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ポケビとブラビ 歌番組初出演

 2023年、25年ぶりに紅白歌合戦に出演したポケットビスケッツとブラックビスケッツ。
この2組が歌番組に初出演したときのこと。


バラエティー番組から誕生した音楽ユニット

 
とんねるずは『みなさんのおかげでした』から野猿
ダウンタウンは『ごっつええ感じ』からエキセントリック少年ボウイ
そして、ウッチャンナンチャンは『ウリナリ!!』からポケットビスケッツブラックビスケッツ
この第3世代の3組が、それぞれ自分たちの冠番組で音楽ユニットを結成した。
 
野猿とエキセントリック少年ボウイは、どちらもフジテレビの番組から誕生。
それでも、テレビ局の垣根を越えて、テレビ朝日の『ミュージックステーション』に出演している。
しかし、ポケットビスケッツとブラックビスケッツは出演することが出来なかった。
そこにはどうしても越えられない高い壁があった。

そのため、この2組が初出演したのは、フジテレビの『HEY!HEY!HEY!』。
はじめに出演したのはポケットビスケッツ(以下ポケビ)。
CDデビューしてから1年後のことである。


『HEY!HEY!HEY! MUSIC AWARDS』 (1997.4.7)
観客7000人の国立代々木競技場 第一体育館にポケビ初登場。

ここでは内村光良、千秋、ウド鈴木ではなく、ポケビのTERU、CHIAKI、UDOとして登場。

浜田:こんだけ歌売れてても、歌番は初めてやって言うからね。
CHIAKI:そうだよ。
松本:『ミュージックステーション』とかも出てないの?
浜田:出てない。
CHIAKI:だって裏番組だもん。
TERU:あれ真裏なんで。
松本:ああ、そうかそうか。え、他もいろいろありますけど、そんなんも出てないの?
浜田:あと、あと…
TERU:千秋がどうしても『HEY!HEY!HEY!』がいいと。
CHIAKI:もう『HEY!HEY!HEY!』出るために溜めてましたよ。
浜田:そうですかあ。

『ウリナリ!!』が日本テレビの金曜20時から放送されていたため、時間帯の壁はさすがに越えられなかったのだ。


『HEY!HEY!HEY! 』に出演できた理由
 

『HEY!HEY!HEY! MUSIC AWARDS』とは、番組にちなんだ賞を各アーティストにあげるというコンセプトの特番である。
そこでポケビが受賞したのが、
 
今まで出れなかったのは、HEY!HEY!HEY!とウリナリの撮りが日曜日で一緒だったからです。
しかし、今回はHEY!HEY!HEY!が月曜日の生放送なので、やっと出ることができました。という賞。 

出演理由が明確に示された賞だ。

松本:いや~、どうもはじめまして。
浜田:というかちょっと、キミ、内村やんな?なあ、内村やろ?
TERU:それを言うなって言っただろ!
浜田:内村やろ?
TERU:楽屋であれほど言うなって言っただろ!子どもの夢を壊すな!
松本:そんなもんみんな知っとるわアホ!
浜田:なんでヅラ被って化粧してんの?
TERU:したかったからです!
松本:これヅラを取ろうぜ(内村のカツラを取ろうとする)。
TERU:やめろ!やめろ!したかったからです!
浜田:なんで素では出られへんねん。
TERU:うるさいなあ!もう。
浜田:ふっふっふ(笑) 

”ポケビのTERU”というキャラを剥がそうとするダウンタウンと、キャラから決して降りようとしない内村。
どちらも”らしい”やり取りだ。

そして、ダウンタウンは千秋・ウド鈴木とも初対面。

松本:初対面なんですけども。
CHIAKI:はい!はじめまして。
浜田:ここ2人もそうでしょ、我々。
松本:そうそうそうそう。
浜田:ウドなんてはじめてですもん。
TERU:はじめて。緊張してるんですよ。
CHIAKI:ウドちゃんです!
松本:ウドくん。
UDO:どうも。2人も大船に乗ったつもりで頑張ってください。
浜田:(ウドの頭を叩く)

そして、ポケビは『Red Angel』『Yellow Yellow Happy』『Rapturous Blue』の全3曲をメドレーで披露した。


その1年後、ブラックビスケッツ(以下ブラビ)が出演。
『HEY!HEY!HEY! MUSIC AWARDS Ⅱ』 (1998.4.6)
東京ベイN.Kホールにブラビ初登場。
ブラビが受賞したのは、

去年はポケビが出たから今年はブラビに出て下さいという交渉に対してウリナリの録りがあるにもかかわらずわざわざ時間をさいて来てくれてありがとう。という賞

これまた明確な出演理由。

浜田:去年はホンマ、ポケビが。
南原:そうですそうです。
浜田:収録の合間に来てくれたんですよ。
南原:あれを観てたんですよ、ロケバスで。
浜田:はい。
南原:ええ。今ごろ彼らも観てると思いますけどねえ。
浜田:そうですか。
南原:ええ。
松本:ほんなら、この後またすぐ収録あんねや?
南原:いや、今日はもうない。
松本:ないんかい!
南原:はははは(笑)
浜田:なんや、タイトル嘘やないかこれ。

ブラビは番組の最後までいたので、『ウリナリ!!』の収録は終わっていたようだ。

ダウンタウンはビビアン・天野と初対面。

浜田:我々は、お2人は初対面ですから。
天野:そうですそうです。
ビビアン:(浜田に)いつ髪パーマしたの?
浜田:……あ、ええ…2週間ぐらい前ですかね。
ビビアン:ホ~ント。青山で?
浜田:……ふっ(笑)
南原:なんで青山なんだよ。
天野:なんで場所わかってんだよ!
浜田:いや、場所は…
ビビアン:ワタシは青山で(髪切ってる)。
松本:あのねえ、道でバッタリ会ったんじゃないんですから。ステージの上なんですからね。
南原:あははは(笑)マイペースだから。ええ。
松本:もう少し誰にでもわかる話しましょう。

ビビアンのキャラがダウンタウンにわかるには充分なやり取り。

浜田:いやでも、しゃべりはだいぶ上手なったんでしょ?
南原:日本語はね。ベラベラ。うん。
浜田:なるほど。
南原:好きな言葉は?
ビビアン:早飯早グソ芸のうち
天野:ふふふ。心に沁みわたる。
南原:日本で覚えた好きな言葉。
松本:ああ、そうですか。
浜田:早飯早グソ芸のうち(笑)


初の生放送・生演奏・生歌唱

松本:今日は、ということは生で歌ってもらうんですね。
南原:そうですね。
浜田:(南原は)サックス吹くんですよ。
松本:え、ウソやん!
天野:生で。
松本:キミ、サックスとかそういうの好きやなあ。
南原:ええ。あなたも昔、サックス吹いてたじゃないですか。
松本:そう。ありがとうございます(笑)
南原:首飾りになってたけど。
松本:ありがとうございます。

ダウンタウンとウッチャンナンチャンが共演していた『夢で逢えたら』のコーナーでは松本がサックスを担当をしていた。

浜田:言うときます。この人(南原)さっきからずっとえずいてます(笑)
南原:はははは(笑)
松本:なんや。
浜田:なんかもう「オエ~オエ~」。
松本:タバコ吸い過ぎなんや?
南原:タバコをやめたんですよ。
松本:あっ!そうなん!?
南原:ええ。
松本:タバコやめたんや。
南原:やめたんですよ。
松本:ほんならなんでえずくのよ?
南原:緊張で。
浜田:はっはっはっは(笑)

南原はこの生放送で生演奏するため、ド緊張している。

松本:めったに生で歌うことはないでしょうけど。
南原:はじめてですよ。
松本:はじめてやね。
南原:ステージもはじめてに近いですよ。
浜田:サックスもちゃんと生で。

ブラビは『タイミング~Timing~』『STAMINA』の全2曲をメドレーで披露。
南原のサックスも無事に大成功!

CMがあけた後、 

浜田:南原さんのあのサックスは必要やったんですか?
松本:う~ん、どうなんでしょうかね?僕もあんまりわからないですけども。
浜田:はい。
松本:よく聞こえなかったんでね。
浜田:(セットの)後ろではね。

生放送であるがゆえに

この『HEY!HEY!HEY! MUSIC AWARDS』では、賞とともにトロフィーが渡される。
そのトロフィーには松本と浜田が背中合わせになった像が乗っている。

番組のラスト、出演者全員が集合する舞台上で、首が取れたトロフィーを持っている南原。
生放送なので、最後のマドンナのVTRを流すまでの尺調整のため、トークで繋いでいるダウンタウン。
その後ろで首が取れたことをアピールしている南原・ビビアン・天野。

松本:(南原たちの動きに気付き)な、な、なんですか?
天野:首が…
松本:ああっ!!
南原:(なんとか首を付けようとしている)
松本:それはアカンのちゃうか!!……って、まあ言いながら時間稼ぎにはなったけども。
浜田:ははははは(笑)さすがね、同じ仕事してると。

生放送だからこそ生まれたダウンタウンとナンチャン、芸人同士の連携プレー。
久しぶりにそんな掛け合いを観ることができた。

というポケビとブラビの歌番組初出演でした。

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