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死なないため

ジムに通っている。かれこれ3・4年になると思う。

近所の月額3000円くらいで通える、最低限の設備だけあるフィットネスジムだ。他の利用者も自分よりかなり年上の人がほとんど。
頻度も週に2日、ランニングマシンを5キロ走って、筋トレマシンを1セットづつ。1時間半ほどのルーチンを適当にやってるだけだ。
ムキムキになりたいとか痩せたいとか思っているわけではない。
というかそもそも身体を動かすのも別に好きではない。スポーツらしいスポーツもロードバイク以外やっていなかったし…行かずに済むなら行きたくないとまで思っている。

基本的に私は微妙に体が強くないので、きっちり目の生活リズムや食生活を守らないとすぐに体調が悪くなりポンコツになってしまう。
毎日8時間寝ないと日中ふわふわになるし、過食をするとすごい速度で口内炎が生成されてお腹がゆるくなる。
それと同じで、日常的に体を動かしておかないとすぐに具合が悪くなる。ひじょうに不便な身体だ。
職場近くの家に引っ越すまでは片道15キロの道を自転車通勤していたのでジム通いも必要なかったのだが、通勤がラクになった途端身体が不調を訴え始めた。それで通い始めたのがキッカケである。
だからジムに通っているのは死なないためだ。

とはいえ、運動そのものは好きではなくてもいつでも身体が快適に動くのは気分がいい。
走ったあとはスッキリするし、辛いことがあったときの暴力衝動ストレスを筋トレマシンで発散することができる。
ランニングマシンに乗ってる時間は音楽を集中して聞けるし、一時期はiPadを持ち込んで走りながら映画鑑賞もしていた。

身体が強くないと言ったが、無理が全く利かない身体のおかげか体調管理に気を使う習慣がなんとなく身について、「微妙に具合が悪い」よりも体調が悪化することがほぼない。
n年間会社勤めをしたが体調不良で休んだのは1回きりだ。
不便な体質だがそこだけは褒めてやらなくもない。啓蒙をありがとう。

なによりいちばん良いのは、ジムに行ってるというだけでちょっとドヤ顔できることである。
好きでやってる訳では無いが、世間体に悪くない活動はなんだかんだ便利だ。持つべきは聞こえの良い趣味。色々と隠れ蓑になりますしね…。
身も蓋もないオチでなんか申し訳ない。



こないだ観た映画。
2016年公開『GANTZ:O』
あらすじ以外のネタバレなしで感想です。

https://eiga.com/movie/83545/photo/  より引用

奥浩哉作、言わずと知れた超人気SFマンガ『GANTZ』。
GANTZ作中中盤に当たる「大阪編」をフル3DCGで映画化した国内作品。

Amazonプライム、及びNetflixで見放題配信中!
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B06XDF3SYH/ref=atv_dp_share_cu_r

原作は全部は読んでないが、終盤にあたるカタストロフィ編はヤングジャンプを毎週購読していた時期に重なっているので話の流れは把握している。
実はこの映画もかなり前に一度視聴しており、今回また観たくなったので再視聴した。

すっごく質の良いフルCGアニメだと思う。こういうバキバキのSF作品がフルCG映画になること自体が結構レアなのに、クオリティが半端ではない。希少価値がとても高い。

・あらすじ
主人公は高校生の加藤。冷静ながら正義感の強い熱血漢。
ある日凶悪な通り魔事件に遭遇し、危険を顧みず被害者の救助に向かうがあえなく通り魔に滅多刺しにされ即死してしまう。
確かに死んだはずの加藤だが、目が覚めるとあるアパートの一室にいた。
無傷の自信の身体、見知らぬ4人の男女、そして部屋の中央に置かれた真っ黒い球体。
球体の名は''ガンツ''。
死から蘇った加藤は、その代償に不条理な「ミッション」に巻き込まれていくことになる。

素晴らしいのはやはり映像。
ガンツスーツの質感がすばらしい。シンプルながら質感がキマっていてずっと見ていられる。
各種武装の金属感、照明の光り方もガジェット好きが興奮する感じのルックになっている。Xガンが展開する構造とか最高だ。
そもそも原作がかなりCGを駆使して作画されたマンガなので、フルCGになったときの映え方がすごい。
全員が全身タイツなのでCGの処理的にもやさしいし。
(CGは服とか髪とか、柔らかいものを入れるとシュミレーションが重くなって大変になる)
まさにフルCGでやるのにふさわしい作品だと思う。

顔のモデルも原作の雰囲気を出しつつCGでも不気味にならないようにまとまっていていい感じだ。
アニメーションはパフォーマンス・キャプチャーを使用しているらしい。
『アバター』とかでも有名な、身体の演技と顔の演技を同時にキャプチャーしてCGモデルに反映させる技術だ。非常に手が込んでいる。

ずっと夜の街のシーンで、ギラギラしたスーツや武器を振るう戦闘シーンが続くのでライトがとても美しい。
炎やビームや水しぶきの飛び交うエフェクトもリッチだ。


クールかつ熱血、緊張感がありながらシュールな不条理さがものすごく独特な世界観を作り出している、無二の作品。

原作はかなり残酷な描写で有名だが、本作はかなりマイルドになっており、映倫のレーティングもPG12で済んでいる。
腕が飛んだり首が飛んだり腰から上が飛んだりはするが、必要以上に恐怖を煽る描写は無い。

更にさすがこの規模の映画というべきか、原作未読勢でも話に入りやすいように展開がアレンジされている。
前知識がなくても全く問題ないので、作風が合いそうなら気軽に観てほしい。すごくおすすめです。

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