見知らぬジャンルの美少女キャラクターにハマりたい(公営競技とスポーツチーム編)
(※2022/01 個人ブログ公開分に加筆修正)
令和も何年目かになったいま、「美少女(あるいは美少年)キャラクター」という言い回しを使うことに対して、正直、若干の引っ掛かりはあります。ただ、こうしたキャラクターの総称として適当な表現がないので、いったんこう呼ぶことを許してください。たぶん最も芯を食った言葉は「萌えキャラ」なんですけど、その言葉はいくらなんでも、いま使うには抵抗がありすぎるので。
はじめに
「HAKOMEN」をご存じでしょうか。彼らは中空土偶の力で現代に甦った、函館ゆかりの偉人アイドルグループ。デビュー曲「君とHAKO☆DATE」、ただいま絶賛配信中です。
榎本武明(青)の髭が付けひげなのは、彼を甦らせた中空土偶的にはそのほうが推せるから、ということらしい。男の髭ってそんな理由でつけ外しできるもんなんですか。
私がHAKOMENに出会ったのは、2022年のはじめのこと。彼らは山手線の車内ビジョンで、突然私の目の前に現れました。見知らぬイケメンが函館の観光スポットをあれこれと紹介しているけど、なにせ慌ただしい電車の中のこと、彼らが何者なのかは、その場で見ただけではよく分かりませんでした。
あとで調べてみることで「HAKOMEN」の存在をきちんと認識したのですが、これがもう、コンセプトといいキャラクターといい、めちゃくちゃにわたし好みのプロジェクトです。しかもこれが函館市オフィシャルなのだという。そんなもんどう考えたって超最高です。
しかし、HAKOMENがお披露目されたのは2021年の9月。私が山手線で見かけたときでさえ、デビューからもう半年近く経っていて、そして恥ずかしながら私は、その時まで全く知らなかった。車内広告でたまたま目にすることがなければ、きっとこれからも知ることはなかったはず。こんなにツボに刺さりまくる彼らを、知らないままでいたなんて大きな損失です。少なくとも私にとっては。
だからつまり、私がたまたま知らないだけで、知ったらめちゃめちゃに推せるキャラクターというのが、この世界にはもっともっといるはずなのです。接点のなさだけを理由に、彼ら/彼女らを知らないままでいるのはもったいない!
……そう思った私は最近、自分の生活から縁遠いジャンルのキャラクターを調べることに、ちょっとハマっていたりします。たまたま私が知ることがなかっただけで、ひょっとしたらとんでもなく刺さる人がいるかもしれないじゃないですか。
そして最近、別の機会で競輪・競艇・地方競馬……といった、公営競技のWebサイトをまとめて見る機会があったので、そこで見つけたキャラクター達をまとめてみました。そしてnote向けに再公開するにあたり、ジャンルとして近接している、様々なスポーツチームのキャラクターも合わせてチェックしてみました。うっかりあなたの好みを打ち抜いてしまう存在が、この中に紛れ込んでいますように。
定義としては、その競技場やチームが展開し、かつ特定の試合・レースなどで限定的に登場するものではない、「常勤」の「人間(に見えるもの)」を対象とします。ですので例えば、島根スサノオマジックのホームゲームに登場するミライ小町は、チームそのものではなく親会社に紐づく非常勤キャラなので対象外です。
また、「美少女/美少年キャラクター」という分類にはどうしても主観が絡みます。そのため、どこからがそういうキャラであるかを明文化するのが難しいですが、一応本稿における私の中の基準として「トヨタ車体クインシーズのクインちゃんは違う」としています。そのあたりからなんとなくご理解ください。
クインちゃん。企業チーム特有の「愛車が自社製品」という設定、私は好きです。
葵萌輪 (青森競輪)
サイクリングを趣味に持つ、青森競輪のイメージキャラクター。LINEスタンプの絵柄が異常にゆるい。青森競輪の公式SNSアカウントはほとんどが彼女の名義で取られていて、場内の印刷物などにも頻繁に登場しています。
デビューは2012年で、本稿で触れるキャラクターの中でもかなりの古株。公募で決まった「萌輪」という名前やキャラクター造形にも、どことなくその頃の“萌えキャラ観”とでも言うべきものが投影されているような気がします。
あとなんの説明もなく、色違いの「ちびもりんちゃん」がめちゃめちゃいます。マリオカートで見たことある光景。
実際のところ、こうした美少女/美少年キャラクターが、その競技場のメインのマスコットキャラになることは多くありません。従来からいる、いわゆるゆるキャラ的なマスコットをメインとしたうえで、別の役割を持ったサブキャラクターとして、彼女ら/彼らが配置されることのほうが、どちらかといえば多いように思われます。青森競輪にも実際、善治鳥(うとう)をモチーフにした「うとう君」というマスコットキャラが、以前から存在していました。
しかし現在、少なくとも公式サイトにおいて、うとう君の姿を見かけることはできません。そしてその代わりに、場内印刷物からYouTubeのサムネから送迎バスから、あらゆるところに葵萌輪が描かれています。後述する静波まつりと並んで、完全にその競技場のメインキャラクターの座を射止めているのです。読み進めていただくとわかるのですが、ここまでこっち推しに傾いてるのって、実はけっこう珍しいです。
なお、うとう君は関西弁でTwitterをやっているのを見かけました。なんで?
ちなみに現在のキービジュアルっぽい立ち絵は2代目で、初出はおそらく2017年の、みちのく記念競輪のこのポスター。
そして初期と思われるイラストが、現在も送迎バスや一部のグッズなどで引き続き使われているようです。これはこれで良さがある。
「萌えてみる?」という言葉の時代性、すごい。
らいりん (宇都宮競輪)
宇都宮競輪は、雷の多い栃木県にちなんだ「雷神BANK」という異名を持っています。このバンクの守り神である雷神に弟子入りしたのが、宇都宮競輪のマスコットキャラクター・らいりん。2020年に市内の専門学校生がデザインしたもので、名前は公募で決定しています。
以前から存在するマスコット「みやかめファミリー」とともに、宇都宮競輪のシンボル的な存在ではあるのですが、らいりん本人の活動は実のところ、ほとんどないといって差し支えないほどです。それこそとちぎテレビで連載しているWebコミックに、一度ゲストで登場したきりじゃないでしょうか。やはり神というのは、そう簡単には姿を見せてくれないものらしい。
かといって、せっかくの(未来の)雷神様をただ寝かせているのかといえば、決してそんなことはなくて。本人が顕現しない代わりに、宇都宮競輪では2021年から「らいりんガール」と呼ばれる7名の公式コスプレイヤーたちが、積極的な活動を展開しています。
らいりんガールは神様(候補)であるらいりんの「使い」として、様々な活動を行っている。それは例えば中継番組への出演であったり、場内でのフラッグガールとしての登場であったり。
モーニング競輪について伝えるとちぎテレビの動画。
実際のところ、こうした活動って、イラストのままでは結構難しかったりします。17LIVEでの配信イベントなども、実在人物と紐付いたからこその展開といえます。
現場でなかなか目にしない他のキャラクターに比べて、目につきやすい活動が目立つことから、実は来場者にとって一番馴染みのあるキャラクターになっているのかもしれません。そしてそれは「宇都宮競輪を広める」という、らいりんの目的ともぴったり合致しています。
らいりんガールの現地活動は、宇都宮競輪のInstagramにまとまっています。これもまた、イラストとは別の文脈で、違った客層を引き込む取り組みです。
まえばしめぐみ (前橋競輪)
前橋競輪場、こと、日本トーターグリーンドーム前橋の受付コンシェルジュ。受付という職種柄もあってか、活発ないで立ちのキャラクターが多いこの分野の中では、かなり落ち着いた出で立ち。ガールズケイリンのユニフォームを着たバージョンもあったりするので、ガチガチのインドア派というわけではないようですが。
Twitterの運用を任されていて、ときおりレース告知以外の個人的なつぶやきもしていたりします。
前橋競輪の初心者向けガイドブック(ヘッダー画像のものです)では表紙に大きくフィーチャーされているほか、公式サイトもけっこうな彼女推し。グッズもほぼ彼女一色で、この新人コンシェルジュに大きな期待が寄せられていることが分かります。従来マスコットのチャメット君ももっと頑張れ。
配信活動を主としないキャラクターの中では珍しく、CVが設定されています。競輪情報サイト「けいりんマルシェ」の公式アンバサダー「けいマルガールズ」の一員として、2022年まで活動していたメンバーの一人・田村響華さんを声に迎えています。2021年のVTuber競輪プロジェクトでは、餅月ひまりのサポート役として登場したほか、2023年のグリーンドーム前橋のPVでも続投しています。
そして、まえばしめぐみを語るうえで(私の中でだけ)欠かせないのが、そのデビューの瞬間のこと。前橋競輪の公式Twitterアカウントでお披露目された彼女は、さっそくTwitterの運用を任されることになりました。しかし就任直後にTwitterアカウントの誕生年の設定をミスり、配属早々に職場のSNSアカウントを永久凍結させるという、特大級のやらかしをやってのけたのです。事前に配布された印刷物に新しいアカウントの告知まで済ませていたのに、そのアカウントが運用開始日に不慮の死を遂げる事態に。
結局、凍結されたアカウントが復活することはなく、前橋競輪のアカウントそのものが、別アカウントでの再開を余儀なくされてしまいました。そしてこれが4月1日の出来事だったせいで、自分自身の存在も四月馬鹿を疑われる羽目に。
Instagramでもこの言われよう。
おそらく始末書の一枚も書いて懲りたのでしょう、現在は真面目にSNSを頑張っています。入社早々にここまでやらかす同僚がいたら、私なら傑物としてしばらくネタにします。
静波まつり (ボートレース多摩川)
本稿で取り上げるキャラクターの中で、おそらく最も高い人気と知名度を得ているのが、ボートレース多摩川の専属アイドルレーサー、静波まつりです。デビューは2013年で、葵萌輪に次いで古株にあたります。
2014年からコミケに企業ブースを出展し、2015年には早くもCVがつくなど、かなり早い時期から静波まつりを全面に押し出した、王道のキャラクター展開を邁進。グッズやLINEスタンプ展開にも非常に積極的で、レナ(ex.バニラビーンズ)さんと並ぶ「多摩川のおんな」の地位を確立しています。
イベントでのコスプレの縁で、2018年からはえなこさんがボートレース多摩川のアンバサダーに就任しており、場内のイベントにも時折登場していることから、そちらから入った人も少なくないのではないでしょうか。
そして2020年には、ついにVTuberとしてもデビュー。デビュー当初から掲げていた「アニメ化される」という目標に、また一歩近づきました。
そんなザ・王道アイドルの静波まつりには、大きな問題がひとつあります。
それがF、つまりフライングに対する、異様なまでの厳しさ。
ボートレースはスタートラインの手前から助走をはじめ、決められたタイミングからわずか1秒の間にスタートラインを通過しないと反則になります。このうち先にスタートラインを通過してしまうのがフライングなのですが、なぜかこのフライングに対して異常に厳しい。普段のツイートではさんざんハートマークを散らしまくっているのに、誰かがFした瞬間に口汚く罵る観覧席のおっさんと化す様は、多摩川SNSの様式美と化しています。そんなもん様式美にするな。
↓ 普段の発言 ↓
↓ Fした時の発言 ↓
Fしたボートが絡んだ舟券はすべて払い戻しとなるため、ボートレース場の運営に大きな打撃となります。なので実際のところ、Fが許せないというのは、偽らざる会場側の本音でもあります。だからといって、自分自身もアイドルレーサーなのに、同職に対してこんなにあたりが強くて大丈夫なのでしょうか。
とにかく、そんなギャップもあって「またFかよ」はグッズやLINEスタンプにも使われている、彼女を代表する発言となっています。Fしたレーサーに自分のコスプレをさせたりもしているので、同僚との関係もそこまで悪いわけではないはずです。たぶん。
……とここまで書いたところで、改めて本稿のためにボートレース多摩川の過去の発言をチェックしたところ、大変なことに気づいてしまいました。
なんと、Fにキレているのは去年の1月が最後でした。ここ1年半くらいはまるでアイドルのように、純粋にハートマークをばらまく存在になっていたのです。いやまあ、言ってもあのサイトのことなので、検索機能のほうが終わってしまった可能性も当然あるのですが、いったい何があったんでしょうか。
さらなる人気を狙っていくにあたって、定期的におっさんになるのはよくないと気付いてしまったのかもしれません。9年間気付かなかったのに、今になって急に?
蹴球夢 (FC岐阜)
2019年にデビューした、Jリーグクラブでは、そしておそらくスポーツ界でも初の、クラブ公式のVTuber。岐阜はJリーグの中でもアニメコラボ等にかなり積極的なクラブで、出てくるとすればここだっただろう感が少しあります。体重はサッカーボール100個分。ちなみにですがサッカーボールは1個あたり約430gです(5号球)。
制作は名古屋造形大学。3Dを含めてキャラクターデザインを手がけた方は、卒業後も引き続き、立ち絵や衣装デザイン等に関わっているようです。
ことVTuberといえば、矢継ぎ早に配信を行って、ファンとの接点を増やしていくスタイルが比較的一般的ではあるように思うのですが、蹴球夢はあくまでチームの応援・広報を目的としていることからか、活動頻度はVの中でもけっこう低め。試合やグッズなどの告知がメインになっています。
デルピエロが岐阜に来場した試合(!?)の告知。
そんな試合告知などの活動に交じって、選手やスポンサーを招いたラジオ配信が入っていたりするのが、なんというかプロスポーツチームならではです。
そしてもう一つ、いかにもプロスポーツチームなのが、蹴球夢自身に独自のスポンサーがついている、ということ。
チームマスコットが着用するユニフォームに、選手とは別に独自のスポンサーロゴが入っている、というのは結構あって、FC岐阜のマスコット ギッフィーにも、独自のユニフォームスポンサーがついています。
それはもちろん、スポンサーが付くほどの価値を地元にも認められている、ということではあるのですが、もっと身も蓋もないことを言ってしまえば、蹴球夢の分だけ、FC岐阜の広告枠は他のチームよりも多いということになるわけです。経営にも貢献するチーム関係者の鑑です。
ところでFC岐阜といえば、SKE48との関係が深いチームです。2017年に、プライベートでゴール裏にも足を運んでいた、当時メンバーの町音葉さんがアンバサダーに就任したことを皮切りに関係を深めていき、蹴球夢のデビューと同じ2019年に、FC岐阜応援隊が結成され、そこから現在に至るまで頻繁にメンバーが長良川のスタジアムを訪れています。
そんなつながりもあってか、蹴球夢もSKE推し。中でも都築里佳さんが好きとのことで「推しとか関係なく一番好きなのも都築里佳ちゃんなんだけど」とまで公言する、強火のぴよす担でした。
ちなみに、ぴよすがSKEを卒業してからは、中坂美祐さんに推し変したようです。
そうなんだ。
泗水美海 (四日市競輪)
四日市競輪の公認VTuber。キャラクター展開の一環としてVTuber活動が選ばれたわけではなく、最初からVTuberであることを前提に生まれたキャラクターという意味では、静波まつりよりも蹴球夢に近いでしょうか。
もともとは2018年の全日本選抜競輪のポスターに描かれていた、名もなき女子だったのですが、新規顧客の獲得を目指し、翌2019年からVTuberとしての活動を開始しました。現在は四日市競輪のYouTubeチャンネル内で、試合告知やレース中継・予想配信などを定期的に公開しています。
56歳で優勝って普通にすごくないですか。
彼女に限ったことではありませんが、特に地方に拠点を置くキャラクターたちは、競技場のキャラクターであるとともに、地域を背負ったご当地キャラクターとしての側面も、大なり小なり有することになります。まして、こうした公営競技の多くは主催が地方自治体なので、間接的に自治体が公認するキャラクターということにもなります。とくにネット投票の普及によって、場外発売所よりも多くのレース場に目が行くようになった今、フックのひとつとしての彼女たちの存在感は、これまでよりも大きくなっているように思います。
そういうわけもあってか、泗水美海は四日市競輪に関連するもの以外に、四日市市や三重県のプロモーションにも取り組んでいます。歌ってみた動画を公開したりもしているのですが、そこで歌っているのがみえ国体のテーマソングというあたりが、なんというか最高にご当地キャラクターです。
グッズもぱらぱらと登場し始めているようです。
アグレッシブに活動しているキャラクターが多い中では比較的落ち着いた活動頻度といった感じの彼女ですが、今後Vの者として配信で暴れるなどのはっちゃけぶりを見せたりしたら、それはそれで心配になりそう。
余談
ところで、ここまで登場したキャラクターたちの中で、同じ絵柄のイラストが頻出していることにお気づきでしょうか。実は
葵萌輪の現行立ち絵
まえばしめぐみのキャラクターデザイン
静波まつりの「またFかよ」をはじめとしたグッズイラスト
泗水美海のトップページイラスト
は、すべてイラストレーターのかつまれいさんが手掛けています。公式の展開がイラスト頼りになりがちなジャンルにおいて、継続してコミットできる方の存在の大きさを感じます。
リーナ (FC大阪)
大阪府3番目のJリーグチームとして、ラグビーの聖地・花園をホームに戦うFC大阪のオフィシャルキャラクター。それまでのコイ坊と入れ替わる形で、2019年にデビュー。
キャラクターデザインはアニメーションスタジオのアスラフィルムによるもの。Jリーグにはアニメ関係のクリエイターから生まれたキャラというのが結構いて、現行のものに限っても強小戦士ガイナマン・ライオー・福嶋火之助などが存在しています。時系列は前後しますが、その系譜の上にあるキャラということになるでしょうか。
常にハリセンを持ち歩いてるってなに? と思ったのだけど、バスケ方面には会場でハリセンを鳴らしまくる人たちもいるので、スポーツ観戦では意外と普通のことかもしれない。
さて、デビュー時こそ話題を呼んだリーナとガーディアン・ティグルだったのですが、その告知以降、彼女たちに対するニュースを耳にすることはほぼありませんでした。
スタジアムの現場では何か動きがあったのかもしれませんが、SNSで目に入る形では、それらを見つけることができませんでした。ふたりともマスコットとしては相対的に「動かしにくい」キャラクターであったがゆえに、活躍の機会を設けることが困難な面があったのかもしれません。
それに気づいたか気づかなかったか、FC大阪は2020年にクラブマスコットキャラクター「えふしくん」を誕生させます。リーナとティグルの登場から、わずか1年後の出来事です。
いかにもマスコットキャラ然とした佇まいのえふしくんは、早々に立体化されたうえでスタジアムにも登場し、いわゆる従来的なマスコットキャラとしての立ち位置を確立しました。そして、現在ではキャラクターとしての小回りが利くえふしくんに、クラブの象徴としてのポジションを取って代わられ、リーナとティグルは開店休業に近い状態になっています。
しかし、このままリーナとティグルがひっそりと消えていくのかといえば、どうやらそうでもないようで。えふしくんのデビューの際に、この一人と一頭はキャラクターとして併存することが明記されていました。よくある交代や引退ではなく、共存を明言するのはわりと珍しいケースではないでしょうか。
なので、まだチームは彼女たちを諦めていないのでしょう。何の理由もなくキャラクターとして残留させることはないと思うので、これから次の展開が待っているのかもしれません。いわゆるマスコットとしての役割をえふしくんに担わせつつ、リーナは大復活の時を伺っているはずです。たぶん。
あと、えふしくんのよくわからない動画が見つかったので共有しておきます。
なんですか、これは。
真夜りん (高知競輪)
高知競輪の真夜りんは、夜9時以降に開催されるミッドナイト競輪のキャラクター。2016年に登場し、名前は公募で決められました。
ミッドナイト競輪の中継配信の中で、その姿を見ることができます。
そして場内のキッズスペースには、高知競輪全体のマスコット・イルカのクーリンと並んで真夜りんの塗り絵もあるようで、多くの子供たちの目にも触れています。
しかし、真夜りんとして私が見つけることのできた露出は、これがほぼ全て。本人としてのオフィシャルな発信はほぼゼロですん。高知競輪全体のマスコット的な立ち位置にはクーリンがいることもあって、真夜りんはあくまでもミッドナイト競輪のアイコン的な存在に徹しています。結果として、ここで挙げたほかのキャラクターに比べれば、かなりひっそりとした立場にあるように見えます。
ただそもそも、こうして生まれたキャラクターに、(見かけ上)自律的な発信活動をさせるのが良いことなのか、という視点はあると思うのです。鳥栖のゆるキャラが炎上したのは極端な例ですが、マスコットキャラクター自身を「立てる」ような展開が、果たして本当に本丸の施設やチームに資することなのか。それは本当にリソースを費やしてまで行う価値があることなのか。
ほかのキャラの展開を見た後では、もう少しアクティブに稼働しているところを見てみたい気持ちもありますが、今こうして高知のミッドナイト競輪を象徴する存在として機能しているのであれば、それはキャラクターとしての正しいあり方のはずです。
そもそも、半年前まではミッドナイト競輪の中継サムネイルが これ↓ だったことを思えば、サムネに進出しただけでも大出世ではあるのです。間違いなく。
さがのうまこ (佐賀競馬)
佐賀競馬の移転開設50周年を記念して登場した、ジョッキー兼地下アイドル(?)。従来からのマスコット、パッカルくんとはSNSを通じて友達になった仲とのこと。ここで触れているキャラクターは、既存マスコットとの関係が特に設定されていないことがほとんどなので、世界観を共有したうえで、そこが明示されているのはあまり見かけません。ていうかパッカルくんSNSやってんの?
そして妙に人を食ったようなプロフィール。「ドSってよく言われます♡」じゃねーよ、なのだけど、友達である馬に対して躊躇なく鞭打てるような人なのだから、それはドSで間違いない。
ネット上ではレースやYouTubeチャンネルの告知CMで、彼女の姿を見ることができます。CVは小清水亜美さん。
さて、リーナの項でも述べた通り、こうしたキャラクターたちには現場で稼働するのが難しいという、構造上のネックがあります。さらに知名度を得ていこうと思った時に、来場者に向けたアピールは必須となりますが、どういった形で来場者にお披露目するのか。コスプレイヤーを呼ぶのか、等身大パネルでも置くのか。
さがのうまこの出した答えは、
着 ぐ る み
正面突破でした。これだけ多彩なキャラがいる中でも、意外となかったソリューションです。
しかしこれによって、さがのうまこはパッカルくんと同格に「動ける」存在になりました。現場に足を運べるようになった彼女は、ここで挙げているキャラの中では希少な、グリーティングにも積極的に応じるキャラとして、他とは違った形で人気を得ているようです。
そしてよくしゃべる。この状態で話してるとヒーローショーに見えてくる。
ところで、現在の佐賀競馬の公式サイトの中には、さがのうまこについて説明されているページがどこにもありません。そもそもと、移転開設50周年の記念サイトにしか彼女の情報は書かれておらず、かつ50周年記念事業の終了とともにサイトが閉鎖されてしまったので、直接見ることができなくなってしまっている。
現役のキャラの情報をInternet Archiveから参照しないといけないのはさすがに悲しいので、そこは早くなんとかしてください。
なお余談ですが、さがのうまこの3D衣装(?)は、スーパー戦隊シリーズの戦隊衣装などを一手に手掛けるスタジオが制作したらしいです。やっぱりさっきのがヒーローショーに見えたのは錯覚じゃなかった。
九十九島凪海 (佐世保競輪)
競輪のことは全然知らない、佐世保競輪神社の巫女。髪飾りにあしらわれている佐世保独楽と佐世保市の花・カノコユリは、実はこのジャンルでは意外と珍しいご当地要素です。
調べていて強く感じるのは、運営……というか佐世保競輪のチームが、とにかく彼女を好きすぎるということ。
もちろん嫌々展開されているイメージキャラクターなどいない……と思いたいですが、九十九島凪海に関しては、彼女の存在を盛り上げていこう、という運営側の鼻息の荒さ、テンションの高さを隠す気がちっともありません。彼女を地元に根付かせるのだ、そして地元も盛り上げていくのだという強い意志を感じます。
佐世保市内の気になるスポットを取材する「いいナミきてる?」は、地方を拠点にする他のキャラクターにはない取り組みです。
そしてさらに驚かされるのが、圧倒的なイラストのバリエーション。キャラクターとしてのイメージを強めるために固定衣装のキャラクターも多い中、九十九島凪海は三川内焼・佐世保JAZZ・九十九島遊覧船・自衛隊……といった、佐世保の名産や文化をモチーフにした多彩な衣装差分を着こなしています。
まとめページのテンションがどうかしていて最高です。ついに見せた! ついに揃った!! もうナミちゃんなしでは生きていけない!
さらにこれだけでは終わらない。次なる展開として生まれたのが、新キャラクター二人を加えたアイドルグループ「九十九島三姫(くじゅうくしま みき)」。凪海に加えて、来日した佐世保の魅力にハマった留学生の九十九島ナジョ、自転車とチョコだけを愛してる九十九島輪の二人を加えた、親戚3人組のグループです。
現在は3人が主人公の日常系コミック「いろんころん」の連載や、転生パラレルシリーズ(!?)と称して、別イラストレーターを起用しての壁紙配布企画など、3人のキャラクターを前面に押し出した、三姫としての活動がメインになってきています。
そしてついには、佐世保競輪中継のオープニングムービーとして3人がアニメ化。静波まつりが10年前から掲げている「アニメ化される」という目標を、新参者がさらりと達成してしまいました。
Twitterアカウントからはスタッフからの発信も盛んで、初出しのイラストも高い頻度で公開されています。中の人たちがキャラクター展開が楽しくてしょうがないんだろうなというのが、否応なしに伝わってきます。ギャグだと思っていた「もうナミちゃんなしでは生きていけない!」が大マジの可能性すらあって、なんならちょっと怖い。
霧島レイ (フラーゴラッド鹿児島)
バレーボール・Vリーグ男子に今シーズンから参入する、フラーゴラッド鹿児島。ここのチームマスコット・霧島レイには、明らかに他と違う特徴が2つあります。
ひとつは、スポンサーの自社キャラクターが、そのままチームマスコットを兼任していること。他で実績あるキャラクターの完全な兼任は、私の知る限りでは初めてです。完全移籍というもっと珍しい例はあるのがややこしいのですが。
霧島レイはもともとは、ドライブレコーダー・カーナビ大手のユピテルが手掛けたオリジナルアニメキャラクター。2011年に誕生し、レーダー探知機やポータブルナビなどで彼女が登場するモデルを多くリリースしてきました。痛車やグッズ展開にも積極的で、界隈ではかなり高い人気を博しています。
さらに2021年には、霧島レイの成功を受けたユピテルが、コンテンツ事業の拡大を宣言。新キャラクターの富士サクラと葵茶々を迎えたユニット「羽衣6」が結成され、グッズやボイスコミック、さらにはメタバースなど、多彩な展開を見せています。
霧島レイの「霧島」は、ユピテル鹿児島技術センターの位置する鹿児島県霧島市が由来で、ここは霧島レイファンの聖地となっています。
ですのでフラーゴラッド鹿児島から見れば、ついに誕生した鹿児島発の著名人の招聘。霧島レイから見れば、ふるさと鹿児島のチームへの満を持しての凱旋就任、という図式になるわけです。
そしてもう一つはユニフォーム。これがすごい。
ユニフォームにでかでかと鎮座する霧島レイ。冗談でも何でもなく、これが公式戦で着用するユニフォームなのです。
クラブマスコットをフィーチャーしたユニフォームと言えば、ジェフユナイテッド千葉でマスコットのジェフィを全面にあしらったものがありましたが、あれはあくまでエキシビジョンマッチの限定ユニ。公式戦で使用され、しかも限定ではなく通年で使うユニフォームでは、ここまでマスコット推しのものなど見たことがありません。
公式戦ユニフォームのインパクトで、卓球 Tリーグ・日本ペイントマレッツの7色ユニフォームを超えるものなどそうそう現れないと思っていたのですが、あっさりと上を行かれてしまいました。
一節限定、あるいは数試合でのこうしたコラボというレベルであればは、昨今は様々なチームが展開しています。しかしこの、数試合のコラボでは終わらない通年でのリレーションには、チームとスポンサーという言葉では収まらない、両者の関係の強固さが垣間見えます。あるいはフラゴラの全ベットぶりが。
これから霧島レイや羽衣6をきっかけに、バレーボールに傾倒する人も現れるのかもしれません。様々なスポーツリーグがプロ化やエンタメ強化に向かう中で、チーム間でのサポーターの獲り合いは必然に激化していきます。そんな中で、全国区の有名人を外部招聘するという荒業に出たフラーゴラッド鹿児島がどこに向かうのか、今後の動向にも要注目です。
ちなみに、Vリーグ参入以前のマスコットとして、ピューマの「ゴラッドン」がいたのですが、霧島レイと入れ替わりにサイレント隠居していたみたいです。かわいそう。
ここから追記。初稿公開以降に確認したキャラを載せていきます。
千夜輪子 (サテライト鹿児島)
公営競技には場外売場というものがあって、競技場から離れた地域のファンのために、投票券の売場や大画面での中継装置を設けたものが、全国に点在しています。
そのうち、鹿児島県鹿児島市にあるサテライト鹿児島のイメージキャラクターとして、2022年6月に活動を開始したのが、が~るず競輪の選手・千夜輪子。X(旧Twitter)に独自アカウントを持ち、サテライトでのイベントや、鹿児島の競輪に関わるさまざまな情報を展開しています。売り場が併設されているオートレースも守備範囲の模様。
そして、こういうキャラクターの活動としてちょっと意外だったのが、 #りんこの競輪予想 タグで、自身もレースの予想を展開していること。別に禁止されているわけではないと思うのですが、競技場直属のキャラクターが堂々とレースの予想をするのは、なんかちょっと……という感覚が、正直ちょっとあります。なので、本場から距離感のあるキャラクターであるからこそ、できる芸当なのかなとちょっと思ったり。
自身で描いたというイラストも公開したりしていて、けっこう秘めたポテンシャルが高そうな印象。現状はX(旧Twitter)での活動にとどまっていますが、ここからほかのSNSなどに進出することがあれば、さらに人気が出ていったりするんじゃないかなーと思っています。
ちなみに、サテライト鹿児島には千夜輪子とは別に「サテライトマン」というキャラクターがいて、公式SNSの運営はこちらが行っています。こっちはこっちで気になりすぎるビジュアル。
あと余談ついでに場外売場関係ですと、サテライト姫路の的中リンが、マジの競輪選手の脚! というリアリティがあって良いです。これを書く過程で競輪の映像とか画像とかいろいろ見たんですけど、ほんとに“こう”だったりするので。
フィニティ (Valuence INFINITIES)
世界初のプロダンスリーグ「D.LEAGUE」に、創設3年目の2022年から参戦しているValuence INFINITIES。ここのチーム公式バーチャルキャラクターとして、2023年8月末にお披露目されたのが、ダンサーVTuberのフィニティ。チームやダンスの魅力
を発信するために、TikTokを主に活動しています。
デビュー前の段階で「30日後にVTuberデビューするプロダンサー」として予告動画が何本か公開されているので、魂についてはそういうことです。彼女の場合は、骨とか筋肉とか言ったほうが正しい気もしますが。
プロダンサーはLive2Dに頼らない。
いわゆるTikTok的なダンスとは一線を画した、プロダンサーであることを存分に生かした動画が次々とアップされています。かなりクールな見た目なのに喋りはほんわか、それでいてダンスは冗談みたいにキレキレ、というギャップがアツい。
できるかい。
そしてSNSでの立ち居振る舞いなどは、完全にVTuberです。いや、いったん本当にそう書いたのですが、そもそもVTuberなのだから当たり前のことでした。ほらその、ここまであまりにも当たり前じゃないキャラのことばかり書いてきたから、つい。
ダンサーとしての得意ジャンルは、HIPHOPとBreakin'。これはValuence INFINITIESメンバーの守備範囲とも合致するのですが、同じジャンルを踊っているはずなのに、チーム本隊とはどことなく空気が違って見えるから不思議です。もう少し理解が進んだら、もっと重なって見えてくるのでしょうか。
リアルなほうのパフォーマンス。
Dリーグが他のリーグと大きく異なるのは、他のチームスポーツには当たり前に存在する「ホーム」の概念がないこと。麻雀のMリーグもそうですが、言わばすべての試合が中立地開催。従来のリーグ戦ではあり得なかった、動画配信時代ならではの形式とも言えます。
なので、他競技のキャラが当然のように向き合うことになる、根を張るべき「地域」「現場」が存在しません。もちろん試合会場としての現場は存在しますが、それは特定のチームに紐づくものではありません。現場でのコミュニケーションに精を出す必要がないなら、3次元の実体がないVTuber一本槍でいいじゃん、というのは、理屈の上ではその通りであって。
そしてプロダンスチームともなれば、そのキャラクターに求められる「踊れる」のレベルは、よその着ぐるみで実現可能なダンスとは桁が2つ違います。それを正しく表現するキャラクターのあり方として、フルトラなVTuberは非常に理に適っているように思うのです。
まだデビューして2ヶ月も経っていない超新人ですが、この新人はプロダンサーというかなり珍しい武器を携えています。今後の展開次第でバズることがあったら、彼女そのものがDリーグに、多くの人を呼び込む起爆材になっているかもしれません。古参面するなら今です。
ダンス以外もします。
追記ここまで。
まとめ
なげえわ(率直なご意見)
冒頭にも書いた通り、これは2022年1月に公営競技に絞って書いたテキストの加筆修正版なのですが、加筆元では7か所のキャラクターを取り上げていました。
そのうえで、今回は調査対象をスポーツチーム全体に広げたので、相当な数のキャラについて追加で書くことを覚悟していたのですが、終わってみれば、公営競技以外のキャラは、わずか4人しか見つけられませんでした。日本トップリーグ連携機構をはじめ、NPB・IPBL・なでしこ・JCL・S/JにT、3x3はPREMIERとUNITEDとS、果てはDやMまで総当たりでチェックしてみたものの、私が見つけられたのはこれだけ。もちろん見落としがあるかもしれないので、あったらご指摘いただきたいのですが。ですから「自分から遠そうだ」という理由でなんとなく最初に手を付けた公営競技界が、このジャンルにおいては相当に進んでいた……ということになります。
そこに言語化できるほどの理由があるのかどうかは、正直よくわかりません。ただもっともらしくこじつけるなら、車・馬・舟券の売上に占めるネット投票の割合がどんどん上がっている中で、これまでとは違う客層を意識する必要が生じていて、それに対するアンサーとして彼女たちが生み出された、という側面はあるのかもしれません。私個人としては、そんな分析など一切なしに、担当者の情熱と癖の生搾りだけで生まれたキャラたちであってほしいと思っていますが。そのほうが面白いから。
調べていてとにかく感じたのは、今回紹介したキャラクターの中だけでも際立つ、キャラクター展開の多種多様さです。
オタクジャンル的キャラクターの王道を目指す静波まつり、コスプレイヤーを起用した現実の活動に振り切ったらいりん、コミックで人物像に厚みを持たせていく九十九島凪海、既存マスコットとの現場での共存を選んださがのうまこ、実績あるキャラクターとして未来を託された霧島レイ、などなど。同じジャンルに端を発するキャラクターたちでありながら、その方向性は全くと言っていいほど一致していません。
「萌えおこし」という言葉も死語になり、いわゆるご当地萌えキャラのブームもかなり一段落したいま、彼女たちを競技場への、そして地域への呼び水とするために、さまざまに知恵を絞っていることがよく分かります。軽い気持ちで調べ始めたことだったのに、n者n様の展開がこれからどこに向かっていくのか、本当に楽しみになりました。
そして結局、この中の誰かが私に刺さったのか、という話ですが。もちろん、あれこれ調べていく中でみんな気にはなったのですが、その中でも特に、まあヘッダーの時点でネタバレ済なんですが、前橋競輪のまえばしめぐみさんに見事にドハマりしてしまいました。私が群馬出身だから地元枠として推しているとか、そういうことでも一切なく、完全に一目惚れです。もうあれです、めちゃくちゃにタイプです。とんでもないです。
LINEスタンプはさっそく私のコミュニケーションの一軍になりましたし、グッズのぬいぐるみも秒で我が家にやってきました。
そもそもが「新しく誰かにハマってみたい」と思って調べ始めたことなので、その結果、本当にハマる人が現れること自体は、別に驚くことではありません。でもまさか、ここまで私にとってどストライクな推しに出会ってしまうのは、予想外としか言いようがありません。本当に推しが増えてしまいました。なんなら「余談」で書いた通り、好きなイラストレーターの方も一人増えてしまいました。
こんど帰省した日には、現地にしかないグッズを求めて、前橋まで足を伸ばしてしまうかもしれません。競輪なんてやったことない私が、ひょっとしたら車券を買い漁る未来だってあり得てしまうかもしれません。一時の思い付きで、私の人生は大きく変わってしまったかもしれません。
なお、注意として。本稿で紹介したキャラクターは、霧島レイを除いてキャラクターに対するファンコミュニティが脆弱だったり、そもそも存在しなかったりします。なので、公式を一通り巡るとすぐに供給が終わってしまう、という共通の弱点があります。二次創作の絶えない覇権ジャンルを渡り歩いてきた方は、猛烈な渇水に注意ください。
私は週2回Twitterのテキスト更新があるだけのジャンルをサバイブしてきたので、このくらいではなんともないです。通っててよかったマイナージャンル。