘイズを殺して呪いを受け取ることで、「元からセイズの中にあった呪い」を強めることになっている。というのも、黄金の蛇は円環を繰り返すことで無限の力を得ていると表現されている為。つまり、セイズの中に最初から呪いは存在しており、セイズがヘイズを殺して呪いを受け取って呪いを強め、その状態のまま未来に至ってグルヴェイグになり、そしてグルヴェイグはヘイズを生んで彼女を現在の時間に送り、自らは記憶を封じてクワシルになることで「時間を巻き戻す前」の呪いを保持しつつ、ヘイズを殺すたびに呪いが強まり、黄金の蛇は無限大の力を得ている。時間の果てにグルヴェイグが無限の力を手に入れるのではなく、グルヴェイグが保持し続けている呪い(黄金の蛇)が宿主(グルヴェイグ)の中で無限に強くなっている。つまりすべての元凶はグルヴェイグが悪いことしようとしているのではなくてグルヴェイグという器を使ってひたすら力を蓄えている黄金の蛇である。
クワシルは未来から時間を遡って過去に発生した時に、一緒に「時間が巻き戻される前のエクラが持っていたブレイザブリク」を持ってきてしまっている。そして、「時間が巻き戻される前」のエクラはブレイザブリクにネルトゥスの力を受け取っている。その為、クワシルが未来から過去に発生した時にブレイザブリクを持ち越しているということはネルトゥスの力も持ち越していることになる。そして、持ち越した後の次の時間の巻き戻しまでの間に再度ネルトゥスから力を受け取る為、時間の巻き戻しが一回されるたびにネルトゥスの力も一つずつ増えていく。これを無限に繰り返すことでブレイザブリクは黄金の蛇に匹敵する力を理論上は手に入れていることになる。
・セイズは最初から黄金の蛇を宿し続けている。
上記の通り、黄金の蛇は円環によって保持されているのみならず、円環を繰り返すことで強化されている。したがって、時間を巻き戻した後の時間において、強化前の黄金の蛇が必ず存在する。これはヘイズが蛇を宿して未来から現在に送られてくるという意味ではなく、未来から過去へ発生したクワシル(セイズ=グルヴェイグ)が「時間が巻き戻される前」から保持していた黄金の蛇を、時間が巻き戻された後に持ち越してきていることを意味する(ヘイズのみが蛇を持っているとすると、円環を繰り返してもヘイズが保持する黄金の蛇しか存在しないことになる為、強化される余地がない)。すなわち、セイズはヘイズを殺して黄金の蛇の呪いを継承してしまうからグルヴェイグになってしまうのではなく、彼女がセイズとして存在している限り(クワシルとして「時間が巻き戻される前の黄金の蛇」を持ち越している限り)必ずグルヴェイグになる。
・黄金の蛇は全ての時間に存在するものを滅ぼさない限り意味がない。
これはネルトゥスが指摘している通り。たとえ現在のセイズの黄金の蛇を殺したとしても、過去のクワシルと未来のグルヴェイグが蛇を保持している限り、時間が巻き戻されると次の「時間が巻き戻された後」に黄金の蛇が持ち越されてしまうため。
疑問
・現在のセイズの黄金の蛇を殺したのならば、今攻撃してきている「未来のグルヴェイグ」は何者なのか?
ネルトゥスが言うには「今のエクラ」が円環の中で唯一セイズの呪いを解くことが出来るのだという。おそらくこれは円環を重ねて強化され続けたブレイザブリクが今のセイズの中にある黄金の蛇を殺せるほどの力を持ったことを意味する。
しかし、グルヴェイグは未来のセイズであるというのが大前提であり、事実これまでに攻撃を繰り返してきている彼女は「遠い未来」にいると言われている(時々姿を見せるのは未来から現在にやって来ている為)。前述の通り7部の時間の流れは未来への一方通行であるから、敵であるグルヴェイグは今の時間より先の未来に存在しているはずである。
だが、今のセイズの黄金の蛇を殺し、グルヴェイグになる前提が崩れた以上、未来のグルヴェイグは黄金の蛇が死んだ時点で存在の条件を満たさず消滅するはずである。そして、これまでに再三未来から姿を見せている以上、未来にグルヴェイグが存在するのは事実である。そうであるならば、今のセイズの呪いを解いた以上、その時間より前の時点で「未来から」グルヴェイグが攻撃をしてくることはできないのでは?その「未来」に至る前の過程で黄金の蛇は死んでいるんだから。
仮に「未来の」グルヴェイグが存在するという結果だけがあるとすると、セイズが呪いを免れて円環から逸脱した場合、「未来の」グルヴェイグになるはずの存在がいなければならないことになる。今のこのエクラだけが円環の中で唯一セイズの黄金の蛇を殺すことが出来、これによって今のこのセイズだけが円環から外れた特別な存在だとしても、グルヴェイグが存在する以上は彼女になる何かが現在と未来の間に存在するはずである。クワシルが過去から未来に飛ぶ際に中間のセイズの姿を飛ばしてグルヴェイグになるのだろうか?
・全ての時間の黄金の蛇を殺さなければ事態は解決しないが、クワシルとグルヴェイグは呪いのみを滅ぼすことはできず、殺さなければならない。セイズに影響はないのか?
上記の疑問とも関連するが、セイズはクワシルであり、同時にグルヴェイグでもある。3人は過去と現在と未来の同一人物であり、またグルヴェイグは未来で過去に戻りクワシルへとなる。この同一人物はタイムパラドックスを起こしており、3人が互いにほかの2人の存在の前提条件となっている。3人のだれが欠けても存在できなくなる為、クワシルが死ねばセイズとグルヴェイグは存在できず、他の2人も同じである。
先述の通り7部の時間の流れは未来への一方通行であるが、巻き戻しによる時間の更新(次のループへの移動)の主体である為、この人物だけは巻き戻される前の時間の自己の存在が無ければ巻き戻し後の時間でも存在できないという特性がある。たとえば、エクラはたとえグルヴェイグに殺されたとしても、彼女が時間を巻き戻した後の時間、すなわち次のループ(円環の外の絶対的視点で観察した場合におけるある特定のループに対する未来のループ)においてはエクラは生きており、この生きているエクラと直前のループで殺されたエクラは厳密には別人である。したがって、前のループでエクラが死んでいても次のループのエクラの生存には影響が無く、逆も同様である。対して、セイズ=クワシル=グルヴェイグは時間を巻き戻して次のループへ移動する主体である為、前のループで仮に死亡した場合ループの移動が起こらなくなる。したがって、セイズらは前のループにおけるセイズらの生存が次のループにおけるセイズらの前提条件となっている。
ここで問題となるのが、円環を外れた今のセイズである。今のループのセイズのみが唯一円環から逃れた存在であることがほのめかされているが、しかしこのセイズの中の黄金の蛇を殺したのみでは事態は解決しない。ネルトゥスがいうには、それは過去のクワシルと未来のグルヴェイグが黄金の蛇を保持している為である。
しかし、セイズとクワシル、グルヴェイグは同一の存在であり、一人の存在が他の2人の存在の前提条件となっている。また、ネルトゥスがいうには、クワシルとグルヴェイグは今のセイズのように黄金の蛇のみを殺すことはできず、クワシルとグルヴェイグごと殺すしか手段がないという。したがって、クワシルとグルヴェイグを殺せばセイズは存在の前提条件が欠けることになる為、存在を維持できないのではないか? 仮に、円環から外れたことでクワシルとグルヴェイグの生存をセイズの存在の前提条件から外すことができるとしても、それでは残っている過去のクワシルと未来のグルヴェイグは何者なのか、今のセイズは何者なのかの説明が出来ない。
・黄金の蛇と円環の一部だけを殺し、あるいは一部だけを逸脱させることは理論上できるのか?
そもそも円環から特定の要素だけを抜き出して脱出させることは可能なのか? 先述のように、セイズはクワシルでありグルヴェイグであるから、互いの存在がほかの二人の存在の前提条件となっている。これと同じように、円環とは過去現在未来のすべてが互いの前提となることで因果関係が崩壊した状態を指す為、特定の一か所だけを抜き出して逸脱させることをすれば、他の箇所が同時に連鎖的に崩壊し同時に抜き出した一か所も前提が崩壊してしまうはずである。すなわち円環は一か所だけをオンオフにできる状態ではなく、全体としてあるかないかの二択でしか存在しないはずである。
これは黄金の蛇の指摘も同様で、たとえ現在のセイズの体に宿った蛇を殺せたとしても、過去のクワシルと未来のグルヴェイグが保持する蛇を殺さない限り事態が解決しない(黄金の蛇は死なない)ことを意味する。言い換えれば、特定の時間のセイズ=クワシル=グルヴェイグの黄金の蛇を殺しても意味がなく、すべての時間の黄金の蛇を同時に消滅させない限り、別の時間の黄金の蛇が生存するため意味がないのではないか? 突き詰めて言えば、エクラは永遠に黄金の蛇を殺し続けることになるのだが……
・なぜブレイザブリクは黄金の蛇を殺せたのか?
ネルトゥスは円環によってブレイザブリクに宿る力が蓄積し続け、黄金の蛇と同じく無限の力を得ていると推測している。しかし、黄金の蛇もまた同時に円環によって力を無限に蓄積し続ける為、両者の力が拮抗することはあっても、ブレイザブリクの力が黄金の蛇の力を上回ることは理論上ありえないのではないか?
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