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”H Jungle with t” 大ヒットに対する反応


【1994年10月~1995年3月まで】





予想を超える大ヒット

『ガキの使い』(1995.4.2)

松本:スゴいらしいじゃないですか。
浜田:なにがやねん!
松本:なんか初登場1位らしい
浜田:ありがとうございます、本当ありがとうございます!もうこれはねえ、本当ありがとうございます。
松本:もう俺の手の届かん存在に。
浜田:ははっ(笑)
松本:いや~、またこれでコレ(金)がガッパ―くるわけですもんね。
浜田:やめアホ!なるかあ、そんなもん歌うたったぐらいで。
松本:いいですよね~。

デビューシングル『WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント』は予想を超えて売れた。



沖縄のCDショップにて

浜田:いやほんでね、結構店行ったらね「無い」とか言われてたんですよ。
松本:あ、もう売り切れなんですよ
浜田:スタッフがね。
松本:ようそんなこと自分で言いますね。
浜田:違う。なんでかっていうたら、それ自分で確かめたんが、僕こないだドラマのスペシャルで沖縄行ってたんですよ、ロケで
松本:ドラマもやってるんですよね。
浜田:いやいや。
松本:俺なんてもうアカンわ。もう置いてかれるわ。
浜田:その話聞けや、ちょっと!沖縄行ってて
松本:沖縄っ!

TBSドラマ『もしも願いが叶うなら』スペシャルの撮影で沖縄へ。
歌にドラマにバラエティ番組に大忙しの浜田。

浜田:沖縄行ってて、レコード屋あったんですよ。「無い無い」って言うてるから、これ一発行ってみようかって、レコード屋入って行って、なんか店長のオッサンやったんですよ。
松本:うんうんうん。
浜田:たぶん、僕ってわかってなかったんですけど、「すいません」「はい」、ちょっと(店長が)機嫌悪かったんですよ。「あの、H jungle のCDってありますかねえ?」とか言うたら「ああ、もうねえ、とりあえず今無いんだよ」「あ、そうなんですか」。「(CD無いの)あ、ホンマやわ」って。「いつ入ってくるかわかんないよ?」って言うて「あ、そうですか」。「なんであんな曲が売れるか、わかんないんだよなあ!」。
松本:ははは(笑)
浜田:「あ、すいません」。
松本:いやいやでも、それはうれしい事やんか。

浜田:いや、ほんで若い店員の兄ちゃん、こっちでCD片付けてたんですけど、それ聞いててパッて俺見て「あっ!」っていうような顔してたから、兄ちゃんは半笑いやったんですけどね、俺がオッサンに怒られてるの。
松本:ああ。
浜田:オッサンは「なんであんなのが売れるのか、わからないんだよな」。
松本:いや、でもそれはええやんか。
浜田:だから今、ちゃんと身に染みて、今感じてきたんですよ、私は沖縄行って「無い」っていうから。

店長には理解されていないが、CDが売れている事を実感。


松本:これ、僕はやっぱり H jungle の一員としては本当に
浜田:ははは(笑)。あ、たしかにそう。たしかに。
松本:いやいや、本当に。
浜田:まあ、”一員”は”一員”ですよ。

松本も”語り”で参加しているので、H Jungle の一員ではある。




MCの曲が一番売れてる音楽番組

『HEY!HEY!HEY!』が始まって半年。
『WOW WAR TONIGHT』の大ヒットで、音楽番組MCで”芸人”の曲が一番売れているという”ねじれ現象”が起こった。
それによって、ゲストで来るミュージシャンとのトークにも変化が生じた。



浜田の歌唱力

『HEY!HEY!HEY!』(1995.4.24)
ゲスト:藤井フミヤ

フミヤ:あ!音楽的な…CD出しましたねえ。
浜田:ホンマすんません……ホンマすんません。出るとこ出るとこ謝ってますけど、ホンマ…
松本:売れるんですねえ。
フミヤ:ねえ。ビックリした。なんかオリコンとか見たらカーンとかいってるから。
松本:正直言って、ちょっとムカムカっとくるでしょ?
フミヤ:ムカムカ…いや、もうしょうがないんじゃない、買う人がいるんだったら。
浜田:いや、そんな(笑)
フミヤ:え?(笑)
浜田:そんな…いや、そりゃまあ、そうですよね。
フミヤ:いや、あの番組(『ごっつええ感じ』)のほら、エンディングでカラオケ歌ってるのを観てるから、あまりそんな上手くはないというのも知ってるけど
浜田:そうです、そうです、そうです。

あまり歌が上手くなくても、買う人は買う。



『HEY!HEY!HEY!』(1995.5.1)
ゲスト:松山千春

千春:俺たちが言わせてもらえば、まず音楽ってハートだろ。なあ、心だろ
浜田:なるほど。
千春:なあ。心入ってる歌うたってるねえ、そういえば。
浜田:そんな(笑)。もういいじゃないですか。僕はもうそんな。僕はもうそれは、もう別にそんな…ずっと謝ってます、すいません。
千春:いや、違うの。ああいうふうに音程が悪くてもいいわけ。
浜田:あははは(笑)

音程が悪くてもいい。浜田の歌には心が入っている。

浜田:あ、いいんですか別に!音程外してても。
千春:全然かまわない
浜田:あ、そうですか。
千春:うん。まずはハートだから
浜田:はい!
千春:次に音程。
浜田:はははは(笑)
松本:ダメじゃないですか。
浜田:やっぱり2番目、音程くんねや!大事なんや。
松本:ハートもどうかなあ?根性曲がってますからねえ。

やっぱり音程は大事。



1位しか知らない男

『HEY!HEY!HEY!』(1995.5.8)
ゲスト:松田聖子

浜田:歌ってる時に(オナラ)出そうになるとか。
聖子:ないです、そんなの!
浜田:ホンマですかあ。
聖子:うん。集中してないんじゃないの?歌に
浜田:ははは(笑)。「歌に」って言われても。いや、僕…歌の話はいいですよ。
聖子:歌、スゴいですねえ。
浜田:(キャップを取って頭を下げ)すんません、本当。
聖子:良いことですよ……
浜田:いや、ちょっとムカついてんちゃいますか?
聖子:ははは(笑)

ゲストに来るミュージシャンに謝り倒す浜田。

浜田:当時、あの『ベストテン』でも、ずっと1位やった時に、パッと入れ替わる瞬間いうのは、やっぱムカつくもんですか?
聖子:そんな事ないですよ。(ハンドマイクを浜田に向けてインタビュー開始)2位になったら、そう思うと思いますか?
浜田:いや、だから(笑)。それはどうなんかなっと思って、僕聞いてるんですけど。

H Jungle は初週からずっと1位をキープしている。

聖子:いや、どうですか?
浜田:いや、そらあ相手によりますよ。そんな『うわさのキッス』なんかに抜かれたら
聖子:TOKIOはダメですか?
浜田:いや、ダメとかじゃなしに(笑)
松本:お前、なんかTOKIO嫌い…
浜田:嫌いちゃう!誰も嫌いじゃ…
松本:コイツねえ、なんかね、ジャニーズが嫌いみたいなんですよ。
浜田:いや、嫌いじゃないですよ!全然嫌いじゃないです。
松本:なんか自分よりカワイイもんを認めたくないというところもあるらしくてねえ。
浜田:はははは(笑)
松本:自分でカワイイって思ってるみたいで。
聖子:だから意識してんだ?
浜田:なにがやあ!

結果、7週連続1位。




発売から2カ月

『ガキの使い』(1995.5.28)

松本:あれ結局、今んところ何枚ぐらい売れたんですか?まあ、自分の口で言うのもなんでしょうけども。100、200万枚ぐらい売れたんですか。
浜田:いや、まだ200はいってないと思いますよ。
松本:まあ、200弱。
浜田:うん。190何万枚とかじゃない。

まだまだ売上は伸びる。




1995年下半期


13歳のゲスト

『HEY!HEY!HEY!』(1995.6.19)
ゲスト:安達祐実

松本:こんなんせやけど、何の話したらええねん(笑)
安達:ふふふふ(笑)
松本:俺、わからんわ(笑)
浜田:あの、歌出しはったから。
松本:ああ、そうかそうか。
浜田:うん。
松本:あ、歌手として今日は。
浜田:そうです。当たり前じゃないですか。なんで来たんですか。

ダウンタウンの約20歳下。

安達:浜田さんも歌出してますよね
浜田:すいません。本当すいません。
安達:買いましたよ
浜田:あ、買っていただきました?
安達:買いました。買ってください
浜田:あ、……う~ん、買います。
安達:ふふふ(笑)

安達祐実は役者、浜田雅功は芸人。
本業にプラスしてCDを出した2人。

浜田:で、また歌も出して。
安達:歌も出し。
浜田:ねえ。それはなに、調子に乗ってるわけ?
安達:えっ(笑)。あれ?(浜田も)調子に乗ってる?
浜田:あ、すいません。調子に乗ってました、すいません。
安達:ふふふ(笑)

13歳にも切り返される浜田。



ミュージシャンの1位を阻止

『HEY!HEY!HEY!』(1995.6.26)
ゲスト:EAST END×YURI

浜田:売れてますねえ。いや~、もう出す曲出す曲いってますなあ。
YURI:おかげさまで。
YOGGY:ウソみたいですね。
浜田:ねえ。こんないく思いましたか?
GAKU:元々、僕らインディーズレーベルからだったんで。
浜田:はいはいはいはい。
GAKU:「1万枚売ろう」っていうハナシで、最初CDを作ったんですが。
YOGGY:3人でやった時はね。
浜田:とりあえず1万枚。
YOGGY:僕ら、前インディーズで出した時3000枚でしたからね。
浜田:ほう。
YOGGY:ええ。EAST ENDのみの時に。YURIが入ったら、こんなんなってしまったんです
浜田:ほ~。コイツは調子乗ってるわけですね、今
YURI:あ~、乗ってないですよぉ(笑)。全然。

篠原涼子と同じ東京パフォーマンスドール出身のYURI。

GAKU:僕らも最初は、その「1万枚売れればいいな~」なんて言ってたんですけど、やっぱ欲出てくるじゃないですか、チャート入ると。
浜田:うん。
YOGGY:3枚目の『いい感じ やな感じ』、今日のやつの時に「1位取りたいな~」と思ってたんですよ。
浜田:うんうんうん。
YOGGY:そしたらポンって(ランキング)出た時、3位だったんですよ。
浜田:うん。
YOGGY:そん時、1位は(H jungle)
松本:はははは(笑)
浜田:……すいません。

H Jungle によって1位を取れなかったミュージシャンは確実にいる。
ゆえに、浜田は謝り倒す。

松本:そうか。だからそう考えたら、みんなコメディアンに邪魔されてんねんね
浜田:(笑)
松本:いやいや、あれね、CDとか出すタイミングってあるよね。いいタイミングで出さんと、強敵がくるからねえ。
浜田:そう。なんとかこう上手い事しましょうよ、せっかくやから。
YURI:(1位になるって)どんな気分です?
浜田:……

何も言えなくなる浜田。
相方の松本は、すかさずこう答える。

松本:あのねえ、M jungle としてはねえ
浜田:おいおいおい!お前いつから M jungle やねん。
松本:いや、(俺は)M jungle。
浜田:なんや「M jungle」っておい、笑かすな!
松本:ははは(笑)

H Jungle の一員 M Jungle。
この一カ月後、『ごっつええ感じ』で「へい!へい!へい!」という ”Mジャングル”のコントに発展。



いくら謝ってもムダ

『HEY!HEY!HEY!』(1995.7.17)
ゲスト:DREAMS COME TRUE

浜田:ちょっと儲けすぎですよね。
中村:何言ってんですか!
吉田・中村:(浜田を指差す)
浜田:いや、マジマジ!マジマジ!マジで!ドリカムは儲けすぎやって!
中村:何言ってんの!何言ってんのよ!何言ってんのよ!
浜田:儲けすぎやって!
吉田:だって!昨日!だって昨日、どっかのなんか上半期ベストなんとかっていうの見たら、私たちの『サンキュ.』が11位だったんだけど、(H jungleが)1位だったんですよ!
中村:1位。
浜田:それはまあ、別にそれは。

ドリカムより売れている芸人のCD。

松本:いつも聞くんですけど、ああいう、こんな腐れコメディアンがですよ。
中村:いやいや。
松本:1位になる事はどうなんですか?率直な意見としてねえ。
中村:いやいや、あのねえ、やっぱり苦労してるミュージシャンにとってはアタマくるでしょうね
松本:はははは(笑)
浜田:いや、ホンマそうですよね!いや、ホンマそうなんですって。
中村:浜ちゃんはそれわかってて、いっつもほら、番組出る時「すいません、すいません」って言ってるけど、言ってもムダですよ
浜田:!!

「謝る」という唯一の逃げ道を塞がれる浜田。

吉田:(中村は)スゴくあの、そういうチャートとかを、スゴく気にするっていうか。
中村:いやいや、やる限りはほら、1番にならなきゃいけないじゃないですか
吉田:そうそうそうそう。
浜田:そらそうですね。
中村:それもう、みなさんのおかげなんだけど。やっぱ、そんぐらいの気持ちでねえ、やってるわけでしょ?……
吉田:ふふふ(笑)
中村:だからねえ……
浜田:なんか、やっぱり俺にムカついてません?
中村:はははは(笑)。大丈夫、大丈夫。
松本:うん。ちょっと、そんな感じも。
浜田:どうも、今の“間”(ま)が怖かったなあ!
中村:ははは(笑)

ミュージシャンとして何かしら思うところはありそうなリーダー。




1995年間ランキング

『HEY!HEY!HEY!』(1996.4.15)
ゲスト:DREAMS COME TRUE

浜田:さっき、ちょっと言うてましたけど、もうシングルしばらく出せへんのですか?
中村:うん。出さない。
浜田:なんでですの?
中村:H jungle が出すから
浜田:ヤラしいな(笑)。ホンマ、ヤラしいわ。

浜田に対して好戦的な中村正人。

浜田:まあ、でも出しゃあ出したでね、去年一番売れてるわけやしねえ
中村:あれ?
浜田:去年一番売れてるんですよ!
吉田:そうだ!抜いたんだ!
中村:あ、そうだ!抜いたんだ!なんだ、そうだ!そうだよねえ?
浜田:なに急に、こんな偉そうに(笑)
中村:ガンバった方がいいよ、今年ねえ!
浜田:はははは(笑)
中村:今年ガンバって
浜田:ガーッと抜いたんですよ。
松本:そうですよね。だから浜田もかなり売れたけど、その上いったんですよ。
浜田:いったんですよ!

1995年間ランキング1位はドリカムの『LOVE LOVE LOVE』。
下半期に H Jungle を抜き去った。

松本:で、今度オジャパメンが、その上いくんですよ。
浜田:はははは(笑)

『ごっつええ感じ』メンバーによるオジャパメンも始動。


H Jungle の大ヒットは『HEY!HEY!HEY!』では諸刃の剣にもなった。


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