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「ピノキオ」感想
「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」アカデミー長編アニメ映画賞受賞おめでとう!
デル・トロ監督がアニメでもやってくれました。
「パシフィック・リム」も「シェイプ・オブ・ウォーター」も大好き。
なので受賞以前から興味はあったんですが、ピノキオについてなんにも知らないので一旦スルーしてました。
でもディズニーピクサーを下しての受賞とあっちゃ見るっきゃねえ!
ということで予習としてディズニー版ピノキオを観ました。
子ども向けアニメだと思って舐めていたんですが、色々と度肝を抜かれました。
まずは物語。
子ども向けアニメなので、視聴前はふわふわした優しいアニメを想像していました。
…怖い…
原作が社会風刺がテーマの作品らしいですが、こちらの作品も妙に恐怖を煽る演出が豊富でした。
序盤からピノキオは知らないおじさんについていって誘拐されて監禁の憂き目に合います。騙されていたことに気づいて慌て叫ぶピノキオの怯え方が実にリアル。
窮地を脱したかと思えば流れ着いたのは男の子を拐ってきては非行に走らせ、最後はロバに変えて出荷してしまう怖ろしい人身売買施設。
ロバに変えられた少年たちに自我が残っているのが本当に恐怖。
変化の過程も詳細で、演出も完全にホラーです。
ゼペット爺さんはクジラの体内で餓死寸前ですし、化け物クジラのモンストロの迫力はサメ映画顔負けでした。
辛くも窮地を脱したピノキオは水死体よろしく浅瀬に顔を埋めて沈んでいます。
あの画は忘れられそうにありません。
これ子ども向け映画なんですよね?ちびっこのトラウマ必至なんじゃないでしょうか。
まあ何を意図してこうなったのかはともかく、予想外の冒険活劇な展開は楽しかったです。
そして物凄い物量の豊かなアニメーション!
初期のディズニーアニメは何本か観てるので、見慣れた気でいましたが結局毎回腰を抜かしています。
特に凄かったのが終盤、モンストロから逃げるピノキオとゼペットじいさんを取り巻く海と波の表現!
弾ける泡や水しぶきを、線と単色の塗りではなく絵画のような不定形な筆使いで描き、それをアニメーションさせています。多分24fpsで。
常軌を逸している…
線の動きで表現されるキャラクターのアニメーションとは一線を画しています。
まるで葛飾北斎の絵が動き出したのようなど迫力でした。
最後にキャラクター。
悪い大人に言われるがまま享楽に耽ったり痛い目にあわされていたピノキオが終盤にかけてどんどん自主的になり、
自分からゼペット爺さんを探しに行ったり、
脱出を完全に諦めていた爺さんに代わって機転を利かせ、モンストロの腹から脱出するに留まらず、命を賭して愛する父の命を救った。
これまた想定外のアグレッシブなキノピオの姿にちょっと感動。
少年の成長物語として魅力的な映画でした。
面白かった…やっぱり歴史的な映画って歴史に残るだけの面白さがありますね。
ギレルモ・デル・トロ版も見るのが楽しみです。
余談なんですが、
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こちらの界隈でよく拝見するこのイケてる狐獣人さん、ピノキオのヴィランだったんですね。覚えました。(かわいかった)
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