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資産5000万円を超えると起こること

今回は資産5000万円を超えると身の回りで起きることについてお話します。

みなさんの中には、1億円を貯めてリタイアするとか、億り人になったという話を耳にすることもあるかもしれませんが、正直1億円って途方もない金額ですし、宝くじで一発当てるとか、リスクを取って起業するみたいな可能性の低いことで運が良くないと達成できないと感じますよね。
しかし、資産5000万円ならどうでしょうか。4000万円の家を買って、ローンを払い終えて、1000万円の貯金をするとか、家族2人で2500万円ずつ貯めるとか、ちょっとだけ達成の可能性が見える金額だと思う人もいるかもしれません。

5000万円までの道のりを考えてみると、起業したり、大きなリスクを取らなくても、現実的な積立貯金額と、会社員として働く20年から40年くらいの期間があれば、計算上は5000万円は達成可能です。そして、5000万円を貯めることができれば、身の回りに大きな変化が起こることも確かですし、生活は豊かになり、心に余裕が出てきます。

今回は、この資産5000万円を達成すると、どのような景色が見えてくるのか、身の回りに何が起こるのかをお伝えして、その後、資産5000万円を達成するまでのシミュレーションをいくつかのパターンに分けて解説していきます。

資産5000万円の状態とは?

資産5000万円を保有しているとは、どのような状態なのでしょうか。銀行口座に5000万円の現金がある状態も資産5000万円ではありますが、何の投資もせず、現金が5000万円ある人はほとんど存在しません。

一部の芸能人やスポーツ選手くらいではないでしょうか。では、資産というと株式や不動産も含まれますから、5000万円のマイホームを持っている人はどうでしょうか?残念ながらこれも違います。現金一括で5000万円を支払ったなら資産となりますが、おそらく住宅ローンを組んでいるはずです。ローンや借金があると、それは負債となります。

サラリーマンが資産5000万円の状態になる最も一般的な方法は、株式の総額が5000万円を超えることです。個別株や投資信託の金額を合計して、5000万円を超えていれば資産5000万円を保有していると言えます。注意点として、FXやレバレッジを効かせた株式は資産と言えるか怪しいです。FXは投資よりもギャンブル要素が強いですし、レバレッジは借金ですから、負債とも考えられます。

ここでは、株式や投資信託を5000万円以上保有することを資産5000万円の状態と考えていきます。

資産5000万円に到達すると起こることその1: お金の不安が無くなる

資産5000万円に到達すると起こること1つ目は、お金の不安が無くなることです。5000万円あれば、病気になったとか、仕事をクビになったとか、収入が無くなったとしてもしばらくは生活できるようになるので、お金の不安がほとんど無くなります。スーパーで割引シールを見なくても買えるようになるし、金額よりも商品の質や価値を見て買うことができるようになります。
また、家族の教育費についても、子供を成人まで育てるまでに1000万円の教育費がかかると言われていますが、5000万円あれば数千万円はなんとかなりますし、私立の高校や大学に入学することになったり、留学に行くことになった場合でも、なんとか出せるだけの金額はあります。

生活費や教育費を賄えるだけの資産があると考えると、生活は豊かになりますし、心に余裕がでてきますので、人間関係が良くなったりして、幸せを感じることができるようになります。人間は年収800万円以上稼ぐと、それ以上はいくら稼いでも幸福度は変わらないと言われています。しかし、お金を稼ぐ喜びは変わらなくても、稼いだことによるお金の不安が解消されることに関しては、5000万円くらいまでは幸福度が上がっていくと思われます。
なぜなら、資産5000万円未満だと、家を買うだけで無くなってしまう金額ですし、数年間収入が途絶えたら無くなってしまう金額だからです。普通に生活している人であれば、資産5000万円達成を機に、お金の不安が解消されていくでしょう。

お金の不安がない状態になると、不思議と仕事が嫌じゃなくなってきます。いつでも仕事を辞められると思えるようになり、キツい仕事も断れるようになります。収入源が今の仕事しか無いと、仕事を辞めたら人生終わりと考えてしまい、必死にしがみつくものですが、仕事を趣味のようにこなせるようになりますし、スキルアップの場であると考えることもできます。こうなると仕事でのストレスはほとんど無くなり、家族関係や人間関係にもゆとりが出てきて、人生が豊かになっていきます。

資産5000万円に到達すると起こることその2: 仕事の量が減る

資産5000万円に到達すると起こること2つ目は、仕事の量を減らせることです。5000万円あれば仕事を減らすことができるだけでなく、仕事を辞めるリタイア生活を送ることも可能です。

しかし、年間200万円のお金を使う人が5000万円から差し引いていくと、25年で0円になってしまいます。仮に40歳で資産5000万円を達成したとしても、65歳で一文無しになって、そこからまた働かないといけません。

じゃあ資産5000万円じゃ仕事を辞めるにはまだ早いのかというと、そうではありません。投資の世界には4%ルールという言葉があります。これは、インデックス投資をしているなら、毎年投資金額の4%を切り崩しても、30年後に資産が減っていないという研究結果です。つまり、資産が5000万円ある人が全額インデックス投資をすれば、その4%である200万円を毎年使っても、少なくとも30年間は資産が減らないということです。30年後に投資を止めて、減っていない5000万円を切り崩して生活したとしても、55年は毎年200万円を使える計算です。40歳であれば95歳までお金は無くなりませんから、年金を足しにすれば十分生きていけます。

なぜインデックス投資には4%ルールが存在するかというと、アメリカの過去のインデックス投資実績が平均で4%だったからです。つまり、毎年4%ずつ資産が増えていくから、4%切り崩したとしても資産は減らないと計算されるわけです。

4%ルールで資産5000万円だと、1年で使えるのは200万円になりますが、資産が増えれば増えるほど、使えるお金は多くなります。仮に1億円達成できたとすれば、年間400万円使えるようになり、仕事をしなくても普通の暮らしができるレベルの収入を得ることができますね。

資産5000万円に到達すると起こることその3: もっとお金が増えだす

資産5000万円に到達すると起こること3つ目は、もっとお金が増えだすことです。
4%ルールによって資産が減らない可能性が高いことが分かりました。減らない確率が高いということは、現状維持どころか増える可能性もあるというわけです。実際のところ、この10年、20年のアメリカのインデックス投資実績を見ると10%近い上昇をしているのです。長い歴史で見ると、平均して4%が安全なのですが、2000年代だけで見ると、4%以上の実績を叩き出しているため、4%ルールに従って取り崩していた人は、資産を増やしていることになるのです。

この4%ルールについては、アメリカの研究だったため、日本では適用できないと考えられてきました。しかし、昨今ではアメリカ株や投資信託への投資が簡単になったため、日本に住んでいても、アメリカの株式を購入することで4%ルールが適用できるようになりました。さらに2024年からは新ニーサが始まり、税制度の優遇も受けられるようになったので、投資をする環境がさらに整ってきたと言えます。今までは投資をすると、20%の税金を取られていました。新ニーサでは、これらの税金が1800万円まではかからなくなるので、資産が4%増加するとすれば、だいたい3000万円分は非課税で投資ができることになります。しかも、新ニーサ口座から資金を引き出せば、引き出した分の投資枠が空くので、さらに投資できることになります。

資産を増やしていくと、投資の実績だけでなく、仕事の量を減らしたことで、好きなことに時間を使えるようになります。それが趣味だったとしても、ちょっとしたビジネスに繋げることで、お金が稼げるようになるかもしれません。実際、リタイアした人の中で、仕事を一切していない人は少なく、自分の好きなことを仕事にしてお金を稼いでいます。結局人間は、人との関わりや社会との関わりを捨てきれないので、仕事をしなくてもいいと言われても、してしまう生き物なのかもしれません。

投資のパフォーマンスとサイドビジネスによって、資産5000万円達成した人は、さらに資産を増やし、あっという間に資産1億円を達成してしまうかもしれません。

資産5000万円に到達すると起こることその4: お金の使い道が変わる

資産が5000万円になると、お金の使い道も変わってきます。それまでは生活費と将来への貯蓄にお金を使うことが多かった人でも、無理に貯金をする必要がなくなり、生活費以外に使えるお金が増えることになります。

ある人はさらに投資をして、資産を増やしていくでしょう。4%ルールに従えば、資産を増やすほど、使えるお金が増え、生活は豊かになっていきます。収入をそのまま使うのではなく、投資をしてから使うようになるのです。資産からの収入は、いわゆる不労所得と呼ばれるものですから、働かずに入ってくる収入です。

このようにお金が余る状態を作れるようになるので、その余ったお金を自分の好きなことに使えるようになります。趣味に関する物を買ったり、何かを勉強したり、生活をさらに豊かにすることができます。資産5000万円を達成するまでは、ある程度の節制が必要になります。節制するモチベーションを保つためにも、余裕資金ができたらやりたいことをイメージしておくといいでしょう。

資産5000万円までのシミュレーションをしてみる

それでは、どのようにして資産5000万円を貯めるのか、シミュレーションをしてみます。誰でも達成可能になるように、サラリーマンがインデックス投資をして、資産5000万円を達成することを目指します。起業したり、副業で稼ぐことは考慮しませんが、副業で稼ぐことができれば、資産5000万円までの道が近くなります。
1人目は、老後の不安を解消したい人です。早期リタイアは考えていないものの、定年退職後は年金だけだと不安なので、資産を切り崩して豊かな老後を送りたいと考えています。
2人目は、なるべく早くリタイアしたいと考えているので、リスクを取ってでも資産を増やしたいと考え、日々の生活は節約をしています。
3人目は、教育費などのお金の不安を無くしながら、50代くらいでリタイアしたいと考えています。いつ仕事が無くなるかわからない中で、子供を育てることに不安を抱えているようです。

シミュレーションその1: 老後の不安を解消したい人

老後の不安を解消したいなら、まずは老後に必要な金額を考えていきます。定年退職する65歳時点で既にマイホームのローンを払い終わり、生活費に家賃はかからないと想定しましょう。

夫婦2人で生活の他、月に1回は温泉旅行に出かけたいので、平均すると1ヶ月に30万円必要だと考えてみます。年金が2人で月20万円とすると、プラスで月に10万円が必要になります。

4%ルールで月10万円、年間120万円分の資産は3000万円となります。これは老後2000万円問題より大きな金額ですが、老後の安心を手に入れるためには1000万円ほど多い資産を持っておいたほうがいいでしょう。

現在40歳で資産がゼロ、65歳までに3000万円分の資産を手に入れるために、年利5%のインデックス投資を始めていきます。この条件で計算すると、毎月5万円を積み立てることで達成できます。

元本は1500万円になるので、新ニーサの枠である1800万円が使えます。つまり、65歳になって引き出すときに税金がかからないというわけです。税金がかかってしまう場合は、月に10万円を引き出そうとしても、20%の税金が取られて、実際には8万円しか手残りがありませんから、新ニーサ枠が使えるというのは大きなプラスになります。

老後の不安を解消するなら、月5万円を25年間続ければ良い、と考えておきましょう。

シミュレーションその2:  なるべく早くリタイアしたい人

現在30歳で、10年後にはリタイアしたい人のパターンをシミュレーションしてみます。資産5000万円を達成して、月に17万円ほどの収入を維持してリタイアを目指していきます。

早期リタイアを目指すために、年利10%のリスクのある投資をしていくと考え、計算していきます。毎月の積立額は25万円となり、かなり厳しそうですが、夫婦共働きで月に50万円の手取り収入があるため、半分の25万円を出すことができそうです。毎月25万円は厳しいですが、10年後のリタイアをモチベーションとして、節制をしたり、副業や転職でさらに収入を高めることで、なんとか資産5000万円の達成を目指します。

月25万円の積み立てを10年続けるというのは、簡単ではありませんが、実際に早期リタイアした人を見ると、このような極度の節制をしていた人も少なくありません。10年我慢して得られたのは月17万円の収入だけではなく、結局ビジネスを始めて、もっと豊かになっている人も多いです。

このような早期リタイアを目指すことをFIREと言い、アメリカでブームになりましたが、独身で若い人であれば、このようなFIREを目指しても良いかもしれませんね。

 シミュレーションその3:  お金の不安を無くしたい人

現在30歳で子供が生まれたばかりです。子供が二十歳になったあたりの教育費の不安があり、できるだけお金の不安をなくしたい、できれば子供が成人した後はリタイアして自由な生活を送りたいと考えています。

期間は20年間で、子供の学費や留学費用も考え、2000万円くらいは余裕資金を残しつつ、リタイアするために5000万円の資産もほしいと考えます。投資先は、多少リスクを取って、年利7%として計算します。

毎月の積立額は、約14万円で、20年後に資産7000万円を達成できます。子供のために2000万円を残しておき、残りの5000万円でリタイアできますね。子育てをしながら毎月14万円は簡単な金額ではありませんが、子供がある程度大きくなった段階で、妻にも働いてもらうとか、どちらかの実家で二世帯住宅にして、家賃を抑えるなどの方法で、厳しい節制はせず、できるかぎり生活費を抑えていきます。

リタイアする年齢を遅らせて、シミュレーションその1の、老後の不安に備えるにシフトすればもっと楽に積み立てできますし、子供が国立大学に入ることになり、留学しないとなれば、学費は数百万くらいになるでしょう。あまり追い込みすぎずに可能な範囲で積み立てすることが大事です。

資産5000万円に到達できる見込みがない場合

3パターンのシミュレーションを用意しましたが、どれにも当てはまらなかったり、自分の状況に当てはめてみても、到達できる見込みがない場合、いくつかの方法で改善することができます。

1つ目は、より大きなリスクを取る方法です。4%ルールに基づいて、資産が4%ずつ増えていくと考えるのが一般的ですが、ここ数年、十数年単位で見ると7%から10%くらいで推移しています。この数字を信じるかどうか、という話になりますが、4%で想定していたところを、7%にまで上げてみるというのも1つの方法です。

具体的にどのようにリスクを取っていけば良いのかというと、株価が暴落したときにまとめて買い、高くなりすぎていると思ったら売る方法です。例えば、12%くらい上がった時期が来たとします。7%で想定しているのに12%は上がりすぎですから、ここで一旦売ります。

その後、不景気に陥って、株価がマイナスに下落していったとします。そのときはまとめて買うのです。実際これは非常に難しいので、株式投資の勉強や精神的なトレーニングも必要かもしれません。

こうしたリスクを取れるのであれば、4%から少し期待値を大きくすることもできます。

2つ目は、積立期間を長くする方法です。50歳でリタイアするために5000万円を貯めようとしているなら、52歳まで伸ばしてみることです。2年間あれば数百万円ほどの資産を増やせるかもしれませんから、リタイアの時期を可能な範囲で伸ばしてみましょう。

すぐにでもリタイアしたいと思っているかもしれませんし、お金の自由を手に入れたいという気持ちもあるでしょう。ただ、現状のまま一定の収入を保ちリスクも抑えてリタイアができるのであれば、定年まで働く人はいなくなってしまいます。より多く稼ぎ、より早くリタイアするためには何かを犠牲にする必要があります。

積立期間を長くするというのは、リスクを取らない方法になります。時間を使って、長く働くだけなので、健康的に働けるのであれば、これが最もリスクの少ない現実的な方法です。

3つ目は、収入を増やす方法です。これが最も難しく、誰もが稼ぎたいと思いながらも実現できていない方法です。しかしながら、収入アップを目指すことは誰にでもできます。転職をして収入を増やしたり、スキマ時間に副業をして副収入を得ることで、積立金額を増やすことができ、リタイアまでの期間が早くなります。

早期リタイアした人の多くは、副業をしたり、事業を大きくして、収入を増やしています。会社員一本で何十年もコツコツ積立をしてリタイアした人は多くありません。会社員の給料というのは、生活費を大きく超えないように設定されていますから、何十年も我慢ができる人は、あまり多くないんですよね。

資産5000万円、あるいは早期リタイアの達成が難しいと感じる人は、より大きなリスクを取って投資をするか、積立期間を長くするか、収入を増やして積立金額を増やすのいずれかの方法を取りましょう。

まとめ

資産5000万円になると、準富裕層と呼ばれるポジションになることから、お金の不安がほとんどなくなり、文字通り豊かな生活が送れるようになります。金持ちほどお金が増えると言われるように、5000万円を超えたあたりから、生活費以上の資産収入を得られるようになり、普通に生活しているだけで、資産が勝手に増えていく状態を作れるようにもなります。

今回は3パターンでシミュレーションをしてみましたが、インデックス投資で資産を増やす方法はシンプルで、積立できる金額と期間、リスクをどれだけ取れるかによって目標とする資産額への到達期間が分かります。

もちろん、時流によって株価が上がらない時期があったり、収入が減ってしまう時期があったり、新ニーサなどの新しい制度が始まったりして、10年、20年先の投資状況を正確に予測することは不可能です。

しかし、シミュレーションでやったような計算方法を知っていれば、定期的に目標を見直してみたり、家計の状況を把握することで、その都度資産状況を把握できるようになります。


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