第1章 小麦も米も同時に、いくらでも同じテーブルに上がる、不思議な中央アジアの食卓 〜中央アジア 北東部の場合〜
はじめて中央アジアの食文化を知った時、1番の驚きは圧倒的な炭水化物の多さだった。
何しろ、同じ食卓に米料理とパンが一緒に出てくるばかりか、食卓に上がる他の料理も、小麦粉と肉を合わせた料理が非常に多いのである。これは初め、驚き以外の何ものでもない光景だった。
米とパンは当然の様に同時に食卓に上がり、しかもパンは毎回どんな料理の時にも必ず毎食登場する。
キルギス人やカザフ人によるとパンは主食であり神聖な意味合いを持つ為、大切に扱わなければならないと言う。
出来る限りパンを残さな