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楽曲解説 NIGHTWALKER 編

10曲ライブが終わった。ちまちまミスはありながらもやりたいことは全部やれたので悔いは無いかな。関係者のみんなも本当にありがとうね。

今回は「WRONG WAY/NIGHTWALKER」のリリックをどう書いたか教えてあげよう。流石に「手の内」を明かし過ぎだが、手の内明かす記事を書くと自分でもあまり意識していなかった「手の内」が見えてきて自分でも面白い。

NIGHTWALKER
リリック及びライムスキーム

◯本解説

ムーディーでスムースな曲が作りたいという動機から作られた。ライミングに関しては不完全韻が多く、好んでいる頭韻はもちろん、ホロライムも多用しており挑戦的なものになった。

みっともない男歩くmidnight
ナンパ師smooth talkers溶かすgrooves

「smooth talkers」とは「口先のうまいヤツ」ってことだ。音楽系の専門学校という間柄そういった「ヤリ手」と良くつるむようになり、まあ要はセックスがどうたらとかこうたらとかそういう話をすることが増えたってこと。「なんでこんな口先だけの男に女は騙されるのか」って考えた時、音楽で言うグルーヴじゃないけど、気持ちいい「ノリ」があるんだろうなと思った。あとガラじゃないし悔しいながらもそういうセックスの話にエモさを感じるようになってきてしまった。

ライミングに関しては「みっともない/midnight」「talkers/溶かす」でホロライムを使った。俺は口先じゃなくてライムでグルーヴを作るよ。

I don’t like 窮屈 魅惑のフルーツ
最高にdope shitな川をクルーズ

「魅惑のフルーツ」とはおっぱいのことだ。
友達の1人が巨乳を「メロン」と表現したことに由来する。

「dope shitな川」とは中洲に流れている川のことだ。クルーズ船みたいなのがビュンビュン通ってる。ただ臭い、ドブ川だ。
「dope」は、本当は「カッチョエエー」って意味だけどここでは「ドブ」って意味で、
「shit」は「クソ」ってこと。

「ドブクソな川」つまり、とにかく臭え川ってこと。

じっくり旨み味わう
ココアシガレットのflavors

俺はいつもハスリングラップの一節っぽいワードを良く出すんだけど、実際には全くそういう事に手を染めてない。リリックの中でも、タバコすら吸った事ない。そしてココアシガレットはそんなに好きじゃない。

(24h)
向かうコンビニ
好きな銘柄手に夜な夜なRave party
(24page)
週刊誌の袋とじ隙間から立ち読み
たじろみsmell of 炊き込み

俺と同じ専門学校発のガールズバンド、Reveの楽曲「ワンルーム」から

(24h)
向かうコンビニ
好きだった銘柄手に取って
置いといてあげるから取りに来て
(24age)
今になって
好きだった貴方を思い出している

という一節からのサンプリング。秀逸ですよね、この歌詞。

「Rave party」とは、イギリスで始まった、ダンスミュージックを中心にかける路上パーティーのこと。バンド名の「Reve」とそのままかかってる。

「好きな銘柄」はもちろんココアシガレットのことね。

ライミングに関しては、「た」で頭韻を踏んだ。
「銘柄/Rave party/週刊誌」は韻としてはかなり甘いんだけど、響きの似た言葉をチョイスしたという感じだ。

消費者金融にしたためるlove letter
消したメールに書いた「俺の勝手だ」
返さないぜ己のspiritまでは
帰らないぜ薄汚れた金は

みっともないラインだよ、借りた金ぐらい返せ。

「したためる/(消)したメール」でホロライムになっていて、また「か」の頭韻で畳み掛けている。
ここのライミングは結構複雑で、

A D
A C D
B C D
B C D

という感じの配置になった。D(a u e a)の韻だけは絶対文章の最後に持ってきている。ケツの韻だけは外さず踏んで、アタマの韻は割と自由にとっかえひっかえ踏んだ。

歩きながらApple Music遡って
サンプル探し続けたsunday everyday

この楽曲のサンプル元を探すのには本当に苦労した。気が狂うかと思った。良いサンプリングのネタをApple musicでディグり続けた。

結局運だ。運が良くないと良いサンプルに出会えない。でも大切なのは、その運に巡り会えるまで続ける事にあると思う。

結局運なんだぜっていう甘ったれに
言ってやれ「そんなの関係ねえ」って

微動だにせず、運からやってくると思ってる体たらくの奴が多すぎる。そもそも運を掴もうとしてないのに運を掴めるはずがない。掴めなくても良い、重要なのは運を掴みに行くことなんだ。

ライミングに関して言うと「あ」と「さ」で頭韻が踏まれている。

「歩き/Apple music」は語感踏みの側面が強いためあのようなハイライトにした。というか、曲を通して不完全韻が多い。

Time is moneyだ残りわずかだ
音に乗れねえヤツからアズカバン

学校生活もあとわずか、そのわずかな時間で何が出来るだろうと考えたとき、10曲ライブだったな。「時は金なり」とは分かっていたが、全然時も金も大切に出来なかった。

「アズカバン」はわかる人にはわかるが、ハリーポッターシリーズに登場する、島にポツンとある刑務所のことで、現実世界でいう「アルカトラズ島」だ。要は「音にノれないようだと刑務所にぶち込むぞ」って意味です。

◯まとめ

最初でも言った通り結果挑戦的な楽曲になった。曲作りのあり方を考え直させられた。この曲みたいに言葉遊びをしながら、かつリアルに、感じたことを言えれば良いなと思った。

次の記事では10曲ライブで使用したサンプリングの元ネタを全部バラします。

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