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珈琲がくれる明日☕

コーヒーを飲んでいるときは、何でもない時間も特別にしてくれる。

いつも会社で出される苦いコーヒーが飲めなかった。
先輩と一緒に、どうやったら会長がおごってくれた特別なコーヒーを飲み干せるのか笑いながら話した。

会社の隣の隣の、クインテスのマスターが淹れてくれた特別な味。

もっとちゃんと、飲んでおけばよかった。

私に愛をくれた会長はもう居なくて、あのレトロなクインテスはもう無くて、私はあの時描いた夢の仕事を全部手にいれて生きている。

失うことと、手に入れることが重すぎて、
きっとこれからもそういう繰り返しなんだろう。

そうやって、コーヒーを1杯淹れる度に、1杯飲み干す度に。
涙を零さないように明日へ向かっていく。

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