マガジンのカバー画像

週刊プロフ

35
中央アジアの炊き込みご飯「プロフ」を愛する人たちが、毎週プロフについてアツく語るマガジンです。
運営しているクリエイター

#中央アジア

当たり前にプロフが食べられる、いつかの日本で:その2

― 続いては、レポートのコーナーです。今日はどこに行っているのかな? レポーターの、ユウコちゃーん!  はーい☆ 今日は毎年恒例、お台場のプロフ祭りに来てまーす! 今年も大人気の、「ご当地プロフ日本一決定戦」が開催されてますー! さっそく会場に入ってみましょう!  わー見てください! 会場は大混雑ですね!すごい熱気です! どのブースからも、おいしそうなプロフの香りがしてますよ!  ひとつ行ってみましょう...こんにちは! こちらはどこのご当地プロフですか!?

当たり前にプロフが食べられる、いつかの日本で

 午前中もがんばった。ようやく昼休みだ。 「さて、昼メシは何を食べようかな。」  会社を出て、歩きながら考えよう。  ラーメン?  ・・・いやいや。今日はご飯ものが食べたい。  カツ丼?  ・・・いやいや。ちょっと重いな。  カレー?  ・・・いやいや。午後も仕事だ。ニオイが気になる。  チャーハン? ・・・いやいや。ちょっと物足りない。  そうだ・・・  プロフを食べよう!  プロフは肉がゴロゴロ入ってるから、ボリュームがあって元気が出る

「プロフを食べなさい。きっと、お腹が空いているのよ。」

はじめまして、週刊プロフの5月末分を担当させていただきます、北海道在住の杉山雄二(すぎやまゆうじ)と申します。 2018年の夏ころに、ご縁あって”おいしい中央アジア協会”の代表理事である山田さんと知り合うことができ、彼女が”プロフ”に向ける熱意に、並々ならぬものを感じました。山田さんの企画・発案で開催した【おいしいユーラシア祭り】は、地元紙の北海道新聞社にも取材してもらうことができ、大盛況のなか終えることができました。 後述いたしますが、わたしは中央アジアのウズベキスタン

「もう1度食べたいポロ。」②カシュガルでのポロ

 前回の記事に引き続き、「もう1度食べたいポロ」の思い出について。  西安の留学生活でポロ(プロフ)は身近なものだった。シルクロードに興味のあった私は留学中に1人旅に出る。前回の記事で書いたように、この時の旅行は敦煌と嘉峪関がメイン。ウイグルは美味しい料理を食べよう、という理由で行くことに決めた。色々な遺跡を巡り旅は順調に続く。初の新疆ウイグル自治区。ウルムチでは近代的な街並みにちょっとびっくりしたが、美味しいポロやラグメンは食べることができた。 (2008年初めてのウイグ

「もう1度食べたいポロ。」①西安でのポロ

 ポロ(プロフ、抓饭)について2回分記事を、とお話をいただいたので、個人的な思い出になるけれど「私がもう1度食べたいポロ」について書いてみる。  初めてポロを食べたのは2007年の7月頃。留学先の中国・西安に着いて2、3日後。先輩の留学生が連れて行ってくれた校舎近くの路地にある小さくて小汚いウイグル料理の食堂。最初に食べた時の事は残念ながら覚えていない。気付いたらポロを食べるのが当たり前になっていた。その食堂は全部でテーブル席が8席くらい。薄暗くて顔立ちや言葉も違うウイグ

週刊プロフ「クリスマスプレゼントキャンペーン」

皆さん、おいしい中央アジア協会のWEBマガジン「週刊プロフ」をご存知ですか?毎週木曜日に、中央アジアの炊き込みご飯「プロフ」に関する記事を発信しています。「週刊プロフ」を初めて知った方は、こちらの記事になぜ「週刊プロフ」を発信しているのか、まとめてありますので、どうぞご覧ください。 プロフは中央アジアと日本のかけ飯 週刊プロフ「クリスマスプレゼントキャンペーン」 週刊プロフは、冬休みのためしばらく連載をお休みし、次回の記事は1月17日(木)になります。そこで、連載がお休

+8

プロフの物語 vol.3 ウサギのパエリアと妻の思い出

+9

プロフの物語 Vol.2 田舎者(プロヴィンツァーリ)のプロフ

+8

プロフの物語 Vol.1 少年とポロ

プロフのきほん その4

プロフは米料理であるので、もちろん米が主役である。中央アジアのバザールで米売り場を覗くといろいろな種類の米を見ることができる。白米や赤米、短粒米や長粒米など様々である。中国南部の長江の下流域で始まった稲作はさまざまなルートを経て中央アジアへ伝えられた。中央アジアへはいつ、どのような経路で米が伝えられたか詳しいことはわかっていないが、中央アジアは東西交流の経路にあたり常に人や文化が行き交う地域であるので米の伝来は数次にわたってもたらされたのであろう。 これまでの週刊プロフ「プ

プロフのきほん その3

前回の週刊プロフでは中央アジアのプロフに欠かせない材料である米とニンジンと羊肉のことを紹介した。今回はこのうち羊肉のことを取り上げてみたい。 もともと中央アジア南部のオアシス地帯の定住農耕民の間で広まったご馳走であるプロフには羊肉が欠かせない。この羊肉であるが今でこそバザールの肉売り場で簡単に手に入れることができるが、かつてオアシス都市自体はそれほど大きくはないので大量の家畜を飼育することは難しかったのではないだろうか。そこで目を向けるのは中央アジア北部に広がるステップと呼

プロフのきほん その2

中央アジアにおける代表的な料理であるプロフは米の他に羊肉とニンジンを使ったものである。これにニンニクやヒヨコ豆などの豆類、あるいは干しブドウやバーベリーなどが加わり味付けのアクセントとなる場合もある。中央アジアに隣接するイランではディルなどのハーブを混ぜ込んだりするなどバリエーション豊かなポロを見ることができるのが中央アジアとの違いである。もともと同じペルシア文化圏に属するイランのポロと中央アジアのプロフでは使われる材料が異なるのは地域性であると言うことができる。 今回の

プロフのきほん その1

中央アジアの代表的な料理のひとつがプロフという炊き込みご飯である。今週からの週刊プロフは『プロフのきほん』と題して4回にわたってプロフの基本的な情報について私見を交えて紹介していきたい。 プロフは大量の油で炒めた羊肉やニンジンなどの具材を、その炒め油と水で米を炊き込んだ料理である。黄色く染まった米はスパイスによるものではなく大量に使ったニンジンの色である。中央アジアの料理の味付けの基本は塩とクミンのみというシンプルなものが多いのであるがプロフも同様である。しかも羊肉の炒め

最終章 文化は流れるもの

〜炊き込みご飯VS炒飯 or 炊き込みご飯→炒飯?〜 よく訊かれる質問として、 “炒飯とプロフ”って何が違うの?” というものがある。 その違いは、前者が ・既に炊いた米を炒める(加熱調理する) プロフは ・生の米から炊き込む という事だ。 中国や東南アジアでは焼飯(炒飯)のイメージが強く、炒飯の他にも韓国の炒飯(볶음밥…ポックムパプ と呼ばれる。炒めたご飯 の意)、タイのカオパッ(ข้าวผัด…意味は上に同じ) などは日本人にもよく知られており、一般的な食堂でもよく見か