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【今日のバッハのカンタータは?】2024/3/10(日)喜びの主日

WHICH BACH CANTATA TODAY?" (「今日のバッハのカンタータは?」)の 2024年3月10日の記事の和訳です。以下,一部訳注やリンクの追加と関連動画の紹介をしている以外は,ほぼ直訳です。

四旬節第4主日もしくはレターレ(喜びの主日)

2024年3月10日 - この日曜日のためのカンタータもやはり書かれていない。ライプツィヒでは「閉ざされた時」(Tempus Clausum)の期間(ミサでの音楽はない期間)だったからね。そこで、どの時期のために書かれたのかや,初演日が不明なカンタータ3曲を代わりに紹介しよう。

はじめに紹介するカンタータ「主よ、深き淵よりわれ汝を呼ぶ」《Aus der Tiefen rufe ich, Herr, zu dir》BWV 131を,バッハは1708年、22歳の若さでミュールハウゼンで作曲した。最初期のカンタータの一つだ。バッハは聖ブラジウス教会(Divi Blasii Kirche)のオルガニストとして働いていたが、このカンタータは聖マリア教会(Marienkirche)の牧師に依頼されたもので、おそらくは町議会の就任式か、あるいはバッハが到着する直前にミュールハウゼンを襲った大火事に対する懺悔の礼拝のために作られたものだ。

「いざ,もろびと神に感謝せん」《Nun danket alle Gott》BWV 192は、1730年にライプツィヒで書かれ、1725年から1725年にかけてのコラール・カンタータ・サイクルに後で追加された作品である。初演をトリニタティス(三位一体の主日,聖霊降臨(Pentecost)の後の最初の日曜日)とする学者もいるが、その年の秋のなんらかの機会に演奏されたことを示唆する証拠もあるようだ。このカンタータは3楽章からなる短いカンタータになっている。原曲の讃美歌の歌詞と詩節(stanza)に従った形式になっているためだ(この手法は`per omnes versus'と呼ばれる)。

「おおイエス・キリスト、わが命の光」《O Jesu Christ, meins Lebens Licht》, BWV 118はカンタータだろうか,それともモテットだろうか?この曲は1楽章しかないが、19世紀にバッハ協会によってカンタータとされた。しかし、新バッハ全集(Neue Bach-Ausgabe)では、器楽パートがあるにもかかわらず、モテットとされている。というわけで、私のカレンダーに載せるに値すると思う。

Music for today

  • Aus der Tiefen rufe ich, Herr, zu dir, BWV 131
    (first performance ? 1707, Mühlhausen period)

  • Nun danket alle Gott, BWV 192
    (first performance ? Autumn 1730, Leipzig period)

  • O Jesu Christ, meins Lebens Licht, BWV 118
    (first performance ? 1736/1737, Leipzig period)

Playlist

WBC23-4th Sunday of Lent or Laetare

Image of the day

ミュールハウゼンの聖マリア教会の内部。「カンタータ主よ、深き淵よりわれ汝を呼ぶ」《Aus der Tiefen rufe ich, Herr, zu dir》BWV 131が1707年に初演された。


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