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読書まとめ『シン・ニホン』

 読書まとめのコーナーです。
インプット→アウトプットの練習で書いてます。
いずれ有料化させます。
と言うのも、
本を読むのが面倒、時間がない。
とう言う方たちでも内容を要約して伝えられたら良いと感じたからです。
今後は読書好き、内容を深化するコミュニティ形成を考えています。

今回は『シン・ニホン』 安宅 和人著
でございます。「イシューからはじめよ」を読んだ後に読むといいですよ。

要約に入ります


かつて企業価値ランキングの上位を占めていた。
しかしい今のニホンは15年間も負け続けている
そんなニホンの再生戦略である。

1章 データ×AIが人類を再び解き放つ

 AIが人間に将棋で勝つ時代がやってきた。
AIにはそれほどの学習能力があり、人間の能力を凌ぐようになった。
この能力を使わない手はない。

すでに来ている未来
 「識別」
・街中のセンサーで即時に発砲地点を特定する
・顔画像だけで双子まで明確に判断する
・世界最高レベルの医者と同レベで皮膚ガンの識別を行う

 「予測」
・購買意欲の高い人に刺さるクーポンを提供する
・成功するスタートアップをデータ・ドリブンに予測する
・どの駅に向かっているか察知し、その線路が動いていないことを教え、聞かれる前に代替経路を提案する。

 「実行」
・複数言語に対し、ほぼ人間レベルの翻訳を瞬時に行う。
・モノクロ写真に色をつける
・乗車中360度を常時モニターし、周囲の交通事故時に追突されない場所に逃げる

デジタルマーケティング、自動化に向けて、準備が整いつつあるということ。


全ての産業がデータ×AI化する

 意思決定の質とスピードが上がる

状況把握から打ち手まで1つのループになる

・サービスの質が上がる
・ユーザー数が集まる
・データが増え、状況把握が進む
・アルゴリズムの性能が上がる
・打ち手の質が上がる
 このようなサイクルが無限に回る。
先行者利益が聞きやすい構造になっている。
先にプラットホームを作れれば、GAFAのような巨大企業のような利がある。 

つまり、従来型のPDCAサイクルは半ば終焉する。 

 これからは「系」のパフォーマンスを見ながら、系そのものをチューニングすることが業務の中心となる。
Googleがアルゴリズムを変更すると、多くの業界で悲喜こもごもが起きる。
このようなアルゴリズムの変更や、データの取り方の見直しが、
データ×AIの世界のPDCAの中心になる。


AIとは?

 Artificial Intelligence の略である
解釈としては、
「 計算機×アルゴリズム×データ」をAIと呼ぶ
データは多ければ多いほど正確さが増す
データは持っている人と欲しい人が繋がらなければ、価値を生み出さない。
データを一社でもち、それらをネットワーク化してつなぎ得る。
だからメガプラットフォーマーが圧倒的に力を握っているのだ。


マッシュアップエコノミーの時代になる

 パーツを1から作らなくても良いということ。
例えばUber 顧客とドライバーのマッチのシステムは作ったが、
地図はGoogle Maps を使用している。
 各社でAPI(アプリ間で情報をやりとりする仕組み)
に任せることで、サービスを迅速に立ち上げることができる。
APIがないというのは、家の玄関まで水道管は来ているが、蛇口がないのと同じである
要素をつなげ、サービスで繋げ合うことが、成長の要となっている。

事業および収益構造が二重になる

 例えば aibo ペットのようなロボットだ。
月額2980円のベーシックプランに加入しないと成長しない。
これはソニーが不当に利益を出しているのではなく、aiboが生み出す様々なデータは、日々クラウドに自動送信され、これをベースにアルゴリズムが進化し、またそれが各個体にフィードバックされる。飼い主から見たときに、aiboが快調であり続けるために必要なのだ。
 これと同様なことが多くの商品とサービスに起こる。
データ×AIの世界に完成はなく、常にその商品やサービスは学習し変化し続けるからだ。
 これからは、多くの商品やサービスを売り切るだけでなく、販売後もサービスから収益が発生するようになる。
あらゆるものがIoT化し、リアルタイムでのメンテナンスや顧客対応も可能になる。

便利になる一方、ヒューマンタッチの重要性が増す

 情報処理の多くの仕事が自動化すれば、当初は技術プラットホームの良し悪しを競うゲームが始まるだろう。
その後は、それが前提となり、キカイにできない人間的な接点がビジネスにおいて価値創造、価値提供の中心になっていく。
「人間は合理性を求める一方、ヒトの温かみ、ヒトを通じた価値を大切にする生き物だ」
AIが毎回正確に同じものを提供してくれるサービスと、不揃いでも誠心誠実、生身のヒトが提供してくれるサービスの方が、価値が高いケースが多い。


目に見えない価値を想像し生み出せるか

機械的な差異を超えた目に見えない価値が重要になってくる。
人がいいなと思うところを先んじて感じ、それを自分なりに表現できるか。
言葉でもいいし、絵でもいい。
 仮に生み出せなくても、少なくとも識別できる、「知覚」の能力が深く広い人が多くなると、パリや京都、フィレンツェのように街や空間の質が上がる。


貯蓄を持たない日本人

 2017年段階で、単身を除く世帯の、ほぼ3世帯に1世帯は、貯蓄(金融資産)を持っていない。
高度経済成長期(1954~1973)のど真ん中、発展途上状態にあった半世紀以前の1963年の値(22% )よりも遥かに高い。
おそらく、1950年頃の水準である。
 我々はある種、途上国、あるいは中進国に戻ってしまったと言える。
仕事を持たない高齢者が増えたことも原因であるが、
最低賃金の低さだということは否み難い。購買力平価ベースでいうと、韓国よりも低い。しかも、正規雇用者とのギャップが特に大きな国である。
最低賃金付近に、労働者の多くが張り付いてる。
日本という国は、弱い人たちをさらに犠牲にすることで回る構図になっているのだ。
 つまり、少なくとも3分の1近い才能と情熱が環境要因によってきちんと発揮される機会なく埋れている可能性が高い。
実際、難関大学の学生の親の所得水準は高く、これらの大学では、地方出身者の割合が明らかに低い。
給食費が払えない子供達の問題には、このような明確な理由がある。
 このトレンドが続いたら、2035年には、貯蓄を持たない世帯が50%という、途上国状態に陥る。
そうなれば、国力によって保たれている均衡の多く(国防、通貨価値、株や土地の価値、食料輸入)も崩れていく可能性が高い。 
 日本人は給与労働時間が長い。
日本の男性は、家事育児を半ば放棄し、この余力で給与労働の多くを担っているわけだが、労働時間は、イタリアの2倍、ドイツの1.5倍以上である。
これでは生産性が低いのは当然だ。
『非効率を人の苦痛で解決する職場なのだ。』
このような非効率を続けていれば、家事、育児に使える時間などなくなるのは当然である。
 長時間頑張ることでこの生産性がようやく維持できるのだ。
という人や社会は根本的に見直したほうがいい。
それは家庭内手工業とか、農業機械がない時代の農作業の発想だ。


65歳で伐採されるシニア

 現代社会の多くの職場は65歳で定年を迎える。
前世100年時代と言われる現在では、あまりに早いだろう。
もっとも経験を積んだ熟練労働者は、能力と関係のない理由で退場させられる。
というのも、定年という仕組みでしか人を吐き出せない、生産性をあげるための基本的なマネジメントができていない。またこれまでの仕事でうまく価値を生み出せなくなった人たちのスキルの再生ができないという、日本企業の組織運営課題が浮き彫りになっている。
今後は
・採用の際に年齢、性別は不問
・労働時間ベースでなく、生み出す価値ベースで給与水準を決める。
・週に5日に縛られず、多様な働き方を受け入れる
・十二分にトレーニングし、プロフェッショナルとして育成する
・価値提供できているか、意味のある変化を起こせているかフィードバックし、育成を促す
・事業の進化、個人の成長、希望に伴い、ダイナミックに配置変更する
・会社間もダイナミックに
・コミットしてもらっているミッションに影響がない範囲で副業を行うことを、現実的な範囲で認める
・生産性を下げる要因を徹底的にデータ・ドリブンに検出、コントロールする

日本の復興戦略

 日本の問題点として、理数系の教養がある人が少なすぎる。
今後の世界では、武器を持たずに戦場に出るに等しい。
インドでは、宗教上の関係もあり、自然言語処理など、データサイエンス、エンジニアは人気の職業になっている。
そういった知識は問題を定義できない
・指数と実数の使い分けができない
・指数を指数で割ったりする
・数字を並べることと、分析の違いがわからない
・軸を立てるということの意味がわかっていない
・平均を鵜呑みにする
など、様々な課題がある。
 日本が世界に遅れをとっているのは、こういったことが背景にもあるだろう、物理や化学で優秀な学者はいるが、エンジニアなどは世界に比べ少ないのが現状である。大学の助成金が少ないのも原因の一つである。
 海外の大学は、自身で資産を運用している。その額は日本とは比べ物にならない。
 また、卒業生の支援金の影響も大きい。日本は圧倒的に少ないのも、学生時代の大学へ感謝することが少ない体制になっているためであろう。
海外では、生活の援助や助成金など、保証が手厚い。そういった人たちが、大学へ愛着を持つのは、当然のように思える。

日本には希望はないのか?

 18世紀から振り返ると、
第1フェーズは新しい技術やエネルギーがバラバラと出てきた時代
 江戸時代の後半あたりで、鎖国状態。何もしていない。9割近くが田畑を耕しているか漁業しているか。残りは武士。
黒船来航、無血開城。江戸時代の終焉。
第2フェーズは新しい技術が実用性を持つ時代
 明治時代ごろになり、文明開化で一気に教育、郵便のど基礎になるシステムの構築。近代軍隊や、銀行の創設、富国強兵の名の下、あらゆる西洋文明の吸収と産業化。その後二度の大戦を経て、自動車、家電、カメラ、その他新しいモノ造りや、産業の構築のゲームでぶっちぎり。
複雑な系である新幹線、ファミコン、スパコン、ポータブルオーディオなどでぶっちぎった。
 第3フェーズはそれらが繋がりあって複雑な生態系ができる時代
日本は歴史的に見ると、フェーズ1をやったことがない
フェーズ2、フェーズ3の勝者なのだ。仏教も日本発祥ではないものの、もっとも発展した国の1つである。

出口産業を持つメリット 

 入口系とは、外部から入る基礎情報を仕分け識別。
画像、音声、言葉などである。
 出口側は、業界、機能に特化している。
実際の課題解決のツール、ソリューションである。
 日本は戦後、モノづくりにおいて他国に優っていたわけではなく、
どこよりも早い技術のdeployと革新のスピードでの勝負であり、
「モノづくりでは負けても、技術革新でゲームを変える」ということだった。

異人の時代 

 「想像」「刷新」こそが大切な時代。
これまでは、とにかくみんなが走る競争で強い人が大切だった。
個別領域で専門家が必要だった、なんでも満遍なくできるスーパーマン的な人が期待されていた。
現在の世界では異なってくる。
 一番より、多くの人が目指さない領域、またはアイデアで何かを仕掛けられる人が圧倒的に重要になってくる。
こういう世界が欲しい。イヤなことをイアと言える人だ。
夢を描き、複数の領域をつないで形にして行く力を持っている人だ。

 「気をつけ」 「起立」 「休み」 「前ならえ」 「組体操」
など外国人には説明できないレベルの校則や決まりの廃止から行うべきだ。

「起爆人種」「参画人種」「応援人種」「無関心人種」「批判人種」
起爆人種は実に重要であり、おそらく、数百人に1人しかいない。
参画人種は1割、応援人種は2〜3割、無関心人種は4〜5割、残りの1〜3割が批判人種。
起爆、参画が異人系であり、起爆人種はハードコア異人と言うべき人々。
批判人種は意見邪魔な存在だが、起爆、参画人種にとって大切な仮想敵で、見落としがちな視点を与えてくれる人たちである。


「狭き門より入れ」

「狭き門より入れ、滅びに至る門は大きく、その道は広い。そしてそこから入って行くものが多い。命にいたる門は狭く、その道は細い。そしてそれを見出すものは少ない。」
 難関を通れ。ということではなく、人が群がって流れて行くような方向へは行くな。必ずしも人が気づいていないような自分の道に進め。という教えだ。
人が群がるところに行くということは、コモディティへの道、部品化への道を進むということだ。

価値を出すために 

1ビジネス力
 解決すべき問題が定義、整理できない。
2エンジニアリング力
 キカイに任せられず、量的な展開ができないため必要な変化を十分に起こせない。
3サイエンス力
 そもそも知恵のあるアプローチが取れない。

知性とは何か

「入力→処理→出力」は人もコンピュータも変わらない。
「思考」とはインプットとアウトプットを繋ぐこと
入力を出力に繋ぐ能力こそが知性である。

知覚は経験から生まれる

 先天白内障の子供は、10歳までに手術しないと色覚は正常で、他の知能的な課題が何もなくとも形の識別ができなくなる。
 我々は意味を理解していなことは知覚できない、大半の人はアインシュタイン方程式の美しさどころか意味も分からない。一般相対性理論を理解できるだけの物理学、その基礎となる数学についての深い知見と訓練が欠けているからだ。
 知覚を広げる「経験」には、日常生活や仕事、学習などで新しいものを見聞きする「知的経験」、人との付き合いや関係、分脈特有のアナロジーなどから学ぶ「人的経験」、それらの知的、人的な経験の深さの上で、多面的、重層的にものを見て、関係性を整理する「思索」の3つがある。

「理解」とは2つ以上の既知の知覚情報の重なり合い

情報のつながりを何度も想起する事で起きるのが「学習」であり。これが「知識」の元となる。
「知覚」できないものは「知識」になりようがない。
「言葉」とは知覚体験を残し、抽象化したものである。
「文章を書く事なしには思索を進めることはできません。書くから自分にもわかる」 岡 潔
「私の言葉の限界は私の世界の限界だ」 ヴィトゲンシュタイン
知覚を磨くために、
・実際の実行の過程で直接的な経験をすること
 百聞は一見に如かず
・言葉、数値になっていない世界が大半だと受け入れること
 情報のインプットが言葉や数字に偏っている人が多い

「スポンジ力」より「気づく力」

 従来は覚える力が大切とされ、学校教育などもそうだろう。
学校で優秀な人は、クイズ王か学者になるくらいだ。
本当の意味で肉化された知識、知恵がなければその人なりの価値の創出が難しい時代に突入することを考えれば、肌感覚で価値を理解でき、操作できる領域を増やすこと、それを表現する力が極めて大切になる。

・枯渇する水産資源
 漁獲量とても減っている。
・地球上の大型生物の質量構成
 家畜7億t  人間3億t  野生動物1億t
 9割以上が人間世界のものであり、家畜が排出するメタンガスが問題にもなっている。
・森林の課題
 日本の森林は杉とヒノキが多い。戦後の復興期から高度経済成長にかけて天然の森の木を伐採し、その後真っ直ぐ景気良く伸びる樹種ばかりを植えた結果、多様性の低い森となり、花粉症の原因にもなっている。 

人間の圧倒的なエネルギー消費

 人間一人で、1日550gのCO2を生み出している
一年で、201kg排出する
それに加え家畜動物が人間の2.4倍近くおり、質量あたりのCO2排出量が同じだとするなら、年間0.5t乗るので
一人当たり0.7t排出することになる。
 この程度なら問題ないが、エネルギー産業などを含めると年1人当たり、
10.2tもCO2を生み出していることになる。
 結果、地球の余剰熱エネルギーは加速度的に増加している。
2005年までの20年だけで、海洋に留まっている熱量は10倍以上になる。

星が持たない

 北極の氷が溶けている。氷の融解による熱吸収がなければ、気温上昇はもっと悲惨な状況であった。
 雪や氷の表面が失われると、加速度的に地球が熱を蓄積しやすくなる。
太陽放射の反射率が大きく変わるからだ。雪や氷は75〜85%反射する。
新雪では反射率は95%にも及ぶと言う。
 一方森林地帯は15%、砂漠は30〜40%ほどである。
海洋に蓄積される熱量の大幅な上昇に伴い、海面の上昇気流は極めて発生しやすくなっている。爆弾サイクロンもこれの影響である。
 農作物も育たなくなり、大規模な飢饉が起きる可能性がある。

SDGsとSociety5.0の両立を目指し進むべきである


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