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週刊プロフ

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中央アジアの炊き込みご飯「プロフ」を愛する人たちが、毎週プロフについてアツく語るマガジンです。
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2018年9月の記事一覧

第3章 ロシア人にとってプロフとは?

〜プロフって、ロシア料理じゃないの?〜 ご存知の通り、プロフが代表的な料理となっている中央アジアの国々は全て、旧ソヴィエト連邦を構成していた共和国だが、ソ連といえばロシアを中心とした共同体である。 日本でも、ロシア料理店に行くと、ほぼ必ずと言っていいほど中央アジア式のプロフをメニューの中に見る事が出来るのだが、私は今までこれを、特に不思議と思ってこなかった。 ソ連なんだし当たり前でしょ、と深く考えなかった。 しかしある時だ。 あるロシア人に、 “どんなロシア料理を普段作るか

第2章 中央アジアの米について

〜都市部でのプロフのカタチ〜 アルマトイなどの大都市では、プロフやラグマン(トマトベースの、主に羊の肉が使われているシルクロードのうどん)の専門店があるが、メニューは多種多様であり、様々な趣向が凝らされている。 例えばカザフスタンには “ルミ” という、カザフ人がオーナーの、アルマトイ発のプロフを出すチェーン店がある。 ここでは、プロフに少しずつアレンジが加えられている。 写真を見る限りでは米や全体的な雰囲気が、中央アジアのプロフというよりはインドのビリヤニを彷彿とさせる様

第1章 小麦も米も同時に、いくらでも同じテーブルに上がる、不思議な中央アジアの食卓 〜中央アジア 北東部の場合〜

はじめて中央アジアの食文化を知った時、1番の驚きは圧倒的な炭水化物の多さだった。 何しろ、同じ食卓に米料理とパンが一緒に出てくるばかりか、食卓に上がる他の料理も、小麦粉と肉を合わせた料理が非常に多いのである。これは初め、驚き以外の何ものでもない光景だった。 米とパンは当然の様に同時に食卓に上がり、しかもパンは毎回どんな料理の時にも必ず毎食登場する。 キルギス人やカザフ人によるとパンは主食であり神聖な意味合いを持つ為、大切に扱わなければならないと言う。 出来る限りパンを残さな