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『ルパン三世 THE FIRST』観た(若干ネタバレアリ)

配信で邦フル3DCGアニメ映画を観た。
結論から言うと、非常に面白かった!これは記録せねば、ということで感想を書きます。

ルパンシリーズの映画第7作目の本作は、初のフル3DCGによるアニメーション作品。監督・脚本は山崎貴。2019年12月公開。

なんと私、ルパンシリーズも山崎貴監督作品も全くの初見である。『カリオストロの城』『ALWAYS』さえ観ていない。すみません。石投げないで。
日本のフル3DCGとなると、最後に見たのは『GANTZ:O』かもしれない。あるいは『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』か…相当前だなあ

今回も事前知識ゼロで挑んだ。国内のこういうお金のかかった作品は大抵予習なしでも話が追えるように作ってあるものなので。
実際その通りでした。

ここからちょっとだけネタバレです


核心部分を描写したりしないので、未見の人が読んでも一応大丈夫だと思います。
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ストーリー


舞台は1960年代。大怪盗アルセーヌ・ルパンの孫であるルパン三世が、祖父でさえ盗むことができなかった幻のお宝を追ううちに、秘宝に縁あるキャラクターと出会い、ナチス・ドイツの残党を巻き込んだお宝の奪い合いに発展していく、というストーリー。
フルCG映画となるとディズニーやピクサーの、恐ろしくコストのかかった、途切れなく山場が続くテンポの良いアニメを思い出して比較してしまうが、それでいうと本作は日本のアニメのテンポに近いと言える。

ハリウッド級のCGアニメも大好きだが、かなり内容が詰め込まれていて展開のスピードに気持ちがついていかないことも多々ある。
こういうペースのフルCGアニメもいいもんだなあ、と思った。グラフィックをじっくり観察する余裕があるので。

カットごとに見ると微妙な歯切れの悪さはあるが、全体を通してみると構成は非常に良かった。
ルパンと女性キャラ、敵組織に加えて次元と五右衛門、峰不二子や銭形がそれぞれの思惑で動き物語を賑わせる。
物語の着地点も想定がつかず、局面がバンバン移り変わる。最後は観客である私も世紀の大泥棒に見事に騙されてしまった。
とてもルパン三世らしい物語だったんじゃないだろうか。

ゲストキャラクターの女性と悪役である彼女の養父との関係性が複雑で、短い映画の中で関係性が二転三転するのも面白かった。
また才能ある若者の社会進出を抑え込み支配しようとする旧態然とした考え方の老人を一喝する、なかなか現代的なメッセージ性も込められており、意外性という意味でも良かった。

ロマンスを匂わせる描写はマジで要らないと思ったけど…まあ良しとしよう。

グラフィック


・キャラクターモデル
これが今作の要素では一番良いと感じた。アニメで有名な作品で、しかもかなり癖のある造形のキャラクターをこれだけ違和感の無い形で立体化するのは至難の業だろうと想像がつく。しかし本作は見事にやってのけている。

・アニメーション
アニメーションも素晴らしい。特にフェイシャル。
今作はなんとプレスコ方式(声優の録音をもとに、声に合うように映像を作っていく方式。手間がかかる。アニメの制作はアフレコが多い)で制作されているそうだ。
キャラの表情が声優の演技に乗って活き活きと動く。声優の声に合わせつつも、アニメーションとして強調された豊かな顔の動きが観ていて気持ちいい。
海外のアニメは、当然ながら吹き替えで観ると声が口の動きに合っていないので、このクオリティのCGのキャラクターが日本語を話し、口と声がしっかり合っているのを見るのは逆に新鮮である。

アクションシーンはあまり多くないながらも、しっかりとキメのシーンが用意されており印象は強い。
白眉である、ルパン三世のテーマが流れるシーンのアクションは、情報量の多い背景でも自由自在にカメラを動かせる3DCGアニメの魅力が詰まった美しいカットだった。

・エフェクト
終盤に行くに連れてなかなか処理の重そうな派手なエフェクトが増えてきて見ごたえがあった。3DCGの良さが派手な演出に活かされていて、満足感がある。



総じてクオリティが高く、気になるところが少ないアニメでした。
国内フルCGアニメでもここまでできるのか!と驚かされる一本。

これからは2Dアニメ以外の国内の映画も色々見ていこう…と思わされたのでした。


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