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【今日のバッハのカンタータは?】2024/3/11(月)メンデルスゾーンによるマタイ受難曲の演奏

WHICH BACH CANTATA TODAY?" (「今日のバッハのカンタータは?」)の 2024年3月11日の記事の和訳です。以下,一部訳注やリンクの追加をしている以外は,ほぼ直訳です。

メンデルスゾーンによるマタイ受難曲の演奏

2024年3月11日 - 1829年の今日3月11日にマタイ受難曲の演奏がされた。バッハの没後初めての演奏だ。指揮者はフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ。

当時まだ20歳(!)だったメンデルスゾーンは、すでにベルリン・ジングアカデミーでバッハの音楽に触れていた。その5年前には、メンデルスゾーンは祖母から素晴らしい贈り物をもらっていた。それが「受難曲」の楽譜だった。当時、この作品は全く無名で、ほとんどの人々から忘れられていた。しかし、メンデルスゾーンの祖母はこの作品が傑出したものだと認めており、天才的な孫にそれを譲った。

メンデルスゾーンは、全曲演奏をするために労を尽くした。長くて退屈な曲だと思われていたので、当時の聴衆が許容できる長さに収めるために、何箇所か切り詰めなければならなかった。しかし、彼はついに1829年の今日,この曲を演奏し、19世紀のバッハ再発見への道を開いた。この演奏がなければ,私たちはバッハの作品のすべてとは言わないまでも、その多くを知ることはなかったかもしれない。

メンデルスゾーンは、カンタータだけでなく、鍵盤楽器のためのバッハの作品も研究し続け、ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテやヴィクトリア女王など、当時の著名人を前にヨーロッパ各地で演奏した。もちろん、バッハの再発見に貢献したのはメンデルスゾーンだけではないが、このマタイ受難曲の演奏は、19世紀にバッハの作品が広く注目されるようになった重要なマイルストーンだったと広く考えられている。

というわけで、今日は特別なプレイリストを作ってみた。純粋主義者の方々にはお許しいただきたいのですが...メンデルスゾーンが演奏したと知られているバッハの作品と、メンデルスゾーンの自作曲を組み合わせた。

プレイリストの初めと終わりには、マタイ受難曲の第1楽章と終楽章を選んだ。「来たれ、娘たちよ、われとともに嘆け」《Kommt, ihr Töchter, helft mir klagen》と 「我ら涙して跪き」《Wir setzen uns mit Tränen nieder》のどちらも信じられないほど感動的なコーラスで,聴くたびに鳥肌が立つ。

次はメンデルスゾーンの楽しい序曲「フィンガルの洞窟」《The Hebrides》。続いて、バッハのオルガン曲「前奏曲とフーガ 変ホ長調」 BWV 552。この曲はメンデルスゾーンが演奏したことで知られている。彼は鍵盤楽器の名手だったからね。

そしてメンデルスゾーンの壮麗なヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64。これは絶対的な名曲だ。バッハのフルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV 1034もメンデルスゾーン家で演奏された。

メンデルスゾーンが職に就いてからの人生の大半をライプツィヒで過ごした点はとても重要だ。バッハとの距離をさらに縮めることになったからね。そして1829年の演奏は、彼に合唱作品の創作にもインスピレーションを与えたようだ。このサイトを購読しているジェニファーの提案で、詩篇42篇と31篇と、マルティン・ルターの賛美歌に基づくコラール・カンタータ「我らに平和を与え給え」《Verleih uns in Frieden》のフィリップ・ヘレヴェッヘ(Philippe Herreweghe)による素晴らしい録音を追加した。ジェニファーは、メンデルスゾーンのオラトリオ「聖パウロ」「エリヤ」を検索することも勧めてくれている。

メンデルスゾーンの最後の曲は、壮大な「イタリア」交響曲第4番イ長調で、最後には前述のようにマタイ受難曲の終楽章で締めくくっている。

このミックス・プレイリスト許していただき、楽しんでいただければ幸いだ...。バッハ愛好家として、私たちはメンデルスゾーンのような人たちの忍耐と音楽的洞察力に感謝しないとね!

Music for today

  • Passio secundum Matthaeum - 1. Kommt, ihr Töchter, helft mir klagen, BWV 244
    (first performance 11 April 1727, Leipzig period)

  • The Hebrides or Fingal's Cave, Overture in B minor for orchestra Op.26, MWV P7
    (first performance 1830-1832)

  • Prelude and Fugue in E-flat major, BWV 552
    (first performance 1739, Leipzig period)

  • Violin Concerto in E minor, Op. 64, MWV O14
    (first performance 1830-1832)

  • Sonata in E minor for flute and basso continuo, BWV 1034
    (first performance 1717-1723, Köthen period)

  • Symphony No. 4 in A major, Op. Posth. 90, "Italian", MWV N16
    (first performance 13 May 1833)

  • Passio secundum Matthaeum - 68. Wir setzen uns mit Tränen nieder, BWV 244
    (first performance 11 April 1727, Leipzig period)

Playlist

WBCF0311-Mendelssohn's performance of the Matthaeus Passion

このプレイリストは以下のストリームサービスのどれかからどうぞ。

Image of the day

ライプツィヒのトーマス教会横にあるフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディの像。メンデルスゾーンによる1829年のマタイ受難曲の演奏は,バッハ生前以来初めての演奏で、19世紀におけるバッハ作品再発見の道を開いた。

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